超酸化カリウム
超酸化カリウム | |
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Potassium dioxide |
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 12030-88-5 |
PubChem | 61541 |
RTECS番号 | TT6053000 |
特性 | |
化学式 | KO2 |
モル質量 | 71.0971 g/mol |
外観 | 黄色固体 |
密度 | 2.14 g/cm3, 固体 |
融点 |
560 °C, 833 K, 1040 °F (分解) |
水への溶解度 | 分解 |
構造 | |
結晶構造 | 立方晶系 |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
-284.93 kJ mol-1[1] |
標準モルエントロピー S |
116.7 J mol-1K-1 |
標準定圧モル比熱, Cp |
77.53 J mol-1K-1 |
危険性 | |
主な危険性 | 腐食性、酸化性 |
NFPA 704 | |
Rフレーズ | R8 R14 R34 |
Sフレーズ | S17 S27 S36/37/39 |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | 酸化カリウム 過酸化カリウム |
その他の陽イオン | 超酸化ナトリウム |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
超酸化カリウム(ちょうさんかカリウム、英: potassium superoxide)はカリウムの超酸化物。溶融したカリウムを純粋な酸素中で燃焼させて得られる。
性質[編集]
黄色の固体であり、結晶構造は立方晶系で炭化カルシウム型構造である。超酸化物イオンの不対電子のため常磁性を示す[2]。
反応と用途[編集]
- 4 KO2 + 2 H2O → 4 KOH + 3 O2
- 2 KOH + CO2 → K2CO3 + H2O
- K2CO3 + CO2 + H2O → 2 KHCO3
工業用酸化剤として二酸化炭素の除去や除湿に使われる。ロシア連邦宇宙局はソユーズの酸素発生器における酸素供給源として実用化され、非常用酸素マスクにも応用されている[3]。潜水艦・潜水服や消防服などの用途もあるが、水との反応性が高いため使用は限定的である。理論上、超酸化カリウム1 kgあたり0.309 kgの二酸化炭素を吸収し、0.38 kgの酸素を放出する。
二酸素誘導体の構造傾向[編集]
二酸素 (O2) の誘導体は、O-O 結合の結合次数と相関した特徴的な結合長をもつ。
二酸素誘導体 | 名称 | O-O 結合長 (Å) | O-O 結合次数 |
---|---|---|---|
O2+ | ジオキシゲニルカチオン | 1.12 | 2.5 |
O2 | 二酸素 | 1.21 | 2 |
O2- | スーパーオキシドアニオン | 1.28 | 1.5[4] |
O22- | 過酸化物アニオン | 1.49 | 1 |
脚注[編集]
- ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
- ^ 化学大辞典. 共立出版. (1993).
- ^ “日本パイオニクス”. 2011年5月1日閲覧。
- ^ Abrahams, S. C.; Kalnajs, J. “The Crystal Structure of α-Potassium Superoxide” Acta Crystallographica (1955) 8, p503-506. DOI:10.1107/S0365110X55001540.
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