二輪車盗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
破壊されたオートバイ用チェーンロック

二輪車盗(にりんしゃとう)とは、二輪車(オートバイ)の窃盗を行う犯罪のこと。「バイク盗」や「オートバイ窃盗」などとも呼ばれる。また、盗まれた車両は「盗難車」と呼ばれる。

2002年に刊行されたオートバイ雑誌の記事に拠れば、現在の日本では年間25万3000台以上、一日平均700台が窃盗被害にあっているとの事である[1]。また、警視庁の発表に拠れば、2000年代に入って以降は漸減傾向にあるとの資料もある[2]

概要[編集]

暴走族による使用目的の窃盗[編集]

暴走族の構成員が車両を盗み出し、暴走行為などに用いた後に乗り捨てるなどといったケースがある[3][4]

高価な車両に対する組織的窃盗[編集]

窃盗を生業とする犯罪集団による組織的な犯行および密輸が行われる場合もある。多数の人員を投入し、運搬用ワンボックスカーや油圧カッターなど専門的な機械類を用い、緻密に組み立てられた役割分担や作業工程でもって迅速かつ車体の資産価値を落とすことなく犯行に及ぶ。こうして数分で運搬車両に詰められた車両は拠点となる施設に集められ、あるものは解体され部品として市場へ流され、あるものは輸出先のシンジケートと結びつき、偽装された名称で密輸を行うなどの方法で資金化されていく[5]

こうして密輸された車両が稀に発見される場合があるが[注釈 1]、仮に発見に至った場合であっても、現地の発見時点での所有者に渡るまでには正規の過程が含まれているなど、当事者は直接犯罪に関わっていない場合が多く[注釈 2][5]、取り戻すためには民事訴訟で車両が盗難車両である事を立証せねばならないなど、一筋縄で取り返す事は非常に困難である[5]。 また資産価値の高く狙われやすい大型車両であっても、車両価格が100万から150万程度であるオートバイの価格を考慮すると、時間や費用が車両価格を上回ってしまう場合が多く、泣き寝入りせざるを得ない場合がほとんどである[5]

また、近年においてはオートバイ市場の縮小による経営悪化を受けてか、販売店経営者による転売目的での盗難も発生している。顧客に引き渡した車両に関する情報、あるいは複製した鍵などを用いて、実行犯等と共謀し引き渡された車両をそのまま窃盗、転売するといった手口で犯行が行われる。[要出典]

2012年、盗難被害における車種別の台数がその他の車両と比較して3倍に及ぶため、ホンダ・CBX400Fの盗難保険契約が損害保険会社より拒否される事態になったと、ロードサービスを扱うJBR Motorcycle(現JBR Leasing)が発表した[6]。同車種は1981年から1984年にかけて販売されたベストセラーモデルあり、当時を経験した40代後半のユーザー層に特に高い人気のある車両である。2012年の段階で販売終了から既に30年近くが経過しているが、中古車両の市場価格が新車当時の定価(1981年式の基本グレードで470,000円[7])の3倍程度から状態の良い車両では10倍近くにまでおよぶ高価な車両となっている。

高価な車両ばかりが盗まれる訳ではなく、2003年前後には兵庫県内でホンダ・カブの盗難被害も相次いで発生した[8]。こうしたビジネスバイクのケースでは、実用性・経済性・耐久性から開発途上国で需要があり、自動車盗におけるトヨタ・ハイエースと同様の傾向が見られる[9][10][11]

転売目的によるパーツ窃盗[編集]

自動車のホイールカーナビカーオーディオなどが、取り外しができなおかつ資金化の際に犯罪行為が露見しにくい為に狙われやすいように、オートバイにおいては高価なカスタムパーツが窃盗対象に狙われる危険性がある。自動車と異なりパーツが露出しているオートバイでは、ほとんどのパーツ類がボルト数本で固定されているため路上ないし屋外での分解が容易であり、マフラーブレーキなどでは購入価格にして数十万のパーツも存在する。

注・出典[編集]

注釈[編集]

  1. ^ BMW・K1200が盗難被害にあった一年後、タイの犯罪組織に関する報道番組の取材過程で車台番号の一致する車両が発見された例などがある[5]
  2. ^ ただし、正規の手筈を踏まえつつも辿り着いた経緯を理解している(現地での所有登録こそ済ませているものの元が盗難車である事を承知している)など不自然な点は多く、予め売却の為に用意された密輸組織の末端構成員であるか、完全に無関係な個人所有者であるかは不明である。また、当事国にあっては所有の認められていない排気量の車両という場合もある。

出典[編集]

参考文献[編集]

「愛車の「絶対安心」保管術」『Big Machine』第80巻、内外出版社、2002年2月、 P. 42-79、 雑誌07695-2。

関連項目[編集]