「半月 (期間)」の版間の差分
m編集の要約なし |
編集の要約なし |
||
1行目: | 1行目: | ||
'''半月'''(はんつき) |
'''半月'''(はんつき・はんげつ)は、1か[[月 (暦)|月]]の半分である。1月をほぼ2等分したいずれか、あるいは、それに等しい期間を表す。 |
||
==太陽暦の半月== |
|||
1か月の期間は、[[グレゴリオ暦]]においては30[[日]]か31日([[2月]]のみ28日か29日)、[[太陰太陽暦]]においては29日か30日と月によって異なり、半月の期間も14~15.5日と変わることになる。実際には、例えば「1日と15日」「5日と20日」など、15日程度の間をあけた日付を決めて月に2度行うことを「半月に1度」と称することが多い。半月に1度発刊される雑誌は「月二刊」と呼ばれる。 |
|||
[[グレゴリオ暦]]での暦月(暦上の1か月)の長さは、月によって28~31[[日]]と異なるので、半月の長さも14~15.5日と変わる。 |
|||
平均すれば、1年の長さの平均である365.2425日の{{分数|1|24}}に等しく、15.2184375日である。またこれは2.1740625[[週間]]にも等しい。 |
|||
⚫ | |||
⚫ | |||
実際には、月の日数に関わらず1日から15日までを月の前半、16日から月末までを後半とすることが多い([[旬]]が10日・20日・月末までなのに似る)。この場合の半月は13~16日となり、平年の[[2月]]の後半が最も短く13日、大の月の後半が最も長く16日である。 |
|||
⚫ | |||
[[24節気]]は1[[太陽年]]を24分しているため、間隔は(季節によりやや変動するが)ほぼ半月である。 |
|||
[[スペイン語]]・[[イタリア語]]・[[フランス語]]・[[ポルトガル語]]にはそれぞれ''quincena''(または''quince días'')・''quindicina''・''quinzaine''・''quinzena''という言葉があり、それは「15日間」を意味する。同様に、[[ギリシア語]]の''dekapenthimero''も15日間の意味である。[[アラビア語]]では短い言葉の"أسبوعان" |
|||
(二週間)が広く使われ、長い言葉になる"خمسة عشر يوماً"(十五日間)はあまり用いられない。[[ヘブライ語]]では、"שבועיים"(二週間)が広く使われている。[[ヒンドゥー暦]]では[[サンスクリット語]]で「[[太陰暦]]の1か月の半分」を意味する"paksha"という言葉が使われており、それは14日間と15日間の間の日数になる。[[ウェールズ語]]では「15夜(fifteen nights)」を意味する''pythefnos''という言葉がある。これは、1週間のことを「8夜(eight nights)」を意味する''wythnos''と呼ぶのに対応している。 |
|||
===半月に1回の予定=== |
|||
⚫ | |||
実際に半月に1回の予定を組むには、15日程度の間をあけた2つの日付、例えば「(毎月)1日と15日」「5日と20日」などを決めることが多い。この日付が n 日間隔(翌日を1日間隔とする)の場合、実際の間隔は n 日か (28 - n) ~ (31 - n) 日である。 |
|||
「第1・第3○[[曜日]]」または「第2・第4○曜日」の形もある。この場合の間隔は14日か21日(2週間か3週間)である。 |
|||
半月に1度発刊される[[定期刊行物]]は「月2刊」「月2回刊」と呼ばれる。 |
|||
==太陰暦の半月== |
|||
[[太陰暦]]・[[太陰太陽暦]]では[[朔望月]]、つまり[[朔]]から次の朔までを1月とするが、朔から望([[満月]])までと望から次の朔までをそれぞれ単位とすることもあった。これが半月となる。 |
|||
その長さは[[朔望月]]の半分で、平均すれば平均朔望月の半分の約14.765日である。 |
|||
暦月で考える場合、ひと月は29~30日なのでその半分は14.5~15日となるが、やはり1日~15日と16日~末日で区切ることが多く、長さは14日か15日となる。約23%が14日、約77%が15日である。 |
|||
===パクシャ=== |
|||
[[ヒンドゥー暦]]の旧暦([[太陰太陽暦]])では、[[サンスクリット語]]で「[[太陰暦]]の1か月の半分」を意味する {{lang|sa|पक्ष}} ([[パクシャ]]、''{{interlang|en|paksha}}'') が使われる。 |
|||
[[朔]]から[[満月|望]]まで・望から朔までがそれぞれ {{en|shukla paksha}}(白分)・{{en|krishna paksh}}(黒分)と呼ばれる。 |
|||
パクシャの長さは約14.765日で、これが15[[ティティ]]に分けられる(等分または、[[月相]]{{分数|14/15}}ごとに分ける)。実際の暦上では15のティティは日に割り振られるので、パクシャの長さは14日か15日になる。14日しかない場合、あるティティに充てられる日がない「欠日」が起こっている。 |
|||
==月とは無関係な似た長さ== |
|||
いくつかの言語では半月に似た長さに固有の呼称がある。これらは現在では月とは無関係に長さのみを表すが、太陰暦の半月に由来するとの説もある。 |
|||
⚫ | |||
⚫ | |||
{{en|fortnight}} という語は、[[古英語]]で14夜 ({{en|fourteen nights}}) を意味する ''{{en|feorwertyne niht}}'' に由来する<ref>The Concise Oxford Dictionary, 5th Edition, 1964, p. 480</ref><ref>7日間(1週間)を意味する''{{en|senight}}'', ''{{en|sennight}}'', ''{{en|se’night}}''({{en|seven-night}} の意味の語に由来)という言葉が、19世紀初頭まで使用されていた。</ref>。 |
|||
⚫ | フォートナイトは、[[イギリス]]や、[[インド]]・[[ニュージーランド]]・[[オーストラリア]]などの[[英連邦]]諸国では広く用いられている。賃金や社会保障制度による給付金は、フォートナイトを基準として支払われる<ref>{{cite web |url=http://www.centrelink.gov.au/internet/internet.nsf/payments/pay_how_dsp.htm |title=Australian Government - How much Disability Support Pension do I get? |accessdate=2008-05-22 |format= |work= }}</ref>。[[アメリカ合衆国]]ではまれに用いられ、[[カナダ]]では一部地域で用いられる。 |
||
[[アラビア語]]では {{lang|ar|أسبوعان}} (''{{en|asbw'ean}}'')、[[ヘブライ語]]では、{{lang|he|שבועיים}} (''{{en|shbv'eyym}}'') が広く使われている。 |
|||
⚫ | |||
=== 15日 === |
|||
[[スペイン語]]の {{es|quincena}}(または {{es|quince días}})・[[イタリア語]]の {{it|quindicina}}・[[フランス語]]の {{fr|quinzaine}}・[[ポルトガル語]]の {{pt|quinzena}} は「15日間」を意味する。[[ラテン語]]で「15」を意味する {{la|quindecim}} との関係が見て取れる。 |
|||
[[ギリシア語]]の {{el|δεκαπενθημερο}} (''{{la|dekapenthimero}}'') も「15日間」を意味する。 |
|||
[[アラビア語]]では {{lang|ar|خمسة عشر يوماً}} (''{{en|khmsh 'eshr ywmaan}}'') だが、2週間を意味する語より長く、あまり用いられない。 |
|||
[[ウェールズ語]]では「15夜 ({{en|fifteen nights}})」を意味する {{lang|cy|pythefnos}} がある。これは、1週間のことを「8夜 ({{en|eight nights}})」を意味する {{lang|cy|wythnos}} と呼ぶのに対応している。 |
|||
== 脚注 == |
== 脚注 == |
2011年6月10日 (金) 14:45時点における版
半月(はんつき・はんげつ)は、1か月の半分である。1月をほぼ2等分したいずれか、あるいは、それに等しい期間を表す。
太陽暦の半月
グレゴリオ暦での暦月(暦上の1か月)の長さは、月によって28~31日と異なるので、半月の長さも14~15.5日と変わる。
平均すれば、1年の長さの平均である365.2425日の1⁄24に等しく、15.2184375日である。またこれは2.1740625週間にも等しい。
実際には、月の日数に関わらず1日から15日までを月の前半、16日から月末までを後半とすることが多い(旬が10日・20日・月末までなのに似る)。この場合の半月は13~16日となり、平年の2月の後半が最も短く13日、大の月の後半が最も長く16日である。
24節気は1太陽年を24分しているため、間隔は(季節によりやや変動するが)ほぼ半月である。
半月に1回の予定
実際に半月に1回の予定を組むには、15日程度の間をあけた2つの日付、例えば「(毎月)1日と15日」「5日と20日」などを決めることが多い。この日付が n 日間隔(翌日を1日間隔とする)の場合、実際の間隔は n 日か (28 - n) ~ (31 - n) 日である。
「第1・第3○曜日」または「第2・第4○曜日」の形もある。この場合の間隔は14日か21日(2週間か3週間)である。
半月に1度発刊される定期刊行物は「月2刊」「月2回刊」と呼ばれる。
太陰暦の半月
太陰暦・太陰太陽暦では朔望月、つまり朔から次の朔までを1月とするが、朔から望(満月)までと望から次の朔までをそれぞれ単位とすることもあった。これが半月となる。
その長さは朔望月の半分で、平均すれば平均朔望月の半分の約14.765日である。
暦月で考える場合、ひと月は29~30日なのでその半分は14.5~15日となるが、やはり1日~15日と16日~末日で区切ることが多く、長さは14日か15日となる。約23%が14日、約77%が15日である。
パクシャ
ヒンドゥー暦の旧暦(太陰太陽暦)では、サンスクリット語で「太陰暦の1か月の半分」を意味する पक्ष (パクシャ、paksha) が使われる。
朔から望まで・望から朔までがそれぞれ shukla paksha(白分)・krishna paksh(黒分)と呼ばれる。
パクシャの長さは約14.765日で、これが15ティティに分けられる(等分または、月相1⁄14/15ごとに分ける)。実際の暦上では15のティティは日に割り振られるので、パクシャの長さは14日か15日になる。14日しかない場合、あるティティに充てられる日がない「欠日」が起こっている。
月とは無関係な似た長さ
いくつかの言語では半月に似た長さに固有の呼称がある。これらは現在では月とは無関係に長さのみを表すが、太陰暦の半月に由来するとの説もある。
2週間(14日)
半月に近い期間に「2週間」(=14日間)がある。英語のフォートナイト (fortnight) など、いくつかの言語では「2週間」を1語で言い表す言葉がある。
fortnight という語は、古英語で14夜 (fourteen nights) を意味する feorwertyne niht に由来する[1][2]。
フォートナイトは、イギリスや、インド・ニュージーランド・オーストラリアなどの英連邦諸国では広く用いられている。賃金や社会保障制度による給付金は、フォートナイトを基準として支払われる[3]。アメリカ合衆国ではまれに用いられ、カナダでは一部地域で用いられる。
アラビア語では أسبوعان (asbw'ean)、ヘブライ語では、שבועיים (shbv'eyym) が広く使われている。
日本語には、「2週間」を1語で言い表す言葉はない。「2週間に1度」(英語の fortnightly や bi-weekly)を意味する「隔週」という言葉はあるが、これは「2週間」という期間ではない。
15日
スペイン語の quincena(または quince días)・イタリア語の quindicina・フランス語の quinzaine・ポルトガル語の quinzena は「15日間」を意味する。ラテン語で「15」を意味する quindecim との関係が見て取れる。
ギリシア語の δεκαπενθημερο (dekapenthimero) も「15日間」を意味する。
アラビア語では خمسة عشر يوماً (khmsh 'eshr ywmaan) だが、2週間を意味する語より長く、あまり用いられない。
ウェールズ語では「15夜 (fifteen nights)」を意味する pythefnos がある。これは、1週間のことを「8夜 (eight nights)」を意味する wythnos と呼ぶのに対応している。
脚注
- ^ The Concise Oxford Dictionary, 5th Edition, 1964, p. 480
- ^ 7日間(1週間)を意味するsenight, sennight, se’night(seven-night の意味の語に由来)という言葉が、19世紀初頭まで使用されていた。
- ^ “Australian Government - How much Disability Support Pension do I get?”. 2008年5月22日閲覧。