モリガン・アーンスランド
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| モリガン・アーンスランド | |
|---|---|
| ヴァンパイアシリーズのキャラクター | |
| ゲームでの初登場 | ヴァンパイア The Night Warriors |
| 声 | #声の出演を参照 |
| 詳細情報 | |
| 種族 | サキュバス |
| 格闘スタイル | 不明(『CvS』シリーズ) |
| 出身 |
|
モリガン・アーンスランド (Morrigan Aensland) は、カプコンの2D対戦型格闘ゲーム『ヴァンパイア』シリーズに登場する架空のキャラクター。
概要
[編集]初代『ヴァンパイア』(以下『初代』)から登場する女性キャラクターで、シリーズを代表する人気キャラクター。『ヴァンパイア セイヴァー』(以下『セイヴァー』)のバックストーリーではジェダに次いて主要な物語の中核に座しており、シリーズの世界観内でも主要な立ち位置に置かれている。
『ストリートファイター』シリーズの春麗に並ぶカプコン格闘ゲームヒロインとして著名であり、VS.シリーズを主とした多数の外部作品へ客演している。
キャラクターデザインの原案は、当時カプコンに在籍していた柴田洋によるもので、フェリシアのデザイン原案も担当している[1][2]。
設定
[編集]魔界の三大貴族アーンスランド家の当主、“魔王”ベリオール・アーンスランドの養女にして次期当主のサキュバス。しかし、当の本人は「魔王」の地位に興味がなく、魔界には無い刺激を求めて居城であるアーンスランド城を離れ、人間界を訪れてばかりいる。『セイヴァー』では衰弱したベリオールの死に伴い当主の座を得るも、「魔王などになって家臣に傅かれるのは真っ平だ」として、いとも容易く継承権を放棄し相変わらずの気ままな生活を送る。ジェダの創り出した魔次元が突如アーンスランド城を取り込んでも、「新たな遊び場所を得た」と楽しむほど、楽天的である。
以上のように快楽主義や刹那主義の傾向があり、魔界の諸々な事情には怠惰的かつ関心が薄い。
性格
[編集]『初代』から『ヴァンパイアハンター』(以下『ハンター』)までは、性格を「モリガンの性格が一般のサキュバスとはかなり異なることはたしかである」「今の自分が楽しければそれでいいと思っている」[3]と設定されていた。しかし、『セイヴァー』では後述のように「サキュバス族全体が自身の絶滅性を悲観することなく気ままな暮らしを楽しんでいる」と、気まぐれな行動理念は種族自体の気風に設定された。その他、『ハンター』までの勝利台詞や勝利デモに見られたお転婆で高慢な面も、『セイヴァー』以降は鳴りを潜めている。
VS.シリーズの『MARVEL VS. CAPCOM』(以下『MvC』)シリーズや『CAPCOM VS. SNK』(以下『CvS』)シリーズでは技や勝利ポーズ、台詞などにセックスアピールが前面へ押し出されている。
出生の秘密
[編集]サキュバス、ひいては魔族全体で見ても異例の三大貴族が属するS級クラス以上の魔力を有して誕生した経緯があり、生まれて間もなくベリオールにより魔界の統治者の後任として見出されるが、あまりに強大過ぎる力は暴走によって魔界に甚大な被害をもたらしかねず、そしてまだ幼いモリガンの身の破滅を危惧されたため、その魔力を3つに分けられている。1つはベリオールが自らの内に封じてその死と共に消滅、残り2つをモリガンと封印空間に閉じ込められた魔力が自我を宿した存在であるリリスが有している。
『セイヴァー』のアーケードモードにおけるモリガンのエンディングでは、元の身体(モリガン)への回帰を切望するリリスを身に受け入れたことの影響で、以前は退屈に見えていたものが新鮮に映るといった心理的変化が見られた。融合により元あった魔力は2/3程度戻ったが、消滅した残り1つの魔力の回帰は叶わないため、生まれたままの完全な力は得られなくなってしまっている。この事態はベリオールの望んだ結果ではなく、ベリオールは2つに分断した魔力がその性質ゆえに強く惹き合ってしまうことの対策として、自身の中へさらに分断した3つ目の魔力を封ずることで暴走を防ぎ、自らの死後には封印空間の魔力、自身の中に封じた魔力の両方が力を戻すに値するまで成長したモリガンへ向かうはずであった[4]。モリガンがベリオールの死後まで自分の半身の存在に気付けなかったのは、その存在自体を彼女自身に悟らせないようにするための封印だったからである[5]。
リリスと融合した状態のモリガンがリリスと分離が可能かどうかは、『ヴァンパイア』シリーズ中に描写されていない。『MvC』や『MARVEL VS. CAPCOM 2 NEW AGE OF HEROES』(以下『MvC2』)では戦闘開始イントロにモリガンとリリスが融合する演出があり、技の一部にリリスが出現したり攻撃を行うものがある。『MvC』の企画を務めた冨田篤によるとリリスとの融合後で本来の力を取り戻している設定で、リリスとの分離も可能ということになっている[6]。また、『ポケットファイター』(以下『PF』)や『タツノコ VS. CAPCOM』(以下『TvC』)などではダークネスイリュージョン(後述)においてリリスが分身の代わりに登場するなど、外部作品では分離が可能である場合が多い。
容姿と特色
[編集]淡い水色から薄緑色のストレートロングヘア[注 1]と緑色の瞳[注 2]、前胸部周りを強調した服装が特徴的。基本コスチュームは上半身部分が胸を含め大きくはだけており、胸下はハートマークを象った穴が空き肌を露出している。下半身はスーパーハイレグ状の黒いレオタードに、コウモリの模様があしらわれた紫色のタイツ、ふくらはぎを引き締めヒールの効いたハーフブーツを着用している。
背部と頭部にコウモリ状の羽根が1対ずつ生えており、それぞれ大小サイズが異なっている。羽根は変幻自在であり、イメージした様々な武器の形に変化させられる[3][注 3]。背の羽根をスラスターへ変形させることで、高速飛行も可能。使役するコウモリはモリガンのお供であり、普段は羽根や髪の中に隠れている[3]。
『ハンター』以降の多くの勝利ポーズでは様々な衣服を着用した人間の姿に変身、またはコウモリが衣装の形状を変えてモリガンを彩る。また、『MvC』シリーズの技「ソウルイレイザー」ではコウモリ自身も変形している。
サキュバス族
[編集]『ヴァンパイア』の世界観内におけるサキュバス族(特にアーンスランド家領内に住む種族)の設定は、実際に在る伝承や見聞とは異なっている部分が多く、以下のように作品独自の見解がなされている。インキュバス族も作品内に直接登場しないものの、同様に独自設定が設けられている。
- モリガンの目的は闘うこと=刺激を得ることであって、相手の精を吸い取ることではない。もちろん、生きるためには吸うことは当然ある。吸い取る方法はいろいろあるが、モリガンの場合は口唇から口唇、いわゆるキスで吸い取ることが多いようだ([3]より抜粋/『初代』)。
- 外部からの精神的&肉体的刺激を受けることにより体内に特殊分泌液を生成し、それによって生命維持を行う。何もない閉所に閉じ込めようものなら退屈さと無刺激で2日目には死んでしまう。
- 不足な栄養を補うため、生物の見る「夢」から生じる特殊な分泌液を奪い代用の糧にできるよう進化している。
- 実際の伝承のように個体の生物から精気を吸い取ることもできるが、効率が悪い。
- サキュバスの血液や唾液などには強力な催淫効果があり、直接摂取すれば人間なら即死もありうる。体臭は血管を弛緩させる成分を含み大量発汗を促す。彼女らを目の前にした人間の男は、その色欲に陥没を免れない。
- 近年、夢を代用の糧として人間界にも手を伸ばしているが、十分な量を摂ることさえ困難となり、深刻な栄養不足の状況にある。
- サキュバス族の寿命は個体差はあれど約400年。生まれてから数十年で成体となり、その後は死ぬまで美しい姿を保つ。種としての彼女らの存続が危うくなってきたのはここ数百年のことである。モリガンがアーンスランドの後継者となった時点で、サキュバス族は魔界に約200人。このままでは1〜2世代後には種族そのものが消え去ってしまう。彼女らはしかし、その状態を悲観することもなく、気ままな暮らしを楽しんでいる([4]より抜粋/『セイヴァー』)。
他キャラクターとの関係
[編集]『ヴァンパイア』が登場・紹介されるメディアの多くでモリガンとデミトリがライバル関係に位置付けられることが多いが、シリーズの劇中で両名が初めて対峙したのは『ハンター』のデミトリエンディングである。約100年前にベリオールと魔界の覇権を賭けて戦った結果、人間界へ追いやられて弱体化したデミトリは力を蓄え、魔界へ舞い戻る。しかし、それ以前に同作のモリガンエンディングにて、ベリオールの没後にモリガンが形式上アーンスランド家当主を継承していたため、彼女をベリオールの代わりとして魔界最強の座を賭けて挑んだ。対するモリガンも「望むところよ」の一声と共に受けて立ち、後年に「魔界大戦乱」と呼ばれる熾烈な戦いを始める。
『ハンター』から時系列が幾分進んだ『セイヴァー』では、バックストーリーの時点で「魔王」の座にこだわり挑み続けてくるデミトリにモリガンは辟易しており、フェリシア使用時のCPU戦における乱入対戦相手として登場する際のデモセリフで「今しつこい男につけまわされて、まいってんの」と述べている。一方、デミトリがプレイヤーキャラクター時の最終戦相手として登場する際には「今のあなた、とても素敵よ。『気』の高まりをビンビン感じるわ」と発言するが、その言葉の意図はモリガン本人のみが知るところである。
『セイヴァー』のCPU戦の乱入相手としてフェリシアと対峙する際のセリフに「どう? 元気にしてた? 子ネコちゃん[注 4]」「久しぶりに、あたしと遊びましょ」とあり、少なくとも敵対関係にはなく、遊び相手として気さくに接している様子。『NxC』では『セイヴァー』での乱入対戦時同様、フェリシアを子ネコちゃん呼ばわりして気さくに接している一方、当の本人に露骨に嫌な顔をされている(この際一緒にその場にいたレイレイも同様に嫌がっている)。
従者がアーンスランド城に数名おり、ゲーム中では『初代』のエンディングにてそれぞれ彼女の身の周りの世話を担う「ペジ」(小柄で隻眼)、「ムド」(大柄で縦長)という2人の執事が登場する[7]。その他、設定にはサキュバス族の仲間も存在する模様[5]。
リリス風モリガン
[編集]『MvC』では隠しキャラクターとして、モリガンのバージョン違いの「リリス風モリガン」が登場する。モリガンとリリスが、頭をぶつけ合ったショックで精神が入れ替わったキャラクターという設定。
見た目はリリスに似た配色のモリガンで、逆に演出で登場するリリスがモリガンの配色になっている。精神はリリスだが、言動はモリガンのそれを真似ており、勝利台詞や最終ボスのオンスロートとの会話ではモリガン口調の台詞が表示されつつ、括弧内にリリスの精神台詞が表示される形となっている。
エンディングでは元に戻るべく再度頭をぶつけ合おうとするが、ザンギエフが頭突き特訓と勘違いして乱入。3人で頭をぶつけ合った結果、モリガンは元に戻るが、今度はリリスとザンギエフが入れ替わる。その後、ザンギエフは入れ替わったことに戸惑うもののリリスになりきり、モリガンと共に魔界へ帰ってしまった後、遅れてザンギエフの身体で目覚めたリリスが絶叫するというものになっている。
登場ゲーム作品
[編集]- ヴァンパイアシリーズ
- ヴァンパイア
- ヴァンパイア ハンター
- ヴァンパイア セイヴァー
- ヴァンパイア ハンター2
- ヴァンパイア セイヴァー2
- ヴァンパイア セイヴァー EX エディション
- ヴァンパイア クロニクル for Matching Service
- ヴァンパイア クロニクル ザ カオスタワー
- ヴァンパイア ダークストーカーズコレクション
- VS.シリーズ
- MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES
- MARVEL VS. CAPCOM 2 NEW AGE OF HEROES
- MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds
- ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3
- MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE
- タツノコ VS. CAPCOM CROSS GENERATION OF HEROES
- TATSUNOKO VS. CAPCOM ULTIMATE ALL-STARS
- その他
- ポケットファイター
- スーパーパズルファイターIIX
- お散歩モリガン(携帯アプリ) - カプコンの有料携帯サイト「ケータイカプコン」で配信された、モリガンを主役にしたアクションゲーム
- モンスターハンター フロンティア オンライン(モリガンを模したコスチュームが装備できる)
- 鬼武者Soul
- オトレンジャー(スマートフォンアプリ)
- SNKとのクロスオーバー
- 他社
- ガンバード2(ドリームキャスト版)
- NAMCO x CAPCOM
- クロスエッジ
- PROJECT X ZONE
- PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD
- TEPPEN(GungHo社との共同開発スマートフォンアプリ。主要登場人物〈ヒーロー〉として登場している[8])
- クイーンズブレイド リミットブレイク[9]
声の出演
[編集]- 神宮司弥生(ゲーム作品の一部を除いたほぼ全て[10][11][注 5])
- 佐久間レイ(OVA『THE ANIMATED SERIES ヴァンパイアハンター』、ドラマCD『ヴァンパイアハンター The Animated Series』、『ガンバード2』)
- 井上喜久子(ドラマCDおよびカセット ヴァンパイアハンター『ヴァンパイア・ナイト 〜お笑い夜の祭典〜』、『ダークネスミッション 〜特選バター醤油味〜』)
- 冬馬由美(ドラマCD『電撃CD文庫EX ヴァンパイア 〜ザ ナイト ウォーリアーズ〜』)
- 田中理恵(『MARVEL VS. CAPCOM 3』、『PROJECT X ZONE』[12]、『鬼武者Soul』、『PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD』[13])
- シボーン・フリン(『MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE』)
備考
[編集]- 『デビルメイクライ3』には、「ネヴァン」という電撃とコウモリを操る女悪魔が登場する。これは『ヴァンパイア』シリーズにおけるモリガンとの関連と、ケルト神話における「三位一体神」の女神モリガンとネヴァンに基づく名を付けたキャラクターである[14]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 1Pカラーや初代頒布イラストでは緑色の髪である描写が存在しないが、VS.シリーズなどではゲーム中のものを含め、髪が真緑色である場合が多い。
- ^ ゲーム中のものや一部のイラストにはラベンダーや黄色である場合がある。
- ^ 開発初期、モリガンは吸血鬼としてデザインされたが、「妖艶なイメージが欲しい」との理由でサキュバスに変更された。ヴァンパイアに付き物であるコウモリを使役しているのは、その名残である(出典:『ゲーメストムックvol.47 ギャルズアイランド 〜スイートメモリー〜』雑誌 63381-47)。
- ^ 『MvC3』でも、対戦時に同チームの場合はモリガンはフェリシアを「子ネコちゃん」と呼ぶ。『NxC』でも同様に子ネコちゃん呼びである。
- ^ 2017年に死去した(神宮寺の記事を参照)ため、それ以降のモリガン登場作品では神宮寺による新規音声はない。
出典
[編集]- ^ akiman7のツイート(326528631310540800)
- ^ akiman7のツイート(1602861022733180929)
- ^ a b c d スタジオベントスタッフ『ALL ABOUT ヴァンパイア ハンター』 発行:電波新聞社、1995年。雑誌 18362-06。
- ^ a b スタジオベントスタッフ『ALL ABOUT ヴァンパイア セイヴァー』発行:電波新聞社、1997年、406-408頁。ISBN 978-4-88554-474-3。
- ^ a b ゲーメストワールド『ヴァンパイア セイヴァーファンブック(ゲーメストムック Vol.88)』発行:新声社、1997年。ISBN 4-88199-374-7。
- ^ tommy_tinのツイート(1841864937431564723)
- ^ ブレインナビ『ヴァンパイア グラフィック ファイル』発行:カプコン、2007年。ISBN 978-4-86233-124-3。
- ^ “モリガン・アーンスランド”. TEPPEN -Official Site-. 2019年11月28日閲覧。
- ^ “「クイーンズブレイドリミットブレイク」,対戦格闘「ヴァンパイア」とのコラボを開催中”. 4Gamer.net (2024年10月25日). 2025年3月22日閲覧。
- ^ 『ALL ABOUT スーパーパズルファイターIIX』 ISBN 4-88554-459-9 電波新聞社、1996年8月
- ^ NAMCO x CAPCOM公式サイト、キャラクター1
- ^ Side-BN 2012年11月号、Vol.88「PROJTCT × ZONE」P3。
- ^ プロジェクト クロスゾーン2公式HP、キャラクター:モリガン・アーンスランド
- ^ [1]コラム第15号、3/6ページ参照