老齢基礎年金

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老齢基礎年金(ろうれいきそねんきん)とは、国民年金に加入し、要件を満たした者が所定の年齢になってから受給する(給付される)年金のことである。一般的に「老齢年金」と呼ばれるものは正式には「老齢基礎年金」を指すことが多い。

概要[編集]

以下は国民年金法(昭和61年(1986年4月1日施行のいわゆる「新法」)の規定により受給権が発生した者に支給される年金である。また旧法の規定や生年月日により、新法下でも旧法との調整が行われる。

以下の者は旧法の老齢年金の対象となるので、新法の老齢基礎年金は支給されない。

個々の現在または将来の受給額については、最寄の「年金事務所」、および「年金相談センター」への個別照会、郵送照会、「ねんきんダイヤル」への電話相談などを行うことで知ることができる。また平成19年度から始まった「ねんきん定期便」なども参考として将来の受給額を予測できる。受給は数十年先の事であったとしても、納付段階から理解し、かつ受給段階において漏らさず受給出来るか注視すべき項目として参考となる。

要件[編集]

期間[編集]

保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間の3つが合計25年以上ある人が、原則65歳から受給できる。法改正により、2015年10月からは「25年」の要件は「10年」に短縮される予定である。

なお、「25年」の要件は、特例により15〜24年に短縮されることがある。

  • 公的年金制度加入期間の特例(生年月日が以下の場合、期間が短縮される(旧法規定による特例措置))
    • 大正15年4月2日~昭和2年4月1日:21年
    • 昭和2年4月2日~昭和3年4月1日:22年
    • 昭和3年4月2日~昭和4年4月1日:23年
    • 昭和4年4月2日~昭和5年4月1日:24年
  • 被用者年金制度加入期間の特例(以下の生年月日の者は、厚生年金・共済組合等の期間を合算し、以下の期間以上である場合は期間要件を満たしたものとみなされる)
    • 昭和27年4月1日以前:20年
    • 昭和27年4月2日~昭和28年4月1日:21年
    • 昭和28年4月2日~昭和29年4月1日:22年
    • 昭和29年4月2日~昭和30年4月1日:23年
    • 昭和30年4月2日~昭和31年4月1日:24年
  • 厚生年金の中高齢者の特例(以下の生年月日の者は、厚生年金の被保険者期間(男子は40歳、女子・第3種被保険者・船員任意継続被保険者は35歳に達した月以降の期間に限る)が、以下の期間以上である場合は期間要件を満たしたものとみなされる)
    • 昭和22年4月1日以前:15年
    • 昭和22年4月2日~昭和23年4月1日:16年
    • 昭和23年4月2日~昭和24年4月1日:17年
    • 昭和24年4月2日~昭和25年4月1日:18年
    • 昭和25年4月2日~昭和26年4月1日:19年

保険料納付済期間[編集]

被用者年金制度に加入していた期間については、次の期間が保険料納付済期間となる。

  • 第2号被保険者であった期間(20歳未満の期間及び60歳以上の期間に係るものを除く)
  • 昭和36年4月1日~昭和61年3月31日までの厚生年金・船員保険の被保険者又は共済組合の組合員等であった期間(20歳未満の期間及び60歳以上の期間に係るものを除く)

被用者年金制度に加入していなかった期間については、次の期間が保険料納付済期間となる。

  • 第1号被保険者(任意加入被保険者を含む)であった期間のうち保険料を全額納付した期間
  • 第3号被保険者であった期間
  • 昭和36年4月1日~昭和61年3月31日までの国民年金の被保険者(任意加入被保険者を含む)であった期間のうち保険料を全額納付した期間

要約すると、第1号被保険者については、第1号被保険者であった期間のうちの保険料を全額納付した期間が該当し、第2号被保険者、第3号被保険者については、保険料の納付義務がないので、第2号被保険者、第3号被保険者であった期間が原則としてそのまま保険料納付済期間となる。

第3号被保険者となったことの届出が遅れた場合、やむをえない事由がある場合を除き、当該届出が行われた日の属する月の前々月までの2年間のうちにあるものを除き、保険料を滞納した期間として扱われる。ただし、平成17年4月1日前の第3号被保険者の未届期間については、届出をすることにより、当該届出が行われた日以後、当該届出に係る期間を保険料納付済期間に算入することができる。また、第3号被保険者期間として保険料納付済期間とされた期間の一部について、第3号被保険者以外の被保険者期間が新たに判明した場合や、配偶者の制度移動があった場合において年金記録の訂正が行われた場合は、引き続く第3号被保険者期間については保険料納付済期間として扱う。

いっぽう第3号被保険者から第1号被保険者への変更の届出が遅れた場合(夫が脱サラした・夫が定年退職した・妻の収入が増えて夫の扶養から外れた・夫からの暴力を受け、妻が夫の収入によって生計を維持しなくなった等の、その当時60歳未満の妻など)、3号不整合対応法が2013年7月に成立した。同法により、不整合期間として第3号被保険者とされる期間は合算対象期間となる。この場合、2015年4月から3年間に限り、過去10年分(60歳以上の人は一律50歳~60歳の分)の不整合期間の保険料を追納することができる。

保険料免除期間[編集]

全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除の4種類あり、全額免除以外は残余の金額を納付した期間が該当する。また、免除された保険料を追納した場合、保険料納付済期間となる。

合算対象期間[編集]

年金受給権を発生させるためのカラ期間のことである。「25年以上」の要件を満たすために算入されるが、実際の年金額には全く反映されない。

被用者年金制度に加入していた期間については、次の期間が合算対象期間となる。

  • 第2号被保険者であった期間のうち、20歳未満及び60歳以上の期間(保険料納付済期間とされないのみであって、被保険者期間とされないのではない)
  • 昭和61年3月31日までに厚生年金又は船員保険の脱退手当金の計算の基礎となった期間
  • 昭和61年3月31日までの加入期間のうち、共済組合の組合員等であった期間のうち、共済組合が支給する退職年金または減額退職年金の額の計算の基礎となった期間(昭和6年4月2日以後に生まれた者に限る)
  • 共済組合が支給した退職一時金で政令で定めるものの計算の基礎となった期間
  • 通算対象期間(昭和36年4月前の被用者年金制度加入期間のうち所定の要件を満たすもの)のうち、昭和36年4月1日前の期間に係るもの
  • 昭和36年4月1日~昭和61年3月31日までの間に通算対象期間を有しない者が昭和61年4月1日以後の保険料納付済期間又は保険料免除期間を有するに至った場合におけるその者の厚生年金・船員保険の被保険者のうち、昭和36年4月1日前の期間に係るもの

被用者年金制度に加入していなかった期間については、次の期間(すべて20歳以上60歳未満の期間に限る)が合算対象期間となる。

  • 被用者老齢年金の受給権者であったために国民年金の適用を除外されていた者が国民年金に任意加入しなかった期間
  • 日本国内に住所を有しなかったために国民年金の適用を除外されていた日本国籍を有する者が国民年金に任意加入しなかった期間
  • 昭和36年4月1日~平成3年3月31日までの間に昼間学生であった期間のうち国民年金に任意加入しなかった期間
  • 昭和36年4月1日~昭和61年3月31日までの期間のうち、被用者障害年金又は被用者遺族年金の受給権者であったために、国民年金の適用を除外されていた者が、国民年金に任意加入しなかった期間
  • 昭和36年4月1日~昭和61年3月31日までの期間のうち、被用者老齢年金又は被用者障害年金の受給権者の配偶者又は被用者の配偶者であったために、国民年金の適用を除外されていた者が、国民年金に任意加入しなかった期間
  • 昭和36年4月1日~昭和61年3月31日までの期間のうち、国会議員又はその配偶者であったために、国民年金の適用を除外されていた者が、国民年金に任意加入しなかった期間
  • 昭和36年4月1日~昭和61年3月31日までの期間のうち、地方議会議員又はその配偶者であったために、国民年金の適用を除外されていた者が、国民年金に任意加入しなかった期間
  • 旧法の規定により、都道府県知事の承認に基づき任意脱退した期間

昭和36年5月1日以後、20歳以上65歳未満の間に日本国籍を取得した者・永住許可を受けた者については、以下の期間(20歳以上60歳未満の期間に限り、被用者年金制度に加入していた期間を除く)が合算対象期間となる。

  • 日本国内に住所を有していた期間のうち、外国人の強制適用除外期間(昭和36年4月1日~昭和56年12月31日)であった期間
  • 日本国内に住所を有していなかった期間のうち、日本国籍を取得した日・永住許可を受けた日の前日までの期間

なお、合算対象期間のみで「25年以上」の要件を満たした場合、老齢基礎年金は受給できないが、振替加算(後述)の要件を満たした場合は、老齢基礎年金の受給権が発生した者とみなして振替加算相当額の老齢基礎年金が支給される。

定額[編集]

老齢基礎年金の基礎となる受給額を「定額」と呼ぶ。年金額は40年間(480月間)加入しそのすべてが保険料納付済期間である場合に、満額の定額786,500円[1](平成24年度)が支給される。

40年の間に保険料納付済期間以外の期間があると、その分だけ満額から減額されていく。保険料滞納期間や合算対象期間、さらに保険料免除期間のうち学生納付特例期間や若年者納付猶予期間は、年金額に全く反映されない。これ以外の保険料免除期間は、一定の割合で年金額に反映される。

任意加入により納付済機関と免除期間の合計が40年(480月)を超える場合、免除期間1月について年金額の高い期間を優先して年金額を計算する。具体的には、納付済期間、4分の1免除期間、半額免除期間、4分の3免除期間、全額免除期間の順に優先して計算する。

支給の繰上げ[編集]

老齢基礎年金の受給期間を満たす者で、満年齢60歳から65歳の間に(任意加入被保険者でないものに限る)、厚生労働大臣支給の繰上げを請求することで、減額された年金の受給が出来る。老齢厚生年金の受給権者の場合は、老齢基礎年金の繰上げと老齢厚生年金の繰上げを同時に行わなければならない。繰上げの請求をした日の属する月の翌月から、支給が開始される。

満年齢後の年月単位の繰上げ受給(早期の受給)が行え支給額に減額率を適用しての「繰上げ額」が付加される。誕生年月によって「全部繰上げ」と「一部繰上げ」が行える。いわば、早取分の減額である。月当り0.5%の減額があり、60歳到達月に繰上げ請求すれば最大30%の減額となる。付加年金についても同率で減額される。減額は生涯続き、また請求後の変更・取消しは出来ない。繰上げを行うと、国民年金の任意加入被保険者となることはできず、寡婦年金や、事後重症・基準障害による障害基礎年金も支給されなくなる。昭和16年4月1日以前生まれの者は、国民年金の被保険者に該当すると、繰上げ支給の老齢基礎年金は支給停止される。

支給の繰下げ[編集]

一方、65歳に達したときに老齢基礎年金の受給権を有する者は、66歳(受給権取得後1年経過後)から70歳までの希望する満年齢後の年月単位で、厚生労働大臣にに支給の繰下げを申出ることで、増額した年金の受給が行える。老齢厚生年金の受給権者の場合は、繰上げの場合とは異なり老齢基礎年金の繰下げと老齢厚生年金の繰下げを必ずしも同時に行う必要はない。申出のあった日の属する月の翌月から、支給が開始される。ただし、65歳に達したときに障害年金または遺族年金の受給権者であったとき、または66歳に達した日までに障害年金または遺族年金の受給権者となったときは、繰下げの申出はできず、66歳以降で障害年金または遺族年金の受給権者となったときは原則としてその日に繰下げの申出があったとみなされる。

年月単位で「年齢繰下げ支給」では、繰り下げ(先送り)年月数数に応じて増額率が変り、それに相当するの「繰下額」として加算額が付加される。これには月当り0.7%の増額が有り、5年間の70歳まで先送りすれば0.7%の月単位の調整であり、60ヶ月分(42%)の増額となる。この増額は生涯続く。また申請後取消しは出来ない。

繰下げ受給を希望し、70歳0ヶ月での増率を希望する場合は、70歳に到達した月に請求しないと(70歳になったからといって自動的に支給されるわけではない)、請求月の翌月からの受給原則により、(例えば「70歳8ヶ月で請求」した場合は8ヶ月分)遅れて請求するまでの間は受給できなく得策とはいえない。月末または1日生れは特に注意を要する。なお法改正により、2014年4月からは、遅れて請求しても、70歳到達月までさかのぼって受給できるようになる。ただし、70歳到達月後に請求したとしても、増額分は60ヶ月分(42%)が上限であり、それ以上遅らせて受給してもメリットは全くない。

付加年金[編集]

第1号被保険者、任意加入被保険者は、国民年金の毎月の掛金(拠出金)を全額納付した上で月当り400円を増額して納付することができる。これを「付加保険料」といい、付加保険料を納めたことによって、老齢基礎年金の受給権を取得したときに併せて支給される年金を「付加年金」と呼ぶ。ただし第2号・第3号被保険者・保険料の免除を受けている者・特例任意加入被保険者は付加保険料の納付はできない。また国民年金基金に加入している者も付加保険料の納付は出来ない。第1号被保険者のうち農業者年金の被保険者については、希望の有無に関わらず全て付加保険料を納付する者となる。なお、付加保険料の納付はいつでも辞退(申出をした日の属する月の前月分から)することができ、また付加保険料を納期限までに納付しなかった場合、付加保険料を納付する者ではなくなるため、督促されることはない。また付加保険料の追納はできない。

付加保険料を納付していた人は、200円×納付月数が付加年金として支給される。第3号被保険者であっても旧法時代に付加保険料を納めていた者については支給される。付加年金は生涯付加される金額であり、概ね、2年間付加年金を受給すれば、掛金400円の元は取れる。この繰上、繰下も申請後取り消しは出来ない。また付加年金は、改定率の改定による年金額の自動改定の対象とされない(マクロ経済スライド・物価スライド特例措置は適用されない)。

付加年金は老齢基礎年金とセットで支給されるので、老齢基礎年金が全額支給停止されている場合や、老齢基礎年金以外の年金(遺族基礎年金や障害基礎年金など)を受給する場合は付加年金も支給が停止される。また脱退一時金や寡婦年金を受給する場合は付加保険料を納めていても加算はされないが、死亡一時金を受給する場合は36月以上付加保険料を納付していた場合に限り8,500円が加算される。付加年金においても年齢年月繰上げ、または満年齢の繰り下げを定額と同時に行え、定額と同様の増額、減額が行われる。

振替加算[編集]

老齢厚生年金」の受給者に65歳未満の被扶養配偶者一般的には「妻」であるので、以下、便宜上「妻」と表記する)が居る場合には、「夫」の老齢厚生年金に「配偶者加給年金」が加算される。妻が65歳に達した以降は妻自身が老齢基礎年金を受給できるのでこの加給は無くなり、この加給額に相当する金額は「振替加算」として、妻自身が受給する「老齢基礎年金」内訳に振り替えられる。言い換えれば、妻にしかこの「振替加算」は付かない。

大正15年(1926年4月2日〜昭和41年(1966年)4月1日の間に生まれ、65歳に達した日以後において妻自身が老齢基礎年金の受給権を満たし、以下のいずれかの要件(加給年金額の計算の基礎となる)を満たした夫によって生計を維持されている妻が対象となる[2]

  • 老齢厚生年金又は退職共済年金の受給権者であって、被用者年金各法の被保険者期間または組合員等期間が240月以上である者
  • 障害厚生年金又は障害共済年金の受給権者であって、同一の支給事由に基づく障害基礎年金の受給権を有する者

なお、昭和41年(1966年)4月2日以後に生まれた妻は、満額の老齢基礎年金を受給しうるために、振替加算は行われない。大正15年(1926年)4月1日以前に生まれた妻(旧法による老齢年金等の受給権者)は、65歳になっても夫の加給年金は無くならないので、振替加算は行われない。

振替加算の額は224,700円×改定率×妻の生年月日に応じて定める率(1.0〜0.067)である。振替加算は、繰下げはできるが繰上げはできない(定額を繰上げしても、振替加算は65歳にならないと開始しない)。また繰下げしても増額はされない。

妻が、加入期間240月以上の被用者老齢年金を受けるときは、振替加算は行われない。また、妻が障害年金を受けることができるときはその間振替加算は支給停止となる。なお、振替加算の要件を満たした後に離婚しても、振替加算は支給停止されないが、離婚時みなし被保険者期間により厚生年金の被保険者月数が240月以上となった場合には振替加算は行われなくなる。

妻が夫よりも年上の場合、一般的には夫が加給年金の加算を受けるようになったときには妻はすでに老齢基礎年金を受給している。このような場合は夫に加給年金は支給されず、その時点から妻の振替加算が開始する。

老齢厚生年金[編集]

昭和24年(1949年)4月2日以後誕生の男子、および 昭和29年(1954年)4月2日以後誕生の女子の老齢厚生年金(報酬比例部分を除く)の受給は満65歳からである。それ以前の誕生の者(昭和16年(1941年)4月2日以後誕生の男子、および 昭和21年(1946年)4月2日以後誕生の女子)は満65歳以前の満61歳から満64歳まで順次生年月日に応じて老齢厚生年金の「定額部分」を受給できる(この年齢を「特例支給開始年齢」と呼ぶ。一例として昭和20年(1945年)4月2日〜昭和22年(1947年)4月1日の間に生まれた男子は63歳から受給できる)。詳細は厚生年金#老齢厚生年金を参照のこと

在職老齢年金[編集]

老齢厚生年金は65歳未満(「特例支給開始年齢」からも)でも先取りして、また65歳以降に先送りして受給できるが、受給をしながら就労して報酬を得る場合に適用される。就労する企業が厚生年金制度に加入し、かつそこの正規社員の勤務時間75%以上の就労時間ならば受給者も厚生年金に加入しなければならない。

60歳以降、(特別支給の)老齢厚生年金を受給しながら、かつ厚生年金被保険者でもある場合、受給する年金を特に「在職老齢年金」(低在老)と呼ぶ。総報酬月額相当額(標準報酬月額と、その月以前1年間の標準賞与額の総額を12で割った額との合算)と基本月額との合計額が28万円を超えると、以下のように支給停止される。この支給停止は「老齢厚生年金」の一部を成す「老齢基礎年金」部分に及ぶ事がある[3]

  • 基本月額が28万円以下であり、かつ総報酬月額相当額が46万円以下である場合
    • (合計額-28万円)×2分の1の額が支給停止となる。
  • 基本月額が28万円以下であり、かつ総報酬月額相当額が46万円を超える場合
    • (年金月額+46万円)-28万円×2分の1の額と、総報酬月額相当額-46万円の額との合計額が支給停止となる
  • 基本月額が28万円を超え、かつ総報酬月額相当額が46万円以下である場合
    • 総報酬月額相当額×2分の1の額が支給停止となる。
  • 基本月額が28万円を超え、かつ総報酬月額相当額が46万円を超える場合
    • 46万円×2分の1の額と、総報酬月額相当額-46万円の額との合計額が支給停止となる

昭和12年(1937年)4月2日以降に誕生した者は平成19年(2007年)4月以降、65歳以降の(本来の)老齢厚生年金を受給しながら、かつ厚生年金被保険者でもある場合、受給する年金も「在職老齢年金」(高在老)と呼ばれるが、総報酬月額相当額(標準報酬月額と、その月以前1年間の標準賞与額の総額を12で割った額との合算)と基本月額との合計額が46万円を超えると、その超えた額の2分の1相当額が支給停止となる。さらに、その超えた額が基本月額以上である場合は、経過的加算及び繰下げ加算額を除き、年金の全部の支給が停止される。

失権[編集]

老齢基礎年金・付加年金の受給権は、受給権者が死亡したときに消滅する。

死亡後について[編集]

死亡した事実が判明したら市町村の年金事務所へ連絡するのが基本であるが(国民年金は14日以内、厚生年金は10日以内)、死亡日より7日以内に戸籍法上の届出をすれば、市町村が住民基本台帳ネットワークシステムに参加していれば年金事務所への連絡は省略できる。

但し、受給停止の手続きをする前に年金事務所にて確認した結果、死亡した方に支払われるはずの年金が残っていることが分かる事がある。年金は偶数月15日に過去2ヶ月分がまとめて支給されるのが原則であるため、奇数月に死亡した場合、翌月に支給される予定だった分は「未支給年金」となる。この場合、未払い分(未支給年金)は、死亡者と生計を同じくしていた遺族(優先順位は配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順。法改正により2014年4月からはこれらの者以外の3親等以内の親族も追加された)が自己の名で請求することができる。同順位者が複数いる場合は、その一人がした請求は全員のためにその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした支給は全員に対してしたものとみなされる。

一方、受給権者が死亡したために消滅したにもかかわらず、翌月以降の分として過誤払が行われた場合、当該返還金債権に係る債務の弁済をすべき者に年金給付(遺族基礎年金)があるときは、その年金給付の支払金を返還金債権の金額に充当することができる。なお過誤払調整は同一制度内でのみ行われるので、国民年金と厚生年金のような制度をまたいだ充当はできない。

脚注[編集]

  1. ^ 物価スライド特例措置による年金額。本来はマクロ経済スライドによって計算した額(780,900円×改定率)となるはずであったが、長引くデフレの影響によりマクロ経済スライドは発動されなかった。
  2. ^ 昭和61年(1986年)施行のいわゆる「新法」下では妻も強制加入であるが、それ以前の「旧法」下では、妻は任意加入とされていたため。任意加入していなかった期間は合算対象期間とされ年金額に全く反映されず、妻の年金額が低くなる可能性があったため。
  3. ^ 老齢の年金を受けている方の届出・年金額について、 停止額の算出、社会保険庁

関連項目[編集]

外部リンク[編集]