チャンストウライ

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チャンストウライ
2009年5月5日園田競馬場にて、兵庫大賞典
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2003年3月11日
抹消日 2010年9月23日
ブラックタキシード
ダイタクプルクラ
母の父 ダンスホール
生国 日本北海道平取町
生産者 協栄組合
馬主 ジェントルマンホースクラブ
調教師 寺嶋正勝(西脇
競走成績
生涯成績 28戦12勝
獲得賞金 地方競馬:8154万円
中央競馬:390万円
勝ち鞍 JpnIII:佐賀記念(2008年)
兵庫ダービー(2006年)
菊水賞(2006年)
兵庫大賞典(2007年・2009年)
東海菊花賞(2007年)
楠賞(2009年)
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チャンストウライ地方競馬兵庫県競馬組合に所属していた日本競走馬主戦騎手下原理。おもな勝ち鞍は兵庫ダービー菊水賞兵庫大賞典東海菊花賞佐賀記念

戦績[編集]

2005年8月16日、ファーストトライ競走を勝利して中央競馬 (JRA) で芝の競走を2戦した[1]。のち、兵庫ジュニアグランプリ翌日の地元オープン特別で圧勝。

兵庫ダービー

半年振りとなった2006年5月18日のオープン特別も圧勝し、重賞未勝利ながら地元トップのジョイーレに続く存在として兵庫ダービーでは2番人気の支持を集める。そのジョイーレを2周目3コーナーからの叩き合いで競り落として重賞初制覇。レース直後には陣営は菊水賞行きを明言して、ジャパンダートダービーは回避したが、その菊水賞でも兵庫ダービーと同じようなレース振りでジョイーレを競り落とし2冠目を制した。ダービーグランプリ出走が期待されていたが、レースの2日後に右前手根骨骨折が判明、年内復帰は絶望的となった。

復帰は年明け1月25日のハッピー241賞。初めて古馬との対決となったが、ベストタイザンに競り勝ち、復帰戦を勝利で飾った。しかし名古屋競馬場での梅見月杯ではムーンバレイに敗れ2着になった。続いての名古屋大賞典では5着に敗れた。地元に帰って兵庫大賞典に出走。ここではタガノインディーとの接戦をアタマ差制して、2007年初の重賞制覇となった。その後、帝王賞に出走。初のJpn1競走への出走で強豪との勝負となり人気も13番人気と低かったが、シーキングザダイヤなどを交わし4着に入り、地方競馬所属の馬で最先着を果たした。

秋は姫山菊花賞から始動した。圧倒的1番人気に推されて出走したものの、愛知所属のウイニングウインドの2着に敗れて、地元兵庫県で初の敗戦を喫した。続いて東海菊花賞に出走。1番人気のマルヨフェニックスとの叩き合いを制し、重賞4勝目となった。優先出走権を得た名古屋グランプリではフィールドルージュの3着に入った。

2008年佐賀記念から始動。向こう正面で先頭に並びかけると、直線では後続をそのまま突き放し、レコードタイムで勝利。悲願のダートグレード競走初勝利となった。兵庫県所属馬がダートグレードレースを制したのはロードバクシンに続き2頭目、地元以外のダートグレードレースを制したのは史上初の快挙であった。阪神大賞典に出走して10着に終わるが、翌月のアンタレスステークスでは中団から馬群を割ってしぶとく伸び、1着馬から0.5秒差の5着に入線した。続く帝王賞では直線で伸び切れず、6着だった。

その後、夏バテで体調を崩してしまい、予定通りに調整ができず、地元園田競馬場で行われたJBCクラシックに直行し、結果は見せ場なく10着だった。続く名古屋グランプリは地方所属馬では最先着ながら5着に終わった。

2009年も前年同様佐賀記念から始動したが、5着に終わった。続く名古屋大賞典では、同じく兵庫県所属のベストタイザンに先着を許しての6着になり、兵庫県所属の馬に初めて敗戦を喫した[2]。しかしながら、次走、約1年半ぶりに地元の重賞である兵庫大賞典に出走すると、アルドラゴン、ベストタイザンとの兵庫三強対決を制し、約1年3ヶ月ぶりの勝利を重賞制覇で飾った。

続く神姫バス杯では約2年半ぶりとなる1400m競走にもかかわらず1番人気に応え快勝したが、同距離で行われた7月のオッズパークグランプリでは見せ場がなく6着に終わり、地元の園田競馬場で初めて兵庫県所属馬 (アルドラゴン、3着) に敗れた。この年も夏負けの兆候が見られ、このあと11月の楠賞まで休養に充てた。迎えた楠賞は、3歳馬キヨミラクル、4歳馬バンバンバンクとの激しい追い比べを制して重賞通算7勝目を飾った。

2010年六甲盃から始動したが、2週目第4コーナーで故障を発生し競走中止。その後半年以上休養に当てたが回復せずに9月23日付で地方競馬の競走馬登録を抹消、引退した。今後は馬主の意向により高知県須崎市土佐黒潮牧場に預託、功労馬として余生を送ることとなっている[3][4]

アルドラゴン、ベストタイザンと並び、2000年代後期の「兵庫三強」と称されることが多いが、兵庫でデビューした純地元馬はチャンストウライのみである。また、地元重賞競走を中心にゴール前の大接戦にめっぽう強かったのが特徴であった。

競走成績[編集]

以下の内容は、netkeiba.com[5]およびJBISサーチ[6]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2005.08.16 園田 ファーストトライ J認 0820m(良) 8 4 4 007.30(3人) 01着 R0:50.9 -0.1 0谷川真生 54 (ステップシンエイ) 492
0000.09.18 阪神 野路菊S OP 芝1600m(良) 11 1 1 067.60(8人) 08着 R1:37.5(35.7) -1.5 0岩田康誠 54 メイショウサムソン 492
0000.10.29 京都 萩S OP 芝1800m(重) 8 5 5 108.90(8人) 08着 R1:50.6(35.6) -1.5 0下原理 55 フサイチリシャール 488
0000.11.24 園田 2歳T1 ダ1400m(良) 11 1 1 001.00(1人) 01着 R1:31.2 -0.9 0岩田康誠 54 (オリエンテーリング) 480
2006.05.18 園田 3歳T1 ダ1700m(不) 12 7 9 002.10(1人) 01着 R1:49.0 -0.9 0下原理 54 (ビビットプラム) 490
0000.06.08 園田 兵庫ダービー 重賞I ダ1870m(良) 11 7 9 002.30(2人) 01着 R2:02.8 -0.2 0下原理 54 (ジョイーレ) 492
0000.07.19 園田 菊水賞 重賞I ダ1700m(不) 8 2 2 001.80(2人) 01着 R1:48.4 -0.0 0下原理 54 (ジョイーレ) 490
2007.01.25 園田 ハッピー241賞 S1 ダ1400m(良) 10 6 6 002.60(2人) 01着 R1:29.6 -0.1 0下原理 54 ベストタイザン 519
0000.02.23 名古屋 梅見月杯 SPI ダ1800m(稍) 12 7 10 002.90(2人) 02着 R1:56.6(38.5) -0.3 0大山真吾 57 ムーンバレイ 511
0000.03.28 名古屋 名古屋大賞典 JpnIII ダ1900m(良) 12 7 10 103.30(7人) 05着 R2:05.0 -0.6 0下原理 56 アルドラゴン 509
0000.05.03 園田 兵庫大賞典 重賞I ダ2400m(良) 11 3 3 002.00(1人) 01着 R2:43.4(38.0) -0.0 0下原理 56 (タガノインディー) 519
0000.06.27 大井 帝王賞 JpnI ダ2000m(良) 15 2 3 142.2(13人) 04着 R2:05.0(37.8) -0.7 0下原理 57 ボンネビルレコード 504
0000.10.04 園田 姫山菊花賞 重賞I ダ1700m(良) 11 3 3 001.70(1人) 02着 R1:49.3(37.0) -0.3 0下原理 56 ウイニングウインド 507
0000.11.15 名古屋 東海菊花賞 SPI ダ1900m(良) 11 5 5 002.20(2人) 01着 R2:04.4(39.1) -0.1 0下原理 57 (マルヨフェニックス) 512
0000.12.24 名古屋 名古屋グランプリ JpnII ダ2500m(不) 12 3 3 017.80(5人) 03着 R2:41.5(36.9) -0.5 0下原理 56 フィールドルージュ 521
2008.02.11 佐賀 佐賀記念 JpnIII ダ2000m(良) 12 3 3 004.80(2人) 01着 R2:06.8 -0.8 0下原理 56 クーリンガー 513
0000.03.23 阪神 阪神大賞典 GII 芝3000m(良) 13 4 4 087.9(11人) 10着 R3:10.0(35.4) -1.3 0下原理 57 アドマイヤジュピタ 520
0000.04.27 京都 アンタレスS GIII ダ1800m(良) 16 6 12 087.9(11人) 05着 R1:51.0(36.1) -0.5 0下原理 57 ワンダースピード 520
0000.06.25 大井 帝王賞 JpnI ダ2000m(稍) 13 3 4 017.10(7人) 06着 R2:06.3(38.4) -1.6 0下原理 57 フリオーソ 515
0000.11.03 園田 JBCクラシック JpnI ダ1870m(良) 12 7 10 128.50(7人) 10着 R2:01.2(39.8) -4.5 0下原理 57 ヴァーミリアン 519
0000.12.23 名古屋 名古屋グランプリ JpnII ダ2500m(良) 11 8 12 041.60(5人) 05着 R2:47.6(38.5) -1.8 0下原理 56 ワンダースピード 524
2009.02.11 佐賀 佐賀記念 JpnIII ダ2000m(良) 12 7 9 023.80(4人) 05着 R2:09.4 -2.0 0下原理 57 スマートファルコン 510
0000.03.25 名古屋 名古屋大賞典 JpnIII ダ1900m(良) 11 7 8 223.30(7人) 06着 R2:04.1(38.7) -2.3 0大山真吾 57 スマートファルコン 529
0000.05.05 園田 兵庫大賞典 重賞I ダ2400m(良) 10 7 7 002.90(2人) 01着 R2:40.0(37.9) -0.3 0下原理 56 (ベストタイザン) 530
0000.06.17 姫路 神姫バス杯 A1 ダ1400m(良) 7 4 4 001.00(1人) 01着 R1:29.2(37.2) -0.7 0下原理 56 (マイシスドリーム) 522
0000.07.16 園田 オッズパークグランプリ 重賞 ダ1400m(良) 11 4 4 003.10(2人) 06着 R1:28.6(38.9) -1.7 0板野央 56 マルヨフェニックス 525
0000.11.04 園田 楠賞 重賞I ダ1870m(稍) 8 8 8 001.70(1人) 01着 R2:03.1(38.8) -0.0 0下原理 56 (キヨミラクル) 513
2010.03.04 園田 六甲盃 重賞I ダ2400m(重) 10 8 10 003.80(2人) 競走中止 0下原理 56 アルドラゴン 527

血統表[編集]

チャンストウライ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系
[§ 2]

ブラックタキシード
1996年生 青毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986年生 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
*オーピーキャット
O. P. Cat
1990年生 青鹿毛
Storm Cat Storm Bird
Terlingua
Princess S. Assagai Jr.
Princess Thelma

ダイタクプルクラ
1997年生 鹿毛
ダンスホール
Dancehall
1986年生 黒鹿毛
Assert Be my guest
Irish Bird
Cancan Madame Mr. Prospector
Wild Madame
母の母
ダイタクイチバン
1990年生 鹿毛
*ノーアテンション Green dancer
No No Nanette
ネヴアーイチバン *ネヴァービート
ミスナンバイチバン
母系(F-No.) スタイルパッチ系(ミスナンバイチバン系)(FN:8-g) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 5×5 [§ 4]
出典
  1. ^ [7]
  2. ^ [8]
  3. ^ [7]
  4. ^ [7]

脚注[編集]

  1. ^ JRA初戦となった野路菊ステークスの勝ち馬は後のクラシック二冠馬メイショウサムソンで、更に次走の萩ステークスではメイショウサムソンの他にフサイチリシャールドリームパスポートロジックなどが出走している。
  2. ^ 2007年の名古屋大賞典でアルドラゴンに敗れているが、当時アルドラゴンはJRA所属であった。
  3. ^ 土佐黒潮牧場「牧場日記」 - 2010年9月26日閲覧(9月24日付「さて♪」参照)。
  4. ^ チャンストウライ号(兵庫)が引退 - 地方競馬情報サイト 2010年9月30日閲覧。
  5. ^ チャンストウライの競走成績”. netkeiba.com. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年5月17日閲覧。
  6. ^ チャンストウライ 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月17日閲覧。
  7. ^ a b c チャンストウライ 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年7月16日閲覧。
  8. ^ チャンストウライの血統データ”. 2020年7月15日閲覧。

外部リンク[編集]