カナダスピス

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カナダスピス
生息年代: 525–505 Ma[1]
Canadaspis.jpg
Canadaspis perfecta の復元図
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: †(和訳なし)Hymenocarina[2]
: †カナダスピス科 Canadaspididae
: カナダスピス属 Canadaspis
学名
Canadaspis
Briggs, 1978
  • Canadaspis perfecta
    Briggs, 1978
  • Canadaspis laevigata
    (Hou and Bergström, 1991)

カナダスピスCanadaspis)はカンブリア紀の海に生息したHymenocarina類の節足動物の1属。バージェス動物群[1]澄江生物群から発見されている[3]。前半身はほぼ円筒形の背甲に覆われた動物である。

学名「Canadaspis」は、北アメリカ大陸の国カナダCanada)とギリシャ語において「」を意味する「aspis」に由来する[1]

形態[編集]

Canadaspis perfecta の化石。

頭部の前には眼柄のついた1対の眼と十数節に分かれた触角がある。口は腹側にあって後ろに向いて開いたと考えられる[3]。かつては甲殻類のように更なる1対の触角と大顎をもつと考えられてきた[1]が、そのような構造の存在は後に否定的とされる[3]

頭部の背面から伸びる薄い背甲は胸部の背面に伸びて体の左右を覆っている。胸部腹部は円柱形、あわせて十数節をもつ。腹部の終端は太い尾節があり、その腹側は直前の腹節から生える棘がある。

腹面には頑丈な内肢と扇形の外肢からなる二叉型付属肢が並んでいた。内肢は歩脚型で、基部の内側は発達した突起がある。このような付属肢は10対あり、そのうち最初の1対もしくは2対は頭部のもので、残りは胸部のものであるとされる[1][3]

生態[編集]

カナダスピスは海底から有機物を摂るゆるやかな底生性動物であると考えられる[3]。体の大部分を覆った左右二枚の背甲は、外敵から身を守る機能を持つ可能性が挙げられる[1]

系統関係[編集]

カナダスピス(Canadaspis perfecta、赤色)とワプティアWaptia fieldensis、オレンジ色)

カナダスピスの様に二枚貝様の背甲をもつ節足動物は、オダライアワプティアブランキオカリスなどが挙げられており、Hymenocarina類として分類される[2]

カナダスピスの L. perfecta は10対の同形の二叉型付属肢があるが、最初の2対は頭部のもので、残り8対は胸部のものとされる。この事は、頭部の顎の分化がほとんど起きていないこと、この動物の原始性をしめすものと考えられる。8節の胸部と7節以下の腹部は軟甲類の特徴であるため、大顎と2対の触角をもつという解釈に加えて、1978年にブリッグスは、この動物を初期の甲殻類、特に軟甲類に属するものと考えた[1]

しかし、このような見解は後に否定的とされる[1]。例えば触角として認められる構造は1対しかなく、この単枝型の触角を第2触角と解釈するのは甲殻類としてあまりにも異質であり、大顎とされる部位も誤認であると指摘される[3]。加えて、同属の L. laevigata は10節の腹部をもち、カナダスピスの軟甲類的形質を直接に否定している[3]。90年代後期の見解をはじめとして、カナダスピスを他のHymenocarina類と共に、基盤的な真節足動物[4]もしくは基盤的な大顎類[2]と考えるのが主流となった。

下位分類[編集]

カナダスピス属には、バージェス動物群C. perfectaタイプ種)と、澄江動物群C. laevigata という2種が知られる。

バージェス動物群に属する。腹部は7節をもつ[1]

  • Canadaspis laevigata (Hou & Bergstrom, 1991)(=Perspicaris? laevigata Hou & Bergstrom, 1991[3]

澄江動物群に属する、腹部は10節をもつ。C. perfecta に比べると背甲はより小さく、尾節の棘は少ない[3]

参考文献[編集]

  • 福田芳生、『古生態図集・海の無脊椎動物』、(1996)、川島書店
  • スティーヴン・ジェイ・グールド 『ワンダフル・ライフ - バージェス頁岩と生物進化の物語』 渡辺政隆訳、早川書房〈ハヤカワ文庫〉、2000年、ISBN 4-15-050236-6

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j Canadaspis - Fossil Gallery - The Burgess Shale
  2. ^ a b c Aria, Cédric; Caron, Jean-Bernard (26 April 2017). “Burgess Shale fossils illustrate the origin of the mandibulate body plan”. Nature 545 (7652). doi:10.1038/nature22080. 
  3. ^ a b c d e f g h i Hou, Xianguang. (1997). Arthropods of the Lower Cambrian Chengjiang fauna, southwest China. Bergström, Jan, 1938-. Oslo: Scandinavian University Press. ISBN 82-00-37693-1. OCLC 38305908. https://foreninger.uio.no/ngf/FOS/pdfs/F&S_45.pdf 
  4. ^ Ortega-Hernández, Javier; Janssen, Ralf; Budd, Graham E. (2017-05-01). “Origin and evolution of the panarthropod head – A palaeobiological and developmental perspective” (英語). Arthropod Structure & Development 46 (3): 354–379. doi:10.1016/j.asd.2016.10.011. ISSN 1467-8039. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1467803916301669. 

関連項目[編集]