タイムギャル

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タイムギャル
ジャンル インタラクティブムービー
レーザーディスクゲーム
対応機種 アーケード
開発元 タイトー中央研究所
発売元 タイトー
デザイナー 藤原英裕
プログラマー くりやまたかし
音楽 今村善雄
美術 今沢哲男
我妻宏
人数 1人
メディア 業務用基板
レーザーディスク
稼働時期
  • 日本 1985年 (1985)
デバイス 4方向レバー
2ボタン
ディスプレイ ラスタースキャン
横モニター
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タイムギャル』 (TIME GAL) は、1985年タイトーが制作・販売した独自筐体仕様の業務用レーザーディスクゲーム
忍者ハヤテ』(1984年)、『宇宙戦艦ヤマト』(1985年)に続くタイトーのレーザーディスクアニメーションゲーム第3弾。

概要[編集]

ゲームシステムは『忍者ハヤテ』を基本とし、「A.D.4000」のシューティングシーンのみ『ヤマト』からの流用となっている。本作のシステムの土台となったゲームは、『スペースエース』(1984年)、『ヤマト』の要塞ウルクのステージで、スタッフはこの2つゲームを参考にしながら本作を作ったとしている。専用のアップライト筐体は『ハヤテ』からの改造となっている。
背景設定は「未来の大悪党ルーダがタイムマシンを強奪して過去の世界へ逃亡したため、歴史保安警察のエース「タイムギャル」ことレイカが過去の時代に遡って追跡する」というSFアニメ風の世界観となっており、主人公レイカのキャラクター性で人気を呼んだ作品である。

キャラクターデザインには当時人気だったTVアニメ『ダーティペア』(1985年)や『うる星やつら』(1981年 - 1986年)の作画監督を努めたアニメーターの土器手司を起用し、[要出典]作曲は『ヤマト』の小倉久佳が担当している。

本先の主人公であるレイカのミスの際のリアクションは多彩かつコミカルなものが多く、正解探しではなく「わざとミスしてリアクションを楽しむ」という珍現象を生んだ。これについてはB.C.65,000,000ステージ最初の選択でのミスリアクション[1]をタイトー社員が「一番の見せ場」と豪語している程で、ミスリアクションに対する力の入れ具合が伺える。他には、レイカが天使になったり、お尻をかじられたり、溶岩に落ちたり、恐竜に踏まれたりなどといったもので、頭身の低いデフォルメキャラに変化して見せるオーバーなリアクションと、担当声優である山本百合子の台本なしのアドリブ演技(ミスシーン以外もほぼ全て)によるコミカルなギャグシーン的演出が好評であった。

これらの演出により、日本国内で制作されたレーザーディスクゲーム作品の中でもかなりの知名度を獲得しキャラクター人気も高い作品となった。

ゲーム内容[編集]

システム[編集]

プレイヤーは、4方向レバー(指示方向入力/選択肢の選択)とボタン(ブラスター/タイムストップ)を使って、レイカを操作する。

降って来る隕石、無差別に攻撃してくる恐竜など、各時代で巻き起こる様々なアクシデントへの対処として、画面上に表示される指示に従って、タイミングよくレバー・またはボタンを操作する。他のLDゲームの多くと同様に、シーン毎に必要な操作は固定されている。

また、追い詰められたレイカが危機を脱するために自分以外の全ての対象の時間を一時的に停止させるイベント『タイムストップ』が要所要所で発生し、この際には、制限時間内に表示される選択肢の中から適切なものをレバーとボタンで画面上から選ばなくてはならない。この場合も、選択肢の数と内容、正解は常に固定であり、運の要素は絡んでこない。

入力の正解ごとにスコアが上昇し、一定スコア毎にエクステンドが発生して残機が増加する。入力の失敗、タイムストップイベントでの選択ミスにより残機が減り、残機が0になった時点でゲームオーバーとなる。

全クリア後は、残機数×5000点+5000点がクリアボーナスとして加算され、最終的なスコアが算出された上でゲーム終了となる。

シーン[編集]

シーンは全部で16あり、その内9シーンはランダムで左右反転しレバー入力の左右が入れ替わる(映像そのものも反転するので事前に判別は可能)。また、最終シーンであるA.D.4001は他のステージを全てクリアしないと進めない。

  • B.C.70,000,000(左右反転有り)
  • B.C.65,000,000(左右反転有り)
  • B.C.30,000(左右反転有り)
  • B.C.16,000
  • B.C.44
  • A.D.500(左右反転有り)
  • A.D.666
  • A.D.1588
  • A.D.1941(左右反転有り)
  • A.D.1990(左右反転有り)
  • A.D.2001
  • A.D.2010(左右反転有り)
  • A.D.3001(左右反転有り)
  • A.D.3999
  • A.D.4000(左右反転有り)
  • A.D.4001(最終ステージ)

隠しフィーチャー[編集]

  • 画面上の指示と違う操作でも正解として受け付けられる、いわゆる「隠し入力」がある。レバー操作指示でもボタン操作が隠しとして入力できる場所もあり、(ボタン操作の方が得点が高いため)これによってスコアをより高くすることができる。
  • 2人交互プレイの時に1プレイヤーがクリアした後、2プレイヤーがクリアすると、ネームエントリーの背景の画像が通常の物と変わる。
  • ゲームクリア後のネームエントリーの時に残りタイムが0になるまで待つと、スタッフロールが流れる。
  • 0点でゲームオーバーになるとネームエントリー画面の背景がミスシーンにおける二頭身デフォルメのレイカの画像に変化する。

ストーリー[編集]

時空間航行技術が確立された30世紀。タイムマシンの完成と同時に時間犯罪を未然に阻止すべく創設された警察機構「歴史保安警察」の施設内部に保管されていたタイムマシンが、30世紀最大の大悪党・ルーダに強奪されてしまった。ルーダ追跡の任に着いた歴史保安警察のエース「タイムギャル」こと歴史保安官レイカは、時間制御機能が組み込まれた時空間航行服「タイムスーツ」の力で時空を超え、行く先々で遭遇する様々なアクシデントを持ち前の能力を駆使して切り抜けながら、タイムマシンを奪還すべく過去から未来を駆け抜けていく。

キャラクター[編集]

レイカ
  • - 山本百合子
    歴史保安警察所属の歴史保安官で、タイムマシン開発者サーモン博士の愛娘。幼い頃から研究中のタイムマシンの被験者として時間旅行を繰り返していたことから「タイムギャル」の愛称で呼ばれており、時間旅行の経験の深さを買われ、ルーダ追跡の適任者として選出された。
    病身の父が命と引き換えに残した時空間航行服「タイムスーツ」によるタイムジャンプ能力とタイムストップ能力を使いこなし、タイムマシンを強奪して時空の彼方へ逃げたルーダを追う[2]
ルーダ
  • - 不明[3]
    30世紀最大の大悪党。歴史保安警察の施設内に保管されていたタイムマシンを奪い時空の彼方へ逃げ去った。プレイヤーが操作ミスしてレイカが災難に見舞われる度に高笑いして嘲り笑う。

その他[編集]

  • 『ハヤテ』『ヤマト』と同様にLDメディアへのプレスは音響・映像機器メーカーのパイオニアが行い、業務用紙ジャケット入りで再生専用機にスクリューで固定可能な片面アルミ打ちで、LDメディアの部品価格は当時3万円だった。
  • 『忍者ハヤテ』の主人公・ハヤテが1カットだけカメオ出演しているシーンがある。
  • レイカ人気により、当時のタイトーとしては珍しく物販でポスターが売られることもあった。また、トップランディング用のオペレーター向け販促媒体としてスチュワーデス姿のレイカの等身大POPが用意されるなど、一時期の間、レイカがタイトーのマスコットキャラの1人として扱われていた事もあった。
  • タイトーは1990年頃の業界展示会や直営店舗の開店イベントにおいて、コンパニオンにレイカの衣装を着せてキャンペーンを行ったり、等身大ポップを飾ったりしていた。メガCD版発売の際には飯島愛がレイカの衣装を着てプロモーションを行っていた。
  • 初期設置時のプレイ料金が200円と高額設定だったためか、極めて短期間で全国のゲームセンターから撤収されてしまい、ウルフチームがメガCDに移植する際には全国のゲームセンターやディストリビューターと連絡を取り合って探し回ったものの、遂には1台も見つからなかったと当時のメガドライブFAN及び、BEEPメガドライブの両誌で語られた。移植の際に使われたLD媒体はタイトーに残されていたサンプル用の物である。また、LD媒体であるために筐体のメンテナンスが非常に難しく故障し易かったこともあり、日本国内においては稼動可能な状態で現存する筐体は存在しないと言われている。
  • 上記で語られた「一番の見せ場」のシーンで使用されたセル画は現在、アリカの社長である西谷亮が所有しており、2008年に五反田で開催された五反田ソニック16SHOTSのイベントで公開している。
  • 1990年発売のPCエンジン版『パズニック』では、全ステージクリア後に現れるエクストラステージを全てクリアすると、レイカの1枚絵のグラフィックが表示される。
  • 2006年稼働のアーケードゲーム『式神の城III』の販売元がタイトーであることから、ゲスト出演&パロディ的なキャラクターとして「タイムギャル」と呼ばれる警察官・レイカこと霧島零香というキャラクターが登場している。
  • スクウェア・エニックスよりPS3向けのダウンロード専売コンテンツとして配信された「エレベーターアクション デラックス」の無料追加配信キャラクターとして、レイカが配信された。
  • 2012年にドコモのスマートフォン向けゲームポータルサイト「タイトーステーション」より配信されたアプリゲーム「大富豪パーティ」のBGMとして、本作のメインテーマが「Time Gal-futuer Queen Mix」のタイトルでアレンジの上、使用されている。

他機種版[編集]

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数
1 タイムギャル
  • 日本 1986年 (1986)
X1 タイトー 日本ビクター VHDpc INTER ACTION XVIA-102 (VHD)
VIAX-102 (カセットテープ)
-
2 タイムギャル
  • 日本 1986年 (1986)
MSX タイトー 日本ビクター VHDpc INTER ACTION MVIA-102 (VHD)
VIAM-102 (カセットテープ)
-
3 タイムギャル
  • 日本 1992年11月13日 (1992-11-13)
  • アメリカ合衆国 1993年
  • ヨーロッパ 1993年
メガCD ウルフチーム
CD-ROM
  • 日本 T-32114
  • アメリカ合衆国 T-6214
  • ヨーロッパ 4417
-
4 タイムギャル
  • 日本 1994年 (1994)
マッキントッシュ ハイテックラボジャパン タイトー CD-ROM - -
5 タイムギャル
  • 日本 1995年3月25日 (1995-03-25)
メガLD ハイテックラボジャパン タイトー
パイオニア
LD-ROM PEASJ5039 -
6 タイムギャル&忍者ハヤテ
  • 日本 1996年7月5日 (1996-07-05)
PlayStation タイトー タイトー CD-ROM SLPS-00383 - 4 -
7 タイムギャル&忍者ハヤテ
  • 日本 1997年1月17日 (1997-01-17)
セガサターン エグゼコ・デベロップメント エグゼコ・デベロップメント CD-ROM T-20702G -
メガCD版
  • 欧州メガCDでも発売された。ステージセレクトの裏技やハードレベルをノーコンティニューでクリアしたエンディング終了後に約10分待つとレイカの隠しビジュアルが出現する。
PlayStation版
  • ゲームの難易度を5段階に変更(LEVEL)、ステージ進行をアーケード順(過去→現在→未来)・最終面以外ランダム・LDのインデックス順・年代順・時代選択可・ステージセレクト可(ST-ORDER)、ゲーム中テロップのフォント変更及び日本語・英語切り替え(FONT,MESSAGE)、プレイヤーの状態によって難易度を下げる(LV-DOWN)、などを「DIP MODE」で個別に設定出来る。

音楽[編集]

主題歌[編集]

オープニングテーマ「時空をこえて」
  • 作詞:中嶋朋子、作・編曲:田村信二、歌:山本百合子
    メガCD版で追加されたオープニング主題歌。歌唱はレイカを演じた山本百合子が担当している。ロング版を収録した非売品のシングルCDがメガCD版購入者に特典として配布された。海外メガCD版ではインスト版に差し替えられている。

スタッフ[編集]

アーケード版
  • ゲーム・デザイン:藤原英裕
  • ソフト・プログラム:くりやまたかし
  • ギャル・クリエイター:さとうひろあき、西村年幸
  • サウンド・ディレクター:今村善雄
  • ピクチャー・スタッフ
    • ディレクター:今沢哲男
    • キャラクター・デザイナー:我妻宏
    • サウンド・エフェクト:福島幸雄
    • フィルム・プロデュース:東映ビデオ
メガCD版
  • プロデューサー:浅沼穣、宇野正明
  • ディレクター:飯島公人
  • プランナー:鈴木宏、小川浩
  • メイン・プログラミング:平地慎二
  • メガCDプログラミング:徳弘親昭
  • ビジュアル・ディレクター:おかのたけし、T.KONISHI
  • デザイン・スーパーバイザー:永田和宏
  • グラフィックス:おかのたけし、田島清香、松島正幸、浜田忠司、安森淳俊、なかじまひでとし、金田将征、西谷由美子、木村まり、藤田圭一、田尻一直、森山大輔、石黒久美子、安藤まゆみ、いながきよしあき
  • オープニング音楽作曲:田村信二
  • エンディング音楽作曲:桜庭統
  • サンクス:後藤清治、内田学、T.KUNIMATSU、門脇勲、六本周平、H.NINA、橋本博司
  • スペシャル・サンクス:福島和行

評価[編集]

評価
集計結果
媒体 結果
GameRankings 80% (MD)[4]
レビュー結果
媒体 結果
AllGame 星5つのうち3.5つ (MD)[5]
Electronic Gaming Monthly 30/40点 (MD)[6]
ファミ通 20/40点 (MD)[7]
GameFan 177/200点 (MD)[8][9]
GamePro 5/5 (MD)[10]
Mega 71% (MD)[11]
Sega Pro 86% (MD)[12]
メガドライブFAN 21.72/30点 (MD)[13]
メガドライブ大全 肯定的 (MD)[14]
受賞
媒体 受賞
Mega 5th Top CD Game (MD)[15]
アーケード版

1998年に刊行されたゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』では、「他のLDゲームと同様に、その場面でのアクションをすべて覚えるしかなく、面数も多かったので、かなりのコインを投入するプレイヤーも少なくなかった」、「ミスしたときのレイカのアクションが、シーンごとに違い、コミカルなものから、色っぽい服が破れてしまうものもあったので、それらを見るためにワザとミスする光景も見られ、筐体の回りには、いつもそれっぽいマニアが取り囲んでいるところもあった」、「後にレイカはタイトーのイメージキャラクターになり、等身大のポップが作られた初のゲームであったが、ものすごい勢いで盗難され、すぐに見なくなってしまったのも印象深かった」と紹介されている[16]

メガCD版
  • ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では6・4・6・4の合計20点(満40点)となっている[7]
  • ゲーム誌『メガドライブFAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、21.72点(満30点)となっている[13] 。また、同雑誌1993年7月号特別付録の「メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」では、「休むことなく続くアクションはまるで本当のアニメーションを見ているようなのだ」と紹介されている[13]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 4.21 3.70 3.04 3.42 3.26 4.09 21.72
  • ゲーム本『メガドライブ大全』(2004年太田出版)では、「言ってしまえば、LDの録画したアニメを再生して、抜き打ちに『赤あげて』『白下げない』をやらせる他愛のないゲーム」、「画質をスッパリあきらめ、スピードと操作感覚を割りきって再現」と評している[14]

脚注[編集]

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  1. ^ 後ろからスーツの下半身を恐竜にかじり取られ、赤面してしゃがみこんでしまう。
  2. ^ レーザーアクティブ版説明書掲載のバックストーリーより。
  3. ^ メガCD版オープニングのスタッフクレジットにも表記なし。
  4. ^ Time Gal for Sega CD”. GameRankings. 2015年12月6日閲覧。
  5. ^ Sackenheim, Shawn. “Time Gal - Review”. AllGame. 2009年5月29日閲覧。
  6. ^ “Review Crew: Time Gal”. Electronic Gaming Monthly (Ziff Davis) (45): 30. (April 1993). 
  7. ^ a b タイムギャル まとめ [メガドライブ]/ ファミ通.com” (日本語). KADOKAWA CORPORATION. 2016年3月5日閲覧。
  8. ^ “Time Gal”. GameFan (DieHard Gamers Club) 1 (5): 35. (April 1993). 
  9. ^ Time Gal Videogame by Taito (1985)”. Killer List of Videogames. 2009年5月29日閲覧。
  10. ^ The Tummynator (July 1993). “Sega CD ProReview: Time Gal”. GamePro (48): 64. 
  11. ^ Mega, issue 5, pages 42-43.
  12. ^ Sega Pro, issue 16, pages 62-63.
  13. ^ a b c 「7月号特別付録 メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」、『メガドライブFAN』第5巻第7号、徳間書店1993年7月15日、 20頁。
  14. ^ a b 「Chapter 05 1992年」『メガドライブ大全(企画・編集:CONTINUE)』 太田出版2004年9月29日、140頁。ISBN 9784872338805
  15. ^ “Top Ten CD Games”. MEGA (Future Publishing) (8): 89. (May 1993). 
  16. ^ 「ザ・ベストゲーム」、『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、 126頁、 ISBN 9784881994290

外部リンク[編集]