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は、ハングルを構成する母音字母のひとつ。 現在は使用されない古いハングル字母である。呼称はアレア아래아)。1933年朝鮮語綴字法統一案によって廃止された。

音声[編集]

訓民正音』では舌が縮まり、声が深い音とされている。その音価は////の中間の音で、非円唇後舌半広母音[ʌ]であったと推測されている。

その第2音節以下で使われた音価は、16世紀末頃に、//へと変化し、第1音節での音価は18世紀中頃に//へと変化した。ただし、唇音歯音の間あるいは歯音と唇音の間では//に変化したものが多い。また////の音に変化したような例もある。

なお音自体は他の母音へと変化したが、表記としては20世紀初頭まで用いられていた。

以上のように現在では標準語の音韻体系からはなくなったが、済州方言円唇後舌広母音[ɒ]として残存している。

字形[編集]

『訓民正音』制字解によるとその丸い字形は天を象ったものとされ、天を表す陽母音の基本字とされる。

造字[編集]

中性母音の字母と組み合わさって が作られた( + )。この字母は下降二重母音[ʌi̯]を表したと推定される。

また、は造字の基本となる天・地・人を表す3つの基本字の一つでもある。母音字母の造字において絶対的な役割を果たしており、基本字母ㅏ ㅑ ㅓ ㅕ ㅗ ㅛ ㅜ ㅠの短い棒はもともとこの字母に由来する。が上と右に置かれたときは陽母音であり、下と左に置かれたときは陰母音とされた。

名称[編集]

古くは『訓蒙字会』(1527年)では「思(現発音は、サ)」の初声を除いた発音で呼ばれていた。後に音価が// [a]と区別がなくなったが、字母の配置においてが初声字の右側に置かれたのに対し、は初声字の下側に置かれたので、アレア(下のア)と呼ばれるようになった。

文字コード[編集]

Unicodeにおける文字コード
名称 種類 コード HTML実体参照コード 表示
HANGUL LETTER ARAEA 単体 U+318D ㆍ
HANGUL JUNGSEONG ARAEA 中声用 U+119E ᆞ