弱い相互作用

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

弱い相互作用(よわい そうごさよう、英語: weak interaction)とは、素粒子の間で作用する4つの基本相互作用の内の一つである。弱い核力、あるいは単に弱いとも呼ばれる。この相互作用による効果として代表的なものにベータ崩壊がある。電磁相互作用と比較して、力が非常に弱いことからこの名がついた。

特徴[編集]

重力相互作用や電磁相互作用が無限遠まで作用するのに対し、弱い相互作用は素粒子レベルの非常に近い範囲でしか作用しない。重力相互作用や電磁相互作用、及び残りの基本相互作用である強い相互作用が引力・斥力であるのに対し、弱い相互作用は粒子を別の粒子に変える相互作用である。 素粒子の一つ、ニュートリノはこの弱い相互作用しか感応しないので、他の物質に与える影響が非常に少なく、それによって検出することも困難となっている。

弱い相互作用はグラショウ・ワインバーグ・サラム模型によって電磁相互作用と統一的に記述される。この模型では初期の宇宙のような非常に高エネルギーな状況では、電磁相互作用と弱い相互作用が区別できないことを示している。 この模型はゲージ理論であり、弱い相互作用を伝播するゲージ粒子WボソンとZボソンである。WボソンとZボソンはゲージ対称性の自発的破れに伴うヒッグス機構によって非常に大きな質量をもつ。この非常に大きな質量のためにWボソンやZボソンはすぐに崩壊し、長距離を移動することがないため弱い相互作用は近距離でしか作用しない。

弱い相互作用は4つの基本相互作用の内で唯一、パリティ対称性荷電共役対称性を破る相互作用である。パリティ変換と荷電共役変換の下での対称性はどちらも大きく破れているが、これらの変換を同時に行うCP変換の下での対称性(CP対称性)は近似的な対称性として回復される。このCP対称性もわずかに破れていることが実験的に確かめられており、小林・益川理論によって、3世代以上のクォークの存在によってCP対称性が破れうることが理論的に説明されている。

関連項目[編集]