ダビデの星

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イスラエルの国旗にも入っている六芒星
イスラエル空軍の国籍マーク

ダビデの星(ダビデのほし)は、ユダヤ教、あるいはユダヤ民族を象徴するしるし。二つの正三角形を逆に重ねた六芒星(ヘキサグラム)といわれる形をしておりイスラエル国旗にも描かれている。文字コードはU+2721(Unicode)。

六芒星形との異同[編集]

紛らわしいが、ダビデの星と六芒星は必ずしも同じ記号ではない。正式なダビデの星は図形内部の線が必ず入っている。が、六芒星形とは突起が6つある星型をいうのだから、厳密にいえばアウトラインだけで内部の線はあってもなくてもよい。

由来・起源[編集]

このしるしは、古代イスラエルダビデ王に由来するとされるが、歴史的に実在した実際のダビデ王との関連を示す証拠は無い。その起源についても様々な説が唱えられている。

  • 14世紀説
ヘブライ百科事典によると、ユダヤ人が散り散りになっていたころは国の軍隊や国防が無かったため旗を持たなかったが、1354年にカール4世によって「赤字に六芒星の描かれた旗」を掲げることが許可されたという。[1]
  • 17世紀説
イスラエル・シャハク英語版はダビデの星の起源について以下のような説明をしている。[2]三十年戦争末期の1648年神聖ローマ帝国の側に立ってプラハを防衛していた民兵軍がスウェーデン軍を撃退した。これを受けたハプスブルク朝のフェルディナント3世は、民兵軍の武勲を嘉して各部隊のそれぞれに旗印を下賜した。民兵の中にはユダヤ人部隊もあったが、ドイツの宮廷には、ユダヤ人の印としてどんな図柄を使えば良いか知る者がなかったどころか、宮廷ユダヤ人のオッペンハイマー家ですら何のアイディアも出せなかった。そこで、ウィーンの政府はイエズス会に何か良い知恵はないか相談したところ「ダビデ王は楯の紋所にみずからの名前の最初と最後の文字『D』を使ったに違いなく、古いヘブライ文字でDの字はギリシャ文字『Δ』に似た三角形だから、Davidのスペルの最初と最後の『D』の字二つを表す三角形を、互いに組み合わせた形にしてはどうだろうか」というアイディアを得た。こうして、ユダヤ民兵部隊に「ダビデの楯」をあしらった旗が下賜されることになった。
  • 11世紀説
ヘブライ語聖書(旧約聖書)の最古の写本のひとつであるレニングラード写本マソラ本文の書写記録によると作成は1008年)にも六芒星は描かれているため、この頃まで遡ると主張する説もある。

しかし、いずれの説をとるにしても、この印は欧州のユダヤ人社会に野火のように広がり、19世紀はじめにはロスチャイルド家の家紋にも取り入れられた。それまでユダヤコミュニティーにはアイデンティティーを誇示するわかりやすいシンボルが無かったため、反動としてやたらに乱用され、それ以前の古い物にも後から描き加えられたものが少なくない。

各国での扱い[編集]

クロアチア
クロアチアの自治体の紋章にも多く描かれるが、これらの多くはダビデの星と六芒星が混在する。
ハンガリー
ブダペシュトドハーニ街シナゴーグの窓には、なぜか八芒星が用いられている。ちなみにダビデの星と同じ模様の六芒星は使われていない。
ドイツ
連行される、星のバッジをつけたユダヤ人達。1944年10月、ブダペスト
第二次世界大戦期、ナチス・ドイツはその占領地において、ユダヤ人を識別するための標識として、ユダヤ人に黄色で描いた星型紋様をつけることを義務づけた(黄色のバッジ英語版)。これは当時"Judenstern"(ユダヤの星)または"Zionstern"(シオンの星)と呼ばれており、"Davidstern"(ダビデの星)とは呼称も表記もされていなかった。ナチス・ドイツが「ダビデの星("Davidstern")」という名前を使っていないのに、戦後の文献では「Zionstern」や「Judenstern」を「ダビデの星」とわざわざ意訳したり、ドイツ語文献の場合は「Davidstern」にわざわざ言い換えをしている。

日本での扱い[編集]

日本ではしばしば、魔術的な意味合いを持つ「ソロモンの印」や魔よけとして用いられる「籠目」と混同される。

また、サブカルチャーやアクセサリーにおける意匠として用いられることがある。この場合、作品自体はユダヤと無関係な場合も多い。

そのほか、日ユ同祖論の根拠として言及されることもある。

各国語での名称[編集]

言語 名称 図形
ヘブライ語 מגן דוד
maghen dawidh マーゲーン・ダーウィーズ
日本語 ダビデの星 六芒星籠目(かごめ)
中国語 大衛星大衛之星 六角星六芒星
イタリア語 stella di David
スペイン語 estrella de David
フランス語 étoile de David
ドイツ語 Schankzeichen, Zoiglstern, Davidstern hexagramm
エストニア語 Taaveti täht Heksagramm
オランダ語 Davidster
英語 Brewer's Star, Star of David, David's Star, David's Shield hexagram
ポーランド語 Gwiazda Dawida Heksagram
ハンガリー語 Dávid csillag
ペルシャ語 ستاره داوود
ポルトガル語 Estrela de Davi

符号位置[編集]

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
U+2721 - ✡
✡
ダビデの星

ダビデの星と表現規制[編集]

2004年マイクロソフトハーケンクロイツ)とダビデの星を共に不適切な記号とし、Microsoft Office 2003に付属のフォントファイル「Bookshelf Symbol 7」からそれらの記号を削除するツールを2004年2月11日に配布した[3]

2018年、漫画投稿サイト「ジャンプルーキー!」において、作中に「六芒星」を描いた漫画作品が削除されていたことが判明する。当該サイトにおいては直接的な削除理由は明言されていないものの、漫画業界では「ダビデの星」が前述の第二次世界大戦期におけるユダヤ人差別を想起させるという理由でタブー視され、「六芒星」自体の使用を基本的に避ける風潮が広まっているとされる[4]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ Reuven Kashani (1999年1月7日). “The National Flag”. Israel Ministry of Foreign Affairs. 2022年2月13日閲覧。
  2. ^ Pastor Joh.W.Matutis. “Woher kommt eigentlich der Davidstern?”. Freie Nazarethkirche e.V.. 2022年2月13日閲覧。
  3. ^ マイクロソフト、「Microsoft Office 2003」からハーケンクロイツの記号を削除”. Impress Watch. 2004年2月13日閲覧。
  4. ^ 六芒星を描いたwebマンガ非公開に…表現の「自主規制」どこまで?”. ダイヤモンド・オンライン. 2020年1月2日閲覧。

関連項目[編集]