ラインメタルMG3

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ラインメタルMG3
BundeswehrMG3.jpg
ラインメタルMG3
ラインメタルMG3
種類 汎用機関銃
製造国 ドイツの旗 ドイツ
設計・製造 ラインメタル
仕様
種別 汎用機関銃
口径 7.62mm
銃身長 565mm
使用弾薬 7.62x51mm NATO弾
装弾数 ベルト給弾式
50発リンク(ドラムマガジンに格納)
120発リンク(長方形弾薬箱に格納)
両者とも、銃の左側に取り付け可能
作動方式 ローラー・ロック式
全長 1,225mm
重量 10,500g
11,500g(二脚付)
発射速度 1,150発/分(±150発/分の誤差有)
銃口初速 820m/秒
有効射程 800m(二脚
1,200m(銃架に固定)
歴史
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ラインメタルMG3(Rheinmetall MG3)は、大戦中のMG42を、戦後の運用状況にあわせて再設計した汎用機関銃である。ドイツ連邦軍をはじめとする多数の国で採用されている。


概要[編集]

MG3は、ドイツラインメタル社で製造されている銃身空冷ベルト給弾式7.62x51mm NATO弾仕様の汎用機関銃であり、主にH&K G3 アサルトライフル採用国が装備しており、ドイツ以外にもイタリアベレッタトルコギリシャイランパキスタンミャンマーライセンス生産されている。

この銃の基設計は、第二次世界大戦当時のドイツ国防軍(Wehrmacht)の汎用機関銃であったMG42であるが、使用弾が7.92x57mmモーゼル弾(8mm Mauser)から7.62x51mm NATO弾(7.62mm NATO弾)に変更され、同時に弾薬リンクもNATO標準のM13分離式リンクが使用可能になったことが最大の相違点である。

開発[編集]

MG42/MG3のローラーシステム

第二次世界大戦後、ドイツ国防軍は解体され、MG42を含む多数の兵器連合国に接収され、ドイツ第一次世界大戦後に続いてまたしても兵器製造を禁止されたが、冷戦が始まったため、西ドイツ1955年再軍備と国産兵器の製造開発を容認され[1]、新たに編制されたドイツ連邦軍(Bundeswehr)は大量の機関銃を大至急で装備する必要があった。そこで、MG42を7.62x51mm NATO弾に合わせて再設計したMG42/59がラインメタル社で製造され、ドイツ連邦軍はMG1の名称で正式採用した。 このMG1では6種類の改良型が段階的に開発された。1966年にはそれまでの運用実績に基づいて開発された7番目の最終型がMG3であり、1968年に量産が開始された。それ以前にアメリカイギリスフランスデンマークノルウェーオランダベルギールクセンブルクなどの西側に属する連合国や、かつての被占領国から返還されたMG42をMG1仕様に改修したMG2と呼ばれる機関銃も製造されていた。

仕様[編集]

MG3は、ベルト給弾空冷方式の機関銃である。作動方式はMG42と同じオープンボルト反動利用ローラーロックボルト方式であり、引き金を引くとボルトが前進し、撃発時にはボルトが銃身に2個のローラーで固定される。撃発後は薬莢を引き出して排出すると共に、リンクを弾丸一発分進める。

MG3の銃身は、これまたMG42と同様に熟練した人間なら十秒とかからず交換でき、150発ほど連射した段階で予備銃身と交換、それがまた過熱したら冷ました最初の銃身に再交換、と繰り返す。過熱したまま連射を続けると、ライフリングの摩耗が早まったり、銃身が膨張して弾道が安定しなくなるなどの問題が発生する。

汎用機関銃のベルト給弾機構の基本設計は全てMG42が基となっているが、FN MAGM60用の分離式メタルリンクはMG1やMG2では使用できず、50発単位もしくは120発単位で非分離式リンクに弾丸をセットする必要があったためにリンクにセットされた弾薬を機関銃同士で使いまわすことができなかったが、MG3では分離式リンクが使用可能になった。

MG3の運用には交換用銃身の他に、銃身交換時に手を火傷しないための耐熱(MG3やMG42の銃身には、FN MAGやPK機関銃のようなキャリングハンドル兼用の銃身交換用ハンドルが無い)と交換した銃身を置いて冷やすための耐熱マットレスが必要である(直接地面の上に置くと、地面に面した部分が急激に冷やされて歪む)。

派生型[編集]

MG1
基本型。MG42の使用弾薬を変更したもの。
MG1A1
照準器7.62x51mm NATO弾に適合させ、銃身も再設計。既存のMG1はA1型へ改修された。
MG1A2
A1のエジェクションポートを拡大し、ボルトの質量を増加。機関部後端のバッファーを新型に更新。
MG1A3
A1のリコイルブースター、ボルト、二脚を再設計。また、対空銃架への架装に対応。
MG1A4
MG1を装甲車両同軸機銃などに使用するための固定装備型。
MG1A5
MG1A3をMG1A4仕様に改修したもの。
MG2
MG42を直接MG1仕様に改修したもの。使用期間は短く、後に全てがMG1およびMG3に更新されている。
MG3
MG1の給弾機構を改良した型。M60機関銃FN MAG用の分離式リンクを使用可能とした。また、簡易対空照準器サイトを装着できるようにした。
MG3A1
車両などに装備するための固定装備型 MG1A4の代換。
MG3E
約1.3kgほど軽量化した軽量化型。アメリカにおいてM60機関銃の後継機関銃候補として出品されたが、FN MAG(M240)に敗れる。
MG14z[2][3]

使用国[編集]

MG3は、ドイツ連邦軍の主力機関銃として、車載用から対空用まで広く使われている。たとえば、レオパルト1主力戦車や、その後継車両のレオパルト2PzH2000自走榴弾砲マルダー歩兵戦闘車フクス装甲兵員輸送車など、ドイツ連邦軍に採用された装甲戦闘車両に固有の装備として搭載されている。歩兵分隊機関銃としては、小銃の5.56mm化に伴いH&K MG4に代替されつつあるが、火力支援用として使用され続けている。

登場作品[編集]

脚注[編集]

  1. ^ これに対し東ドイツは独自の兵器開発をソ連から認められず、ライセンス生産拳銃AK-47などの小火器のみが容認され、装甲戦闘車両軍用機などはソ連やポーランドチェコスロバキアなどから輸入しなければならないなど、他のワルシャワ条約機構加盟国に比べてかなり差別的な扱いを受けていた
  2. ^ http://www.all4shooters.com/en/specials/Trade-shows-2014/IWA-2014-new-products/enforcetac/Tactics-Group-MG14Z/
  3. ^ http://topwar.ru/42882-tactics-group-mg-14z.html

関連項目[編集]