2024年イギリス総選挙

2024年イギリス総選挙
2024 United Kingdom general election
内閣	スナク内閣
解散日	2024年5月30日
公示日	2024年5月30日
改選数	650
選挙制度	単純小選挙区制
有権者	選挙制度を参照
	全国選挙区地図
選挙前首相; リシ・スナク; 保守党	選出首相; 未定;

2024年イギリス総選挙（2024ねんイギリスそうせんきょ、英語: 2024 United Kingdom general election）は、2024年 7月4日にイギリスで施行される予定の議会（庶民院）議員の総選挙である。^[1]^[2]^[3]^[4]^[5]。

この総選挙は、イギリスで初めて物理的な有権者の身分証明書が投票の法的要件となる総選挙となる^{[注釈 1]}。また、チャールズ3世の在位下で行われる最初の総選挙かつ、第二次世界大戦中であった1945年総選挙以来にして、戦後初となる7月施行の総選挙でもある^{[注釈 2]}。

選挙日[編集]

2011年議会任期固定法に基づいて2024年5月2日に行われる予定であった^{[注釈 3]}。しかし、2019年の総選挙において、保守党が「国が断固たる行動を必要としていたにもかかわらず国政がマヒ状態に陥った」として議会任期固定法の廃止を公約のひとつに掲げ、労働党に80議席差をつけ勝利^[7]。

2020年にジョンソン政権は固定法の廃止に関する法案を発表し、2022年議会解散・召集法として可決、施行された^[8]。これにより、固定法制定前と同様に首相の助言で議会を解散できるようになった。なお、同法第4条では「早期解散がなければ、総選挙後に最初の議会が開かれてから5年後に、議会は自動的に解散される」と規定されている。

選挙管理委員会は、2019年選出の議会は遅くとも2024年12月17日までに解散され、次の総選挙が2025年1月28日までに実施されねばならないとした^[9]^[10]。

2023年12月18日にスナク首相は記者団の取材に対して次の総選挙は2025年1月ではなく2024年に行われるだろうと述べ^[2]、1月4日には総選挙の時期が2024年後半になる可能性があるとした^[11]。2024年5月22日、多くの憶測が飛び交う中で^[12]^[13]^[14]、スナク首相は総選挙を7月4日に行うと表明した^[15]^[5]^[3]。5月30日、下院議会は解散された^[16]。

選挙データ[編集]

内閣[編集]

選挙時：スナク内閣（第79代）
- 首相：リシ・スナク（保守党党首）
- 与党：保守党

解散日・公示日

2024年5月30日

投票日[編集]

2024年7月4日

改選数[編集]

650

選挙制度[編集]

単純小選挙区制

投票方法: 秘密投票、単記投票、1票制

選挙権: 18歳以上のイギリス国籍を有する男女、および英連邦市民、アイルランド共和国市民で一定の欠格要件（刑務所に服役中など）に該当しない市民で、居住地域の自治体で選挙人登録をした者。

被選挙権: 18歳以上のイギリス国籍を有する男女、および英連邦市民、アイルランド共和国市民で一定の欠格要件（刑務所に服役中など）に該当しない市民で、居住地域の自治体で選挙人登録をした者。

有権者数

選挙活動[編集]

党派別立候補者数[編集]

党派		党首	候補者数	前回選挙	解散時
	保守党	リシ・スナク	635	365	345
	労働党	キア・スターマー	631	202	206
	スコットランド国民党	ジョン・スウィニー	57	48	43
	自由民主党	エド・デーヴィー	630	11	15
	民主統一党	ジェフリー・ドナルドソン	16	8	7
	シン・フェイン党	メアリー・ルー・マクドナルド	14	7	7
	プライド・カムリ	リアーン・ウッド	32	4	3
	社会民主労働党	コラム・イーストウッド	19	2	2
	アルバ党	アレックス・サモンド	18	－	2
	イングランド・ウェールズ緑の党	カーラ・デニエエイドリアン・ラムゼイ	574	1	1
	北アイルランド同盟党	ナオミ・ロング	18	1	1
	イギリス労働者党	ジョージ・ギャロウェイ		－	1
	リフォームUK	ナイジェル・ファラージ	609	0	1
	議長	リンジー・ホイル		1	1
	無所属		459	0	15
総計				650	650

主要各党の公約[編集]

世論調査[編集]

下のグラフは、次回イギリス総選挙に向けて実施された世論調査のグラフである。（実線は局所回帰）

イギリスの市場調査会社YouGovの世論調査によると、労働党は1997年の総選挙を上回る422議席を獲得し圧勝、保守党は1906年の総選挙以来最悪の議席数である140議席にとどまる見通しである。また自由民主党は大幅に増やして48議席、スコットランド国民党は17議席、緑の党は2議席と予測されている。^[17]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

^ 北アイルランドでは、英国の他の地域で導入される前に、すでに選挙で有権者IDの提示が義務付けられていた。
^ 第二次世界大戦の日本の降伏（1945年8月15日）の前にイギリス総選挙（同年7月5日）が施行され、クレメント・アトリー率いる労働党が当時の現職首相であったウィンストン・チャーチル率いる保守党を破って第1党となり政権交代となった選挙である。
^ 議会任期固定法では直近の総選挙から5年後の5月第1火曜日に行われることになっており^[6]、直近の総選挙は2019年12月に行われたため。

出典[編集]

^ “Dissolution of Parliament”. House of Commons Library (2023年4月20日). 2023年8月30日閲覧。
^ ^a ^b “Rishi Sunak confirms election will be next year, despite legal right to wait until January 2025”. Politics.co.uk (2023年12月18日). 2024年5月21日閲覧。
^ ^a ^b “イギリス総選挙、7月4日スーナク首相が発表”. BBCニュース. BBC (2024年5月22日). 2024年5月22日閲覧。
^ “イギリス総選挙2024”. BBCニュース. BBC (2024年5月23日). 2024年5月22日閲覧。
^ ^a ^b Crerar, Pippa (2024年5月22日). “Rishi Sunak takes gamble by calling UK general election for 4 July” (英語). The Guardian. The Guardian. 2024年5月22日閲覧。
^ “Fixed-term Parliaments Act 2011: Section 1”. legislation.gov.uk. 2024年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月23日閲覧。
^ Kettle, Martin (2019年12月12日). “If the exit poll is right, this election will transform British politics”. The Guardian. オリジナルの2024年5月23日時点におけるアーカイブ。 2019年12月13日閲覧。
^ “Government to fulfil manifesto commitment and scrap Fixed-term Parliaments Act” (英語). GOV.UK (2020年12月1日). 2020年12月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月6日閲覧。
^ “Electoral administration bulletin”. Electoral Commission (2023年3月22日). 2024年5月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月26日閲覧。
^ “London Playbook: Strikes hope — Budget fallout — Labour's election prep” (英語). POLITICO (2023年3月17日). 2023年3月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月26日閲覧。
^ “Rishi Sunak suggests general election in second half of year”. BBC News. (2024年1月4日). オリジナルの2024年1月4日時点におけるアーカイブ。 2024年1月4日閲覧。
^ “Rishi Sunak to call general election for 4 July, Sky News understands” (英語). (2024年5月22日). オリジナルの2024年5月22日時点におけるアーカイブ。 2024年5月22日閲覧。
^ “Rishi Sunak will call general election for July in surprise move – sources” (英語). (2024年5月22日). オリジナルの2024年5月23日時点におけるアーカイブ。 2024年5月22日閲覧。
^ “Rishi Sunak expected to announce summer general election shortly” (英語). (2024年5月22日). オリジナルの2024年5月22日時点におけるアーカイブ。 2024年5月22日閲覧。
^ “Rishi Sunak announces 4 July vote in Downing Street statement” (英語). BBC News 2024年5月22日閲覧。
^ “英下院が解散、7月4日総選挙　野党・労働党が支持率先行”. 日本経済新聞. (2024年5月30日) 2024年5月30日閲覧。
^ “First YouGov MRP of 2024 general election shows Labour on track to beat 1997 landslide | YouGov” (英語). yougov.co.uk. 2024年6月14日閲覧。

外部リンク[編集]

General Election 2019:results and analysis - HOUSE OF COMMONS（庶民院）

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[6] 北アイルランドでは、英国の他の地域で導入される前に、すでに選挙で有権者IDの提示が義務付けられていた。

[7] 第二次世界大戦の日本の降伏（1945年8月15日）の前にイギリス総選挙（同年7月5日）が施行され、クレメント・アトリー率いる労働党が当時の現職首相であったウィンストン・チャーチル率いる保守党を破って第1党となり政権交代となった選挙である。

[9] 議会任期固定法では直近の総選挙から5年後の5月第1火曜日に行われることになっており^[6]、直近の総選挙は2019年12月に行われたため。

[HC-1] “Dissolution of Parliament”. House of Commons Library (2023年4月20日). 2023年8月30日閲覧。

[politics-date-confirmed-2] “Rishi Sunak confirms election will be next year, despite legal right to wait until January 2025”. Politics.co.uk (2023年12月18日). 2024年5月21日閲覧。

[BBC-JA1-3] “イギリス総選挙、7月4日スーナク首相が発表”. BBCニュース. BBC (2024年5月22日). 2024年5月22日閲覧。

[4] “イギリス総選挙2024”. BBCニュース. BBC (2024年5月23日). 2024年5月22日閲覧。

[theguardian-1-5] Crerar, Pippa (2024年5月22日). “Rishi Sunak takes gamble by calling UK general election for 4 July” (英語). The Guardian. The Guardian. 2024年5月22日閲覧。

[8] “Fixed-term Parliaments Act 2011: Section 1”. legislation.gov.uk. 2024年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月23日閲覧。

[10] Kettle, Martin (2019年12月12日). “If the exit poll is right, this election will transform British politics”. The Guardian. オリジナルの2024年5月23日時点におけるアーカイブ。 2019年12月13日閲覧。

[11] “Government to fulfil manifesto commitment and scrap Fixed-term Parliaments Act” (英語). GOV.UK (2020年12月1日). 2020年12月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月6日閲覧。

[12] “Electoral administration bulletin”. Electoral Commission (2023年3月22日). 2024年5月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月26日閲覧。

[13] “London Playbook: Strikes hope — Budget fallout — Labour's election prep” (英語). POLITICO (2023年3月17日). 2023年3月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月26日閲覧。

[14] “Rishi Sunak suggests general election in second half of year”. BBC News. (2024年1月4日). オリジナルの2024年1月4日時点におけるアーカイブ。 2024年1月4日閲覧。

[15] “Rishi Sunak to call general election for 4 July, Sky News understands” (英語). (2024年5月22日). オリジナルの2024年5月22日時点におけるアーカイブ。 2024年5月22日閲覧。

[16] “Rishi Sunak will call general election for July in surprise move – sources” (英語). (2024年5月22日). オリジナルの2024年5月23日時点におけるアーカイブ。 2024年5月22日閲覧。

[17] “Rishi Sunak expected to announce summer general election shortly” (英語). (2024年5月22日). オリジナルの2024年5月22日時点におけるアーカイブ。 2024年5月22日閲覧。

[18] “Rishi Sunak announces 4 July vote in Downing Street statement” (英語). BBC News 2024年5月22日閲覧。

[19] “英下院が解散、7月4日総選挙　野党・労働党が支持率先行”. 日本経済新聞. (2024年5月30日) 2024年5月30日閲覧。

[20] “First YouGov MRP of 2024 general election shows Labour on track to beat 1997 landslide | YouGov” (英語). yougov.co.uk. 2024年6月14日閲覧。

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[注釈 1]

[注釈 2]

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