ユビキタスコンピューティング

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ユビキタスコンピューティングubiquitous computing)は、コンピュータがいたる所に存在(遍在)し、いつでもどこでも使える状態をあらわす概念である。

マーク・ワイザーの提唱[編集]

ユビキタスコンピューティングは、パロアルト研究所マーク・ワイザー1991年の論文"The Computer for the 21st Century"で、コンピューターが「環境にすっかり溶け込み消えてしまう」というユーザーインターフェイスのあり方を示す用語として使われた。しかし、ユビキタスが「いたる所に遍在する」という意味を持つことから、ワイザーの意図を離れ、コンピュータが遍在するというユビキタスコンピューティングの概念が一人歩きすることとなった。[1]

また、「あらゆる場所であらゆるモノがネットワークにつながる」ことはユビキタスネットワークと呼ばれるようになった。ユビキタスコンピューティングやユビキタスネットワークが広まった当初はおもに、移動体通信無線などにより携帯電話携帯情報端末(PDA)などの持ち運び可能な機器をコンピュータネットワークと接続することが想定された。

坂村健の提唱[編集]

坂村健TRONプロジェクトをつうじて「あらゆるものにコンピュータを」と提唱し、その概念を「どこでもコンピュータ」やユビキタスという言葉であらわした。坂村は、ワイザーの論文よりも早い1984年にTRONプロジェクトを開始していることから、ユビキタスコンピューティングの概念はTRONが元祖であると主張している。[2]

坂村は、携帯電話などにとどまらずあらゆるモノにコンピュータが組み込まれ、コンピュータ同士が協調動作することに力点を置いた。それにより、人間はコンピュータの存在を意識することなく、高い利便性を得られる。具体的には、以下のような例が挙げられている。

  • 薬ビン自体にコンピュータを内蔵させ、併用すると著しい副作用のある薬を一緒に飲もうとすると、薬ビンから携帯電話に電話がかかってきて警告を発してくれる
  • ゴミになるモノにコンピュータを取り付けておき、焼却炉と交信を行い処理方法を決定する
  • 衣服にコンピュータを取り付け、体温を測定することで、空調を調節する
  • 電脳住宅。ユビキタス社会につながる実証実験がなされた

これらは、一般の携帯デバイスのように、人間の道具として従属(他律動作)するものではなく、自律動作をする一種のロボットであるとも言える。自律動作の側面を強調する場合や、高度な自律動作に関して、ユビキタスロボットという用語も使われる。

ユビキタスとIoT[編集]

モノのインターネット(IoT)の概念はユビキタスと同じであり、TRONが元祖であることを坂村健は主張している。[3]

参考文献[編集]

  • 坂村 健著『ユビキタス・コンピュータ革命』株式会社角川書店、2002年6月、ISBN 4-04-704088-6

関連項目[編集]

出典[編集]

外部リンク[編集]

学会等[編集]