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'''ブレット・セシル'''('''Brett Aarion Cecil''', [[1986年]][[7月2日]] - )は、[[アメリカ合衆国]][[メリーランド州]][[ダンカーク (メリーランド州)|ダンカーク]]出身の[[野球選手]]([[投手]])。[[メジャーリーグベースボール|MLB]][[トロント・ブルージェイズ]]所属。左投右打。Cecilという名字の発音は実際には'''シーソル'''に近く、'''シーセル'''というメディア表記も見られる。
'''ブレット・セシル'''('''Brett Aarion Cecil''', [[1986年]][[7月2日]] - )は、[[アメリカ合衆国]][[メリーランド州]][[ダンカーク (メリーランド州)|ダンカーク]]出身の[[野球選手]]([[投手]])。[[メジャーリーグベースボール|MLB]][[トロント・ブルージェイズ]]所属。左投右打。Cecilという名字の発音は実際には'''シーソル'''に近く<ref>[http://mlb.mlb.com/video/play.jsp?content_id=7814347 TOR@CLE: Cecil strikes out 10 in eight innings - Video],MLB.com</ref>、'''シーセル'''というメディア表記も見られる。


左投げの投手であるが、本来は[[右利き]]である。4歳の誕生日に、叔母から間違って[[左利き]]用の[[グローブ]]をプレゼントされたセシルは、そのまま左投げの選手になった。セシルは「もし右投げのまま野球をしていたら、恐らくプロの投手にはなっていなかっただろう」と語っている<ref>Campbell, Morgan (15 May 2009),[http://www.thestar.com/sports/article/634722 Jays' Cecil throws left but he sure gets it right],Toronto Star(英語),2009年9月2日閲覧</ref>。
左投げの投手であるが、本来は[[右利き]]である。4歳の誕生日に、叔母から間違って[[左利き]]用の[[グローブ]]をプレゼントされたセシルは、そのまま左投げの選手になった。セシルは「もし右投げのまま野球をしていたら、恐らくプロの投手にはなっていなかっただろう」と語っている<ref>Campbell, Morgan (15 May 2009),[http://www.thestar.com/sports/article/634722 Jays' Cecil throws left but he sure gets it right],Toronto Star(英語),2009年9月2日閲覧</ref>。
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[[メリーランド大学カレッジパーク校]]で活躍し、{{by|2007年}}の[[MLBドラフト|ドラフト]]1巡目補完(全体38位)で[[トロント・ブルージェイズ]]から指名され入団。プロ1年目は1A-の[[オーバーン・ダブルデイズ]]からスタートし、[[防御率]]1.27を記録。{{by|2008年}}は1A+からスタートし、最終的に3Aまで昇格した。
[[メリーランド大学カレッジパーク校]]で活躍し、{{by|2007年}}の[[MLBドラフト|ドラフト]]1巡目補完(全体38位)で[[トロント・ブルージェイズ]]から指名され入団。プロ1年目は1A-の[[オーバーン・ダブルデイズ]]からスタートし、[[防御率]]1.27を記録。{{by|2008年}}は1A+からスタートし、最終的に3Aまで昇格した。


{{by|2009年}}は3A[[ラスベガス・フィフティワンズ]]で開幕を迎えるが、4月は不振に陥る。しかし、ブルージェイズの先発投手陣が相次いで故障したため、5月にメジャー昇格を果たした。
{{by|2009年}}は3A[[ラスベガス・フィフティワンズ]]で開幕を迎えるが、4月は防御率8点台と不振に陥る。しかし、ブルージェイズの先発投手陣が相次いで故障したため、5月にメジャー昇格を果たした。


=== トロント・ブルージェイズ ===
=== トロント・ブルージェイズ ===
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[[8月20日]]、本拠地[[ロジャース・センター]]での[[ボストン・レッドソックス]]戦では前代未聞の[[珍プレー]]を起こしてしまった。1-1の同点で迎えた4回表無死一塁の場面で、捕手からの返球を後ろに逸らしたセシルは、タイムがかかったと勘違いし、ボールを拾うとそのまま[[ダグアウト]]へと投げ入れてしまった。その結果、一塁走者の[[ジェイソン・ベイ]]を自動的に三塁まで進塁させてしまった<ref>(動画)[http://mlb.mlb.com/media/video.jsp?content_id=6207669 MLB.com video],Jason Bay advances from first to third on Brett Cecil's miscue, throwing a live ball into the dugout in the fourth inning</ref>。セシルはボールが磨り減っていたのが気になり、新しいボールに換えてもらいたかったのだが、インプレーであることに気が付かなかったとのこと<ref>Mark Zwolinski,Aug 21, 2009,[http://www.thestar.com/Sports/Baseball/MLB/article/684395 Time running out for Cecil to impress after loss to Bosox],Toronto Star(英語),2009年9月2日閲覧</ref>。この日は結局6失点と打ち込まれた。8月は左膝を負傷して先発を一度回避するアクシデントもあり<ref>Jordan Bastian/MLB.com,08/16/09,[http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20090816&content_id=6452508&vkey=news_tor&fext=.jsp&c_id=tor Cecil, Downs working way back to Jays],bluejays.com(英語),2009年9月2日閲覧</ref>、月間防御率8.25と苦しんだ。その後、球団が設けた年間投球回数制限に達したため、9月10日の[[ミネソタ・ツインズ]]戦での先発登板を最後にシーズンを終えた<ref>Larry Millson,[http://toronto.bluejays.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20090910&content_id=6891246&vkey=recap&fext=.jsp&c_id=tor Cecil ends rookie season with a win],bluejays.com(英語),2009/09/10</ref>。最終的に防御率5.30ながらも、7勝(4敗)をマークした。
[[8月20日]]、本拠地[[ロジャース・センター]]での[[ボストン・レッドソックス]]戦では前代未聞の[[珍プレー]]を起こしてしまった。1-1の同点で迎えた4回表無死一塁の場面で、捕手からの返球を後ろに逸らしたセシルは、タイムがかかったと勘違いし、ボールを拾うとそのまま[[ダグアウト]]へと投げ入れてしまった。その結果、一塁走者の[[ジェイソン・ベイ]]を自動的に三塁まで進塁させてしまった<ref>(動画)[http://mlb.mlb.com/media/video.jsp?content_id=6207669 MLB.com video],Jason Bay advances from first to third on Brett Cecil's miscue, throwing a live ball into the dugout in the fourth inning</ref>。セシルはボールが磨り減っていたのが気になり、新しいボールに換えてもらいたかったのだが、インプレーであることに気が付かなかったとのこと<ref>Mark Zwolinski,Aug 21, 2009,[http://www.thestar.com/Sports/Baseball/MLB/article/684395 Time running out for Cecil to impress after loss to Bosox],Toronto Star(英語),2009年9月2日閲覧</ref>。この日は結局6失点と打ち込まれた。8月は左膝を負傷して先発を一度回避するアクシデントもあり<ref>Jordan Bastian/MLB.com,08/16/09,[http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20090816&content_id=6452508&vkey=news_tor&fext=.jsp&c_id=tor Cecil, Downs working way back to Jays],bluejays.com(英語),2009年9月2日閲覧</ref>、月間防御率8.25と苦しんだ。その後、球団が設けた年間投球回数制限に達したため、9月10日の[[ミネソタ・ツインズ]]戦での先発登板を最後にシーズンを終えた<ref>Larry Millson,[http://toronto.bluejays.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20090910&content_id=6891246&vkey=recap&fext=.jsp&c_id=tor Cecil ends rookie season with a win],bluejays.com(英語),2009/09/10</ref>。最終的に防御率5.30ながらも、7勝(4敗)をマークした。

{{by|2010年}}は自宅で料理中に指を負傷するアクシデントで調整が遅れ、開幕を3Aで迎えたが、[[ブライアン・タレット]]のDL入りに伴い4月23日にメジャーへ昇格した<ref name="c">Jordan Bastian and James Hall,[http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20100502&content_id=9743662&notebook_id=9743666&vkey=notebook_tor&fext=.jsp&c_id=tor Cecil's new cut fastball improving],MLB.com(英語),2010/05/04閲覧</ref>。


== 選手としての特徴 ==
== 選手としての特徴 ==
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90マイル前後の[[速球#ツーシーム・ファストボール|ツーシーム]]と鋭い[[スライダー (球種)|スライダー]]が武器の技巧派左腕<ref>城野井道人 「本誌激戦 2009注目のマイナーリーガー100人」 『月刊スラッガー』2009年6月号、日本スポーツ企画出版社、2009年、雑誌15509-8、41頁。</ref>。他に[[カーブ (球種)|カーブ]]も投げる<ref>Drew Davison/Special to MLB.com,09/01/09,[http://toronto.bluejays.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20090831&content_id=6719408&vkey=recap&fext=.jsp&c_id=tor Lind provides history lesson in Jays' win],bluejays.com(英語),2009年9月2日閲覧</ref>。
最速95マイル(約152km/h)速球([[速球#ツーシーム・ファストボール|ツーシーム]]と鋭い[[スライダー (球種)|スライダー]]、[[チェンジアップ]]が武器<ref>城野井道人 「本誌激戦 2009注目のマイナーリーガー100人」 『月刊スラッガー』2009年6月号、日本スポーツ企画出版社、2009年、雑誌15509-8、41頁。</ref>。他に[[カーブ (球種)|カーブ]]も投げる<ref>Drew Davison/Special to MLB.com,09/01/09,[http://toronto.bluejays.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20090831&content_id=6719408&vkey=recap&fext=.jsp&c_id=tor Lind provides history lesson in Jays' win],bluejays.com(英語),2009年9月2日閲覧</ref>。


プロ入り時は持ち球の中に[[チェンジアップ]]がないことが弱点とされていたが<ref>[http://web.minorleaguebaseball.com/milb/events/draft_report/y2007/index.jsp?mc=cecil Minor League Baseball: Events: 2007 Draft Report],MiLB.com(英語),2009年9月2日閲覧</ref>、プロ入り後にチェンジアップ習得を開始。現在はまだ発展途上ではあるものの、チェンジアップも投げるようになった<ref>Dennis LePore, Special to SI.com,07/19/09,[http://sportsillustrated.cnn.com/2009/fantasy/06/19/sandlot.shrink/index.html Sandlot Shrink: Watch for Cecil, Frasor, Blanks, Downs and others],SI.com(英語),2009年9月2日閲覧</ref>。
ドラフト時は持ち球の中に[[チェンジアップ]]がないことが弱点とされていたが<ref>[http://web.minorleaguebaseball.com/milb/events/draft_report/y2007/index.jsp?mc=cecil Minor League Baseball: Events: 2007 Draft Report],MiLB.com(英語),2009年9月2日閲覧</ref>、プロ入り後にチェンジアップ習得を開始<ref>Dennis LePore, Special to SI.com,07/19/09,[http://sportsillustrated.cnn.com/2009/fantasy/06/19/sandlot.shrink/index.html Sandlot Shrink: Watch for Cecil, Frasor, Blanks, Downs and others],SI.com(英語),2009年9月2日閲覧</ref>。現在ではチェンジアップを決め球の1つにしており<ref>[http://www.torontosun.com/sports/baseball/2010/05/03/13812436.html Jays ride Cecil's one-hitter to winb],Toronto Sun(英語),2010/05/04閲覧</ref>、2010年からは[[カット・ファスト・ボール]]も投げるようになった<ref name="c"></ref>。


== 年度別投手成績 ==
== 年度別投手成績 ==

2010年5月4日 (火) 04:40時点における版

ブレット・セシル
Brett Cecil
トロント・ブルージェイズ #27
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 アメリカ合衆国 メリーランド州ダンカーク
生年月日 (1986-07-02) 1986年7月2日(37歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
235 lb =約106.6 kg
選手情報
投球・打席 左投右打
ポジション 投手
プロ入り 2000年 ドラフト1巡目補完(全体38位)でトロント・ブルージェイズから指名
初出場 2009年5月5日
年俸 $400,000[1](2009年)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

ブレット・セシルBrett Aarion Cecil, 1986年7月2日 - )は、アメリカ合衆国メリーランド州ダンカーク出身の野球選手投手)。MLBトロント・ブルージェイズ所属。左投右打。Cecilという名字の発音は実際にはシーソルに近く[1]シーセルというメディア表記も見られる。

左投げの投手であるが、本来は右利きである。4歳の誕生日に、叔母から間違って左利き用のグローブをプレゼントされたセシルは、そのまま左投げの選手になった。セシルは「もし右投げのまま野球をしていたら、恐らくプロの投手にはなっていなかっただろう」と語っている[2]

経歴

メジャー昇格まで

メリーランド大学カレッジパーク校で活躍し、2007年ドラフト1巡目補完(全体38位)でトロント・ブルージェイズから指名され入団。プロ1年目は1A-のオーバーン・ダブルデイズからスタートし、防御率1.27を記録。2008年は1A+からスタートし、最終的に3Aまで昇格した。

2009年は3Aラスベガス・フィフティワンズで開幕を迎えるが、4月は防御率8点台と不振に陥る。しかし、ブルージェイズの先発投手陣が相次いで故障したため、5月にメジャー昇格を果たした。

トロント・ブルージェイズ

2009年5月5日のメジャー初登板(クリーブランド・インディアンス戦)では6回1失点と好投したが勝ち負けは付かなかった。2度目の先発登板となった5月10日オークランド・アスレチックス戦では8回無失点の好投でメジャー初勝利をあげた。5月末に一旦3Aへ降格したが、6月中旬に再昇格。その後はいずれもルーキーのリッキー・ロメロスコット・リッチモンドマーク・ゼプチンスキーと共に先発ローテーションの一員としてメジャーに定着した。

8月20日、本拠地ロジャース・センターでのボストン・レッドソックス戦では前代未聞の珍プレーを起こしてしまった。1-1の同点で迎えた4回表無死一塁の場面で、捕手からの返球を後ろに逸らしたセシルは、タイムがかかったと勘違いし、ボールを拾うとそのままダグアウトへと投げ入れてしまった。その結果、一塁走者のジェイソン・ベイを自動的に三塁まで進塁させてしまった[3]。セシルはボールが磨り減っていたのが気になり、新しいボールに換えてもらいたかったのだが、インプレーであることに気が付かなかったとのこと[4]。この日は結局6失点と打ち込まれた。8月は左膝を負傷して先発を一度回避するアクシデントもあり[5]、月間防御率8.25と苦しんだ。その後、球団が設けた年間投球回数制限に達したため、9月10日のミネソタ・ツインズ戦での先発登板を最後にシーズンを終えた[6]。最終的に防御率5.30ながらも、7勝(4敗)をマークした。

2010年は自宅で料理中に指を負傷するアクシデントで調整が遅れ、開幕を3Aで迎えたが、ブライアン・タレットのDL入りに伴い4月23日にメジャーへ昇格した[7]

選手としての特徴

最速95マイル(約152km/h)の速球(ツーシーム)と鋭いスライダーチェンジアップが武器[8]。他にカーブも投げる[9]

ドラフト時は持ち球の中にチェンジアップがないことが弱点とされていたが[10]、プロ入り後にチェンジアップを習得を開始[11]。現在ではチェンジアップを決め球の1つにしており[12]、2010年からはカット・ファスト・ボールも投げるようになった[7]

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2009 TOR 18 17 0 0 0 7 4 0 0 0.636 422 93.1 116 17 38 0 5 69 0 0 59 55 5.30 1.65
通算:1年 18 17 0 0 0 7 4 0 0 0.636 422 93.1 116 17 38 0 5 69 0 0 59 55 5.30 1.65
  • 2009年度シーズン終了時

脚注

  1. ^ TOR@CLE: Cecil strikes out 10 in eight innings - Video,MLB.com
  2. ^ Campbell, Morgan (15 May 2009),Jays' Cecil throws left but he sure gets it right,Toronto Star(英語),2009年9月2日閲覧
  3. ^ (動画)MLB.com video,Jason Bay advances from first to third on Brett Cecil's miscue, throwing a live ball into the dugout in the fourth inning
  4. ^ Mark Zwolinski,Aug 21, 2009,Time running out for Cecil to impress after loss to Bosox,Toronto Star(英語),2009年9月2日閲覧
  5. ^ Jordan Bastian/MLB.com,08/16/09,Cecil, Downs working way back to Jays,bluejays.com(英語),2009年9月2日閲覧
  6. ^ Larry Millson,Cecil ends rookie season with a win,bluejays.com(英語),2009/09/10
  7. ^ a b Jordan Bastian and James Hall,Cecil's new cut fastball improving,MLB.com(英語),2010/05/04閲覧
  8. ^ 城野井道人 「本誌激戦 2009注目のマイナーリーガー100人」 『月刊スラッガー』2009年6月号、日本スポーツ企画出版社、2009年、雑誌15509-8、41頁。
  9. ^ Drew Davison/Special to MLB.com,09/01/09,Lind provides history lesson in Jays' win,bluejays.com(英語),2009年9月2日閲覧
  10. ^ Minor League Baseball: Events: 2007 Draft Report,MiLB.com(英語),2009年9月2日閲覧
  11. ^ Dennis LePore, Special to SI.com,07/19/09,Sandlot Shrink: Watch for Cecil, Frasor, Blanks, Downs and others,SI.com(英語),2009年9月2日閲覧
  12. ^ Jays ride Cecil's one-hitter to winb,Toronto Sun(英語),2010/05/04閲覧

外部リンク