シトロエン・Hバン

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タイプ HY
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標準ホイールベース

HバンType H )は、フランス自動車メーカー、シトロエン1947年から1981年まで製造販売していた貨物自動車である。大部分が標準仕様車であるが、少量の注文生産による多数のバリエーションがある。無蓋車バージョン、荷物室を延長したバージョン、さらには小型バスまでバリエーションは多岐にわたる。モノコックボディーやキャブオーバー型のデザイン、前輪駆動による低床式、車体側面にあるスライディングドアーが特徴的。独創的なデザインは、後のプジョーD-3A(Peugeot D3 et D4 )やルノー・エスタフェッテ(Renault Estafette)などに影響を与えた。

概要[編集]

1947年にシトロエンが戦後最初に登場させた自動車である。本車の前身は戦争時の軍用車である T.U.B. の市販商用車であり、低床式の側面スライディングドアーが最大の有効スペースを提供する理想の多用途商用車である。基本的にはトラクシオンアバンのエンジンシャシーを使用している。 車体の外板は鉄製波板で補強した実用本位のもので、 1948 年に発表された2CVの1年前である点からも重複して開発されていた筈である。[要出典]

資本参加しているフィアットとの共同生産車であるC35に席を譲り、1981年12月15日、製造を終了した。

この特異なデザインの前輪駆動の貨物車のコンセプトは、現在のシトロエン・ファーゴンバンなどに受け継がれている。

歴史[編集]

ミシュランの時代の最初の車

T.U.B.の運転席

キャブオーバー型の貨物車 それまでの配達用の貨物車は、乗用車と同じくボンネットが運転席の前にあったが、新開発の車ではエンジンをまたいだ形で運転席が前進したキャブオーバー型の前輪駆動車であった。この荷室を自由に設計できる形は世界で初めての画期的なもの[要出典]であった。

仕様[編集]

T.U.B.:

全長 4040 mm.全高 2130 mm. 全幅 1910 mm. ホイールベース 2350 mm. 積載量 850 kg. エンジン 9CV. 4 気筒水冷 72 X 100. 35 HP. 変速機 3速 . サスペンション:トーションバー 4輪独立 . ボディー : 全鋼鉄製


世界大戦勃発[編集]

販売開始の直後に戦争が始まったために、T.U.B. は製造の変更を余儀なくされた。鋼鉄製ボディーは車体後半を材料の節約と軽量化の必要性から、骨組みを残して後部側面上部と屋根部分をレーヨン製のカンバス地に変更した軍事仕様になった。

軍用車仕様 T.U.B.[編集]

T.U.B. 850kg. トラクシオンアバン"7C" のエンジンとシャシーを使用。 T.U.B. 1200kg. トラクシオンアバン"11" のエンジンとシャシーを使用。後の T.U.C. 1939 年 4月より生産開始。 247 台生産。 1940 年には主として軍用救急車 824 台。軍用無線通信車 24 台。その他 21 台。 1941 年に T.U.C. 313 台を含む 631 台。 合計 1747 台生産された。 これらの車は直ぐに "Tube" と呼ばれるようになったが、市場には出て来なかったのは上記のように軍用車に変更されていたからである。戦後、Type H の プロトタイプとなった。

エンジン[編集]

ガソリン・ディーゼル仕様

当初、エンジンはトラクシオン・アバンのものがそのまま使用された。

  • 1947年 - Type H 1200kg. 1911cc. 11CV. 78X100.
  • 1949年 - HZ 850kg. 軽荷重用が追加された。1628cc. 7CV.
  • 1958年 - H 1200kg は重荷重用の HY 1500kg. になり 2 車種になる。
  • 1961年 - ディーゼルエンジン仕様が追加。7CV . Perkins |パーキンス 後に Indenor |インデノール.
  • 1966年 - HY 1500kg は 1600kg に、HZ 850kg は 1000kg になる。ガソリン : 1628cc と 1911cc. ディーゼル : 1946cc. (インデノール)


ボディー(標準型)[編集]

Hの商用車。前窓が二分割された初期のタイプ。

ボディーは基本的にはバンタイプと無蓋のピックアップになるが、受注生産で無数の形状が存在する。 しかし、それはあくまで荷室部分の変化にとどまる事が殆ど。[要出典]

外観上の変化 基本的には 4 回のマイナーチェンジを経たが、最終型であるドアーの開閉方向でも全車に採用されていない。

右側面のスライディングドアーが標準だが、両側やシャッター式のものもあるのは前記使用者本位である。

  • 1964年型 : 1964 年 2月マイナーチェンジ、フロントウインドウは 1 枚ガラスになる。新型のダブルシェブロンがグリルの中央に付く。方向指示器、尾灯が両側に付く。フェンダーは引き続き半円形。
  • 1969年型 : 1969 年11 月、後フェンダーが四角くなり、テールゲートの窓も大型になる。ボンネットの上側と屋根板の波型プレスがなくなり平板になる。

バス型のH

  • 1974年型 : 安全性のため前ヒンジになりドアーは後ろ開きになり、乗降し易さのためにステップに傾斜をつけた。 しかし、実際には全車には行われず「最終モデル」の写真でも「前の型式」になっている。[要出典]同様に側面のスライディングドアーも右側のみと、両側とが混在している。

輸入実績[編集]

合計2回輸入されている。1回目は1967年 - 1968年に関西日仏自動車により100台とされる。当時作られた日本語カタログには貨物自動車として 2CV :AZU . AK . とともにHと記載されている。写真から 1968年以前型の前ドアは後ろ開き、右側スライディングドア、リヤーフェンダーは円形である。ルーフ板には波型プレスが無い。

2回目は 1974年 - 1975年で、詳細は西武自販の記録によると前年モデルチェンジした、前ヒンジ、両側スライディングドア仕様である。東京三菱ふそう西武自動車販売とで 100台を輸入販売した。 予定では三菱ふそうが80台、西武自販が20台の予定であったが結果は西武自販が 25台販売した。したがって最大でも200台とされる。 この時の販売時の呼称が Hトラックであったために、日本のみトラックの名称で呼ばれている。販売用カタログでも強調されているように、購入企業がボディーに独自の広告を再塗装することによる広告効果を想定している。

人目を引くデザインや人が立てる程の高い室内スペースを活かし、主に移動販売車などに使われた。

外部リンク[編集]

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