暗夜行路

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暗夜行路』(あんやこうろ)は、志賀直哉小説である。雑誌「改造」に1921年(大正10年)1月号から8月号まで前編、1922年(大正11年)1月号から1937年(昭和12年)4月号まで断続的に後編を発表した。志賀直哉唯一の長編小説で、晩年の穏やかな心境小説の頂点に位置づけられる作品である。4部構成。

当初は1914年(大正3年)に『時任謙作』という題で『東京朝日新聞』に連載される予定だったが挫折、完結までに17年間の時を要した。

あらすじ[編集]

主人公時任謙作(ときとうけんさく)は、放蕩の毎日を送る小説家。あるとき尾道に旅に出た彼は、祖父の妾お栄と結婚したいと望むようになる。そんな折、実は謙作が祖父と母の不義の子であったことを知り苦しむ。

ようやく回復し、直子という女性と結婚するが、直子が従兄と過ちを犯したことで再び苦悩を背負い、鳥取の大山に一人こもる。大自然の中で精神が清められて、すべてを許す心境に達し、「暗夜行路」に終止符を打つ。

有名なシーン[編集]

  • 前編の最後には、女の乳房を触りながら「豊年だ!豊年だ!」と謙作が叫ぶところがある。
  • 謙作が大山の地に立ったときの大自然の描写は、志賀がこの作品を書く数十年前に大山を訪れた時の記憶だけで書いたと言われる、日本文学史上白眉とされるものである。

映画[編集]

1959年9月20日公開。東京映画製作、東宝配給。併映は『サラリーマン十戒』(原作:源氏鶏太、監督:岩城英二、主演:小林桂樹)。

スタッフ[編集]

キャスト[編集]