DSオートモビルズ・DS3クロスバック

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DSオートモビルズ・DS3クロスバック
DSオートモビルズ・DS3
DS3クロスバック
DS3クロスバック 内装
概要
製造国 フランスの旗 フランス
販売期間 2018年-
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアSUV
駆動方式 FF
プラットフォーム PSA・EMP1英語版
パワートレイン
エンジン ガソリン:
1,199cc直列3気筒ターボ PureTech
ディーゼル:
1,499cc 直列4気筒 BlueHDi
モーター ZK01型:交流周期電動機(E-TENSE)
最高出力 日本向けガソリン:
96kW(130PS)/5,500rpm
114kW(155PS)/5,500rpm
ディーゼル:
76kW(103PS)/3,500rpm
モーター(ZK01):
100kW(136PS)/5,500rpm
最大トルク 日本向けガソリン:
230N·m/1,750rpm
240N·m/1,750rpm
ディーゼル:
250N·m/1,750rpm
モーター(ZK01):
260N·m/300-3,674rpm
変速機 8速AT
6速MT(日本未導入)
前:マクファーソン・ストラット
後:トーションビーム
前:マクファーソン・ストラット
後:トーションビーム
車両寸法
ホイールベース 2,558mm
全長 4,118mm
全幅 1,791mm
全高 1,550mm
車両重量 1,270-1,280kg
1,580kg(E-TENSE)
その他
最小回転半径 5.3m
系譜
先代 シトロエン・DS3
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DS3クロスバックDS 3 Crossback)は、フランスの自動車メーカー、DSオートモビルズが生産・販売する小型(BセグメントクロスオーバーSUV型の乗用車である。

2023年5月のマイナーチェンジで「クロスバック」の名が外れ、DS3に車名が変更された。

概要[編集]

2018年10月2日、フランスで開幕したパリモーターショーにて初公開[1]。Bセグメントに属する小型クロスオーバーSUVで、欧州向けのボディサイズは全長4,118mm、全幅1,791mm、全高1,534mm、ホイールベース2,558mmである。プラットフォームにはのちに2代目プジョー・208などにも用いられる「EMP1」プラットフォームを使用している。

エクステリアデザインはフロントマスクにDS 7クロスバックと共通イメージのデザインを採用。側面には抑揚のあるサイドパネルやフェンダーラインなどで彫刻的な造形を表現した[2]ヘッドライトには、「DSマトリクスLEDビジョン」を採用。フロントガラスのカメラにて検出された運転条件に基づき、オンとオフを切り替える。インテリアには、インストゥルメントパネルにひし形を5つ組み合わせたデザインを、センターコンソールのスイッチにクル・ド・パリ(ギョシェ彫り)を用い、DSならではの個性を主張する。

欧州向けのパワートレインは、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンを設定。ガソリンエンジン「PureTech」は、それぞれ最高出力100hp、130hp、155hpの3種類が、1.5L直列4気筒ターボディーゼルエンジン「BlueHDi」は、最高出力100hpと130hpの2種類がラインナップされる。欧州向けのトランスミッションは8速AT「EAT8」のほか、6速MTが組み合わされる。

先進運転支援システム(ADAS)では、「DSコネクテッドパイロット」を搭載。0-180km/hで作動し前走車との車間距離と、レーン内の位置をキープする。

DS 3 クロスバック E-TENSE[編集]

DS3クロスバック E-TENSE DS3クロスバック E-TENSE
DS3クロスバック E-TENSE

DS3クロスバックのEV版は「DS 3 クロスバック E-TENSE」と呼ばれる。最高出力136PS、最大トルク260N·mを発生するモーターを搭載し、フロア下には蓄電容量50kWhのリチウムイオンバッテリーを収める。0-100km/h加速は8.7秒で、1回の充電での航続距離はWLTPモードで320kmである。ドライブモードは航続距離の最大化を図る「エコ」と「ノーマル」、パワーとトルクを最大化する「スポーツ」の3種類があり、これらのモードとは別に、「ノーマル」と「ブレーキ」の2つのエネルギー回生システムを実装した[3]

日本での販売[編集]

2019年4月15日、「DS 3クロスバック」の日本導入記念モデル「ラ・プルミエール」のオンライン予約を開始した[4]。60台の限定モデルで、「ノアールペルラネラ」「グリプラチナム」「ブランパールナクレ」のボディカラーに、「ダイヤモンドレッド」のルーフカラーを組み合わせた。

2019年6月26日、日本への導入を発表し、同日販売開始[2]。導入されるのは「Be Chic」「So Chic」「Gran Chic」の3種類[5]。搭載されるのは1.2L直列3気筒ガソリンエンジンのみで最高出力は130ps。また、トランスミッションは8速AT「EAT8」が組み合わされる。

2019年12月10日、最上級グレード「Gran Chic」ベースのオフホワイト内装車を40台限定で発売[6]

2020年5月14日、最上級のインテリアパッケージ「OPERA(オペラ)インスピレーション」を設定し、販売開始[7]。最上級グレード「Gran Chic」で選択できる。

2020年6月24日、電気自動車「DS 3クロスバック E-TENSE」の日本導入を発表[8]。同年7月29日に詳細を発表、同日販売を開始した[9]。一充電あたりの航続可能距離はJC08モードで398km。満充電までの所要時間は、標準装備されるコンセント型普通充電(3kW/15A/200V)で約18時間、急速充電(CHAdeMO規格、50kWチャージャー)の場合、約50分でバッテリー容量の80%まで充電できる。

2021年1月6日、特別仕様車「パフォーマンスライン」を設定し、販売開始[10]。搭載されるのはベースモデルと同じ1.2L直列3気筒ターボエンジンだが出力を25PS、トルクを10N·m強化し、最高出力155PS/5,500rpm、最大トルク240N·m/1,750rpmを発生。このほか、ターボチャージャーやインジェクター、排気バルブ、コンロッドベアリングなどを専用パーツとした。エクステリアはフロントグリルのDSウイングをマットブラックに、リアガーニッシュがブリリアントブラックとなった。また、オニキスブラックの18インチ“MONZA”ホイールを採用した。

2021年2月3日、特別仕様車「ソーシック レザーエディション」を設定し、同日販売開始[11]

2023年5月23日マイナーチェンジを実施し、「DS3」に車名が変更された。このマイナーチェンジにてE-TENSEなどが廃止され、1.5LのBlueHDiディーゼルターボのみとなった[12]

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ DS 3クロスバック、EVも選択できる小型SUV…パリモーターショー2018”. Response. (2018年10月5日). 2021年3月8日閲覧。
  2. ^ a b 新型コンパクトSUV「DS 3クロスバック」発売”. webCG (2019年6月26日). 2021年3月8日閲覧。
  3. ^ コンパクトSUV『DS 3クロスバックE-TENSE』販売開始、DS初のEVは価格499万円より”. Response. (2020年7月29日). 2021年3月8日閲覧。
  4. ^ 「DS 3クロスバック」の日本導入記念モデル、オンライン予約がスタート”. webCG (2019年4月15日). 2021年3月8日閲覧。
  5. ^ 【DS 3クロスバック 新型】装備、安全面で他車を凌駕、都市生活者も使いやすく”. Response. (2019年7月11日). 2021年3月8日閲覧。
  6. ^ 「DS 3クロスバック」にオフホワイト内装の限定車登場”. webCG (2019年12月10日). 2021年3月8日閲覧。
  7. ^ 「DS 3クロスバック」に最上級のインテリアパッケージ追加設定”. webCG (2020年5月14日). 2021年3月8日閲覧。
  8. ^ 「DS 3クロスバック」のピュアEV「E-TENSE」が日本導入”. webCG (2020年6月24日). 2021年3月8日閲覧。
  9. ^ 100%電気自動車「DS 3クロスバックE-TENSE」が日本上陸”. webCG (2020年7月29日). 2021年3月8日閲覧。
  10. ^ 「DS 3クロスバック」の特別仕様車「パフォーマンスライン」発売”. webCG (2021年1月6日). 2021年3月8日閲覧。
  11. ^ 「DS 3クロスバック」の特別仕様車「ソーシック レザーエディション」発売”. webCG (2021年2月3日). 2021年3月8日閲覧。
  12. ^ エレガントなデザインと最先端のテクノロジーが融合した 新型「DS 3」を発売”. Stellantisジャパン (2023年5月23日). 2023年5月30日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]