孔安国

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

孔 安国(こう あんこく、生没年未詳)は、前漢代の学者。字は子国。孔子10世の孫。父は孔忠。兄は孔武。

呉音で「くあんごく」とも読む。

略伝[編集]

魯(山東省)の人。やはり魯の人・申公について『魯詩』、伏生について『尚書』を学ぶ。漢の武帝の時に諫議大夫に任ぜられ、博士となり、臨淮の太守へと進む。景帝時代の末年に、魯の共王が宮殿拡張のために孔子の宅をこわし、壁の中から『尚書』『礼記』『論語』『孝経』の古いテキスト数百編を発見。それらは蝌蚪文字で当時読める者がいなかったのを、安国は今文の尚書より堯典・禹貢・洪範・微子など16篇多いことを知る。そこで在来の今文に対し「古文」の学が起こる。

安国は「古文」を都尉朝司馬遷倪寛に伝え、都尉朝から庸生胡常徐敖へと相伝し、徐敖は王璜塗惲に伝え、塗惲の弟子に賈徽桑欽があり、賈徽は賈逵許慎へと伝えた。この学流はさらに河間の献王が発見した「周官」「尚書」などの古文テキストと交流したらしい。

いわゆる「尚書孔安伝」は、東晋の梅賾により世に出たが、清代の閻若璩はこれを梅賾の偽撰であるとし、丁晏は梅賾以前に成立した証拠を挙げて魏の王粛の偽撰であるとした。日本の武内義雄は王粛の門人である孔晁の字が安国であることを発見し、「尚書孔安伝」は孔晁の伝であるとした。

著作[編集]

  • 『古文孝経伝』
  • 『論語訓解』
  • 孔子家語

参考[編集]

  • 史記』47
  • 漢書』88
  • 朱熹『語類』78
  • 閻若璩『古文尚書疏証』
  • 武内義雄『支那思想史』