竹田青嗣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

竹田 青嗣(たけだ せいじ、1947年10月29日 - )は、在日韓国人哲学者早稲田大学国際教養学部教授。

大阪府出身。早大政治経済学部卒業、文芸評論などでデビューし、1986年、加藤典洋とともに明治学院大学国際学部助教授に着任。同教授を経て、2005年に早大国際教養学部教授。

通常用いている韓国名は、姜修次(カン・スチャ、강수차)。戸籍名は、姜正秀(カン・ジョンス、강정수)。「竹田青嗣」とは、太宰治の小説「竹青」から付けた筆名であり、日本名ではない。

概要[ソースを編集]

学生の頃、自分の民族の問題と政治をきっかけとして、独学で哲学現代思想を学び、特に30歳前にエトムント・フッサール現象学に影響を受け、現象学を〈思考の原理〉であると定義して独自の現象学を探求し、俗に竹田現象学とも呼ばれている。

哲学についての著述はフッサールに関係したものが多いが、一般的に難解に陥りがちなこうした哲学を噛み砕き、分かり易く読者に提供することに長けている。そのため哲学的著述も専門的なものではなく、読者を限定せず、幅広い読者層を対象とした入門書的なものが多い。

ニーチェ思想の「力への意志」を現代思想のルーツとして捉え、ニーチェを高く評価している。

思想[ソースを編集]

現代哲学には3つの大きな潮流があるとしている。

フッサールの現象学を高く評価しているが、人間や社会の本質認識ではフッサールには希薄だった欲望論的観点からの価値と意味の原理論が必要としている。

その他、プラトンニーチェ、ハイデッガーを評価している。

著書[ソースを編集]

単著[ソースを編集]

  • 『<在日>という根拠――李恢成金石範金鶴泳』(国文社 1983年/ちくま学芸文庫] 1995年)
  • 『陽水の快楽――井上陽水論』(河出書房新社 1986年/のち文庫、[ちくま文庫] 1999年)
  • 『意味とエロス』(作品社 1986年)のちちくま学芸文庫 
  • 『<世界>の輪郭』(国文社 1987年)
  • 『現代思想の冒険』(毎日新聞社 1987年/ちくま学芸文庫 1992年)
  • 『世界という背理――小林秀雄と吉本隆明』(河出書房新社 1988年/[講談社学術文庫 1996年)
  • 『夢の外部』(河出書房新社 1989年/[講談社学術文庫] 1998年『現代批評の遠近法―夢の外部』)
  • 『現象学入門』(日本放送出版協会NHKブックス 1989年)
  • 『ニューミュージックの美神たち Love songに聴く美の夢』飛鳥新社 1989
  • 『批評の戦後と現在――竹田青嗣対談集』(平凡社 1990年)
  • 『自分を知るための哲学入門』(筑摩書房 1990年/ちくま学芸文庫 1993年)
  • 『「自分」を生きるための思想入門――人生は欲望ゲームの舞台である』芸文社 1992年/ちくま文庫 2005年)
  • 『はじめての現象学』海鳥社 1993年)
  • 『エロスの世界像』三省堂 1993年)のち学術文庫 
  • 『恋愛論』作品社、1993 のちちくま文庫 
  • 『ニーチェ入門』ちくま新書 1994年)
  • 『ハイデガー入門』講談社選書メチエ 1995年)
  • 『恋愛というテクスト』海鳥社 1996年)
  • 『エロスの現象学』海鳥社 1996年)
  • 『世界の「壊れ」を見る』海鳥社 1997年)
  • 『現代社会と「超越」』海鳥社 1998年)
  • 『プラトン入門』ちくま新書 1999年)
  • 『言語的思考へ――脱構築と現象学』径書房 2001年)
  • 『哲学ってなんだ――自分と社会を知る』岩波ジュニア新書 2002年)
  • 『現象学は「思考の原理」である』ちくま新書 2004年)
  • 『近代哲学再考――「ほんとう」とは何か・自由論』径書房 2004年)
  • 『愚か者の哲学-愛せない場合は通り過ぎよ』主婦の友社 2004年/『自分探しの哲学』 2007年)
  • 『人間的自由の条件――ヘーゲルとポストモダン思想』講談社 2004年)
  • 『現象学は<思考の原理>である』ちくま新書 2004
  • 『人間の未来-ヘーゲル哲学と現代資本主義』ちくま新書、2009 
  • 『中学生からの哲学「超」入門―自分の意志を持つということ』ちくまプリマー新書、2009 
  • 『完全解読 カント『純粋理性批判』』講談社選書メチエ、2010 
  • 『超解読!はじめてのカント『純粋理性批判』』講談社現代新書、2011 
  • 『完全解読 フッサール『現象学の理念』』講談社選書メチエ、2012
  • 『超解読!はじめてのフッサール『現象学の理念』』講談社現代新書、2012 

共編著[ソースを編集]

  • 丸山圭三郎)『丸山圭三郎記号学批判――<非在>の根拠』(作品社 1985年)
  • 岸田秀)『物語論批判――世界・欲望・エロス』作品社 1985年)
  • 小阪修平志賀隆生)『わかりたいあなたのための現代思想・入門』(JICC出版局 1990年)
  • 小浜逸郎橋爪大三郎村瀬学瀬尾育生)『試されることば』(JICC出版局 1991年)
  • (橋爪大三郎)『自分を活かす思想・社会を生きる思想―思考のルールと作法』径書房 1994年)
  • 小林よしのり・橋爪大三郎)『ゴーマニズム思想講座 正義・戦争・国家論 -自分と社会をつなぐ回路』径書房 1997年)
  • (加藤典洋)『二つの戦後から』(筑摩書房 1998年)
  • (西研共編著『はじめての哲学史――強く深く考えるために』有斐閣 1998年)
  • (加藤典洋・橋爪大三郎)『天皇の戦争責任』(径書房 2000年)
  • 西研)『よみがえれ、哲学』日本放送出版協会 2004年)
  • (西研)『完全解読 ヘーゲル「精神現象学」』講談社 2007年)
  • 山竹伸二)『フロイト思想を読む-無意識の哲学』日本放送出版協会 2008年)
  • 『知識ゼロからの哲学入門』現象学研究会共著 幻冬舎 2008 
  • 『低炭素革命と地球の未来 環境、資源、そして格差の問題に立ち向かう哲学と行動』橋爪大三郎共著 ポット出版 2009 
  • 『超解読!はじめてのヘーゲル『精神現象学』』西研共著 講談社現代新書 2010 
  • 『歴史と哲学の対話』西研,本郷和人共著 講談社 2013

外部リンク[ソースを編集]