まんがタイムジャンボ

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まんがタイムジャンボ
ジャンル 4コマ漫画雑誌
読者対象 20 - 30代の男性中心
刊行頻度 月刊
発売国 日本
出版社 芳文社
刊行期間 1995年 - 2018年
レーベル まんがタイムコミックス
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まんがタイムジャンボ』は、かつて芳文社から発行されていた4コマ誌(4コマ漫画専門雑誌)である。青年向けと萌え系4コマ誌の折衷タイプに分類される。創刊号は1995年5月号(1995年4月12日発売)だが、これ以前にも1990年代初頭から『まんがタイム増刊』として発行されていた(詳細不明)。2005年4月号までは原則として毎月12日に発売され、いったん、2005年5月号から原則毎月4日に発売日が変更されていたが、2011年8月号からは再び原則として毎月12日に発売されている(ただし、地域によっては発売日が異なることがある)。B5版、無線綴じであったが、2006年9月号より中綴じになる。

2018年3月12日発売の266号(2018年4月号)をもって休刊した[1]

特徴・内容の傾向[編集]

それまで中高年、ファミリー層が中心であった4コマ漫画読者層の新規開拓を図り、若い世代の取り込みを狙った新しい4コマ誌として創刊された。おもな作家陣もターゲットとなる読者の年齢層に合わせて新人・若手を中心とした作家陣で構成されているため、他の系列誌と比べて4コマ漫画業界のトレンドが誌面に強く現れやすいという特徴がある。1990年代後半から2000年代前半においては女性作家のデビューや少女漫画から転向した作家が多い時期であったため、女性向け4コマ誌の色合いが強い誌面であった。その後、2000年代中盤から後半にかけて4コマ漫画業界の流行が次第に萌え系に流れていったことから、2000年代後期以降は萌え4コマが誌面の多くを占める状況となっている。

1998年2月号から2000年10月号まで「新人4コマ鑑定団」を行っていた。これは毎月2 - 3名の新人作家の作品を載せ、アンケートハガキでの読者選考の勝者に短期連載権を与えるというものである。本企画を経た作家には、関根亮子ぽわそん・だぶりる大乃元初奈鈴木ぺんた師走冬子弓長九天ナントカ井上トモコ渡辺志保梨いでえいじ海藍栗川明子などがいる。その後も「新人王キャラバン」や「新・4コマ鑑定団」とシステムなどを変更しながら、現在は読者がNo.1を選ぶことから「読選グランプリ」(通称:D1グランプリ)の名称で、2005年11月号より継続されている。

2003年12月号においては、“リニューアル”と称して連載作品の大幅な入れ替え(廃刊となった『まんがタイムポップ』からの転籍を含む)が行われた。これを転機として連載作品の入れ替えの頻度が増し、新作が比較的連載化しやすくなった反面、既存作品の“生き残り”が厳しくなる傾向にある。前述の通り近年では大半の新人・若手作家の作風が『まんがタイムきらら』系に掲載されている作品と同様のものとなっており、その結果萌え系4コマ誌化がさらに進行しているなど『きらら』系との区別が曖昧化している傾向にあるが、『きらら』系よりやや高い年齢層の読者をターゲットとしているため、学園ものだけでなくおもな登場人物が社会人である作品も比較的多いといったところに相違点が見られる。

また『きらら』系が創刊当初こそファミリー向け4コマの要素をベースとしていたものの、発行が進むにつれてファミリー4コマの要素は姿を消して行き、コア層読者ライトノベルに馴染みのある低年齢読者向けの4コマ誌へと変化を遂げて行った[2]ことから、現在では創刊当初の『きらら』系のおもな購読者であった30代前後の男性読者層をターゲットとしたポジションを『ジャンボ』などが穴を埋める形で受け持っている。読者プレゼントの賞品は同誌のオリジナルキャラクターグッズや、作家のサイン入り単行本などの比率が高くなっている。

休刊時に連載されていたおもな作品[編集]

(連載期間の長い順)

  • おねがい朝倉さん大乃元初奈、1999年12月号 - 2018年4月号)(※1999年9月号『新人4コマ鑑定団』掲載作)※まんがタイムに移籍[3]
  • レーカン!瀬田ヒナコ、2010年3月号 - 2018年4月号)※まんがタイムに移籍[3]
  • けいさつのおにーさんからけみ、2014年10月号(10月号はゲスト掲載) - 2018年4月号)※まんがホームでの連載は継続。[3]
  • おやすみモーニング井上トモコ、2015年7月号 - 2018年4月号、ゲスト連載)
  • おにいちゃんと呼ばないで(桐原小鳥、2017年7月号(2017年4月号はゲスト連載) - 2018年4月号)※まんがタイムスペシャルに移籍[3]
  • 人気マンガ家になるための15の法則(津々巳あや、2017年8月号 - 2018年4月号)※コミックウォーカーに移籍連載[4]
  • もんもん(熊野みみ)
  • 江戸の蔦屋さん(桐丸ゆい)※最終回二本立て、2018年5月号のまんがタイムにゲスト掲載
  • 大漁ガールズ(神堂あらし、2016年3月号 - )
  • 銭湯の女神さま(えのきづ)※まんがタイムに移籍[3]
  • 偏食女子は恋でおなかを満たしたい(野澤ゆき子)※まんがタイムスペシャルに移籍した後、完結。
  • 中の人に恋をしました。(鈴音ことら)
  • 雀娘。(みさき樹里
  • 花と蝶子の戦国めし(火ノ鹿たもん)
  • はるとごーすと(和乃なつめ)
  • あの日の海と16歳の夏休み(川泉ポメ)※まんがタイムスペシャルに移籍した後、完結[3]
  • モンスターだってうまい飯がたべたい!(ぼく)※まんがタイムに移籍[3]
  • みんなで給食!(はらだなおみ)
  • 姫神様は半人前(間口まき)
  • おひとり女子高生が憑依されました(トイシキ
  • 乙女たちの花筋(都築真澄)
  • 苦い珈琲はお好きですか?(オオトリキノト)

長期休載中の主な作品[編集]

過去に連載されていたおもな作品[編集]

連載開始号の古い順。※ゲスト扱いであっても、複数号にわたって掲載されたものはここに含む。

初掲載年不明・あ行[編集]

  • あさかぜ君(田中しょう、 xxxx年x月号 - xxxx年x月号)(※多数誌に並行連載)
  • あにゃんがポン(かわばたひろみ、xxxx年x月号 - 2000年x月号)(※『まんがタイムオリジナル』にて並行連載)
  • おじ虫さん(吉本どんど、xxxx年x月号 - 1998年x月号)
  • おちゃらけカップル(高野アンジェリカ、xxxx年x月号 - 2000年x月号)
  • おてんばチカちゃん(かわだかずこ、xxxx年x月号 - 1999年x月号)
  • おヨメちゃん→おヨメちゃんのなんでも入門(田代しんたろう、xxxx年x月号 - 2000年x月号)

初掲載年不明・か行[編集]

  • 家族な人びと(大西哲也、xxxx年x月号 - 1997年x月号)(※『まんがタイムファミリー』『まんがタイムオリジナル』にて並行連載)
  • かつあげ君(平ひさし、xxxx年x月号 - 1997年x月号)(※『まんがタイム』『まんがタイムオリジナル』にて並行連載)
  • キリキリマイコちゃん(さいわい徹、xxxx年x月号 - 1997年x月号)
  • 子どもの世界(さのまこと、xxxx年x月号 - 1997年x月号)

初掲載年不明・さ行[編集]

  • さよちゃんシリーズ(窪田まり子、xxxx年x月号 - 2003年4月号)(※多数誌に並行連載)
  • 素顔のままで(めで鯛、xxxx年x月号 - xxxx年x月号)
  • すかたん課長(原口かずや、xxxx年x月号 - 2000年x月号)
  • すずめちゃん(かまちよしろう、xxxx年x月号 - 2000年x月号)

初掲載年不明・た行[編集]

  • ツボミちゃん(若山拳、xxxx年x月号 - 1999年x月号)
  • どすこいまるみさん(沖田まこ、xxxx年x月号 - 1999年x月号)
  • とりたてのきのこちゃん(森みちこ、xxxx年x月号 - 1997年x月号)
  • とんち君(松田まさお、xxxx年x月号 - xxxx年x月号)

初掲載年不明・は-ま行[編集]

  • ぱたぱたママ(あづま峯子、xxxx年x月号 - 1998年x月号)
  • 初恋メモリー(赤座ひではる、xxxx年x月号 - 1998年x月号)
  • はるかちゃんハイ!(田村真、xxxx年x月号 - 1997年x月号)
  • ひなたちゃん(えびすまるほ、xxxx年x月号 - 1997年x月号)
  • 真由ちゃんの成長日記(北風智子、xxxx年x月号 - 1997年x月号)
  • ママおなかすいた!!(やまだ三平、xxxx年x月号 - 1998年x月号)
  • 私はまりん(しばたひさこ、xxxx年x月号 - 1997年x月号)

1990年代初掲載[編集]

  • エン女医あきら先生水城まさひと、1995年1月号 - 2008年3月号)(※2008年4月号 - 2008年11月号に「エン女医あきら先生フォーエバー」として一部再掲)
  • はるなちゃん参上!秋吉由美子、1995年1月号 - 2001年6月号)(※『まんがタイム』『まんがタイムファミリー』にて並行連載)
  • ぼくんちのアイドルひろみちゃん(なりゆきわかこ、1995年5月号 - 2003年11月号)(※多数誌に並行連載)
  • しあわせてんこもり(いわみせいじ、1996年x月号 - 1998年x月号)
  • 達観さん(堀田かつひこ、1996年x月号 - 2000年x月号)
  • デンジャラスな彼女(おーはしるい、1996年x月号 - 1997年x月号)
  • ミス&ミセス(南ひろこ、1996年x月号 - 1998年x月号)
  • おーえる物語(北風智子、1997年x月号 - 1999年x月号)
  • おねいちゃんと一緒♥(新田にに子、1997年x月号 - xxxx年x月号)(※「天使くんスピンオフ作品)
  • 今日もいい天気!(田村真→田村まこと、1997年x月号 - 2001年x月号)
  • TSUBOMI〜つぼみ(森村あおい、1997年x月号 - 1999年x月号)
  • ハイテンションプリーズ(野中のばら、1997年x月号 - 2000年x月号)
  • ハッピーママ(東城はるか、1997年x月号 - 1999年x月号)
  • 東の国から西の国から(てらかわよしこ、1997年x月号 - 2000年x月号)
  • まっちゅとタッグ(えびすまるほ、1997年x月号 - 2001年x月号)
  • まんが歳時記→まんが歳時食記(さのまこと、1997年x月号 - 2001年x月号)
  • みるくの時間(田中みなこ、1997年x月号 - 2000年x月号)
  • 夫婦な生活(萩原みゆき→おーはしるい、1997年8月号 - 2004年7月号)(※ストーリー形式)
  • 愛犬うめのはな(南ひろこ、1998年x月号 - 2001年x月号)
  • TAROくんのこころ(やまだ三平、1998年x月号 - xxxx年x月号)
  • メールお待ちしていまぁーす!!(中野きゆ美、1998年x月号 - 2000年x月号)
  • ワイルドカルテット(藤島亮、1998年x月号 - 2000年x月号)
  • アシタのアタシ(丹沢恵、1998年7月号 - 2000年x月号)
  • 青島くんが行く!!(あらい太朗、1999年x月号 - xxxx年x月号)
  • こっこさんこうの史代、1999年6月号 - 2001年1月号)
  • 宅配便で〜す!(ふぢたしょうこ、1999年x月号 - 2003年11月号)
  • でんせつのこだまさん(ぽわそん・だぶりる、1999年x月号 - 2001年x月号)
  • 三浦家の日常(大沢たけし、1999年x月号 - 2004年3月号)
  • ソーセージ☆ま〜ち(関根亮子、1999年3月号 - 2004年1月号)
  • ただいま勤務中辻灯子、1999年6月号 - 2003年10月号)

2000年代前半初掲載[編集]

2000年代後半初掲載[編集]

2010年代前半初掲載[編集]

2010年代後半初掲載[編集]

  • 寄席ばいいのに(一色美穂、2016年2月号 - 2017年3月号)(※2017年1月号以降、「ギャルが落語家に恋したら」に改題[5]

表紙の変遷[編集]

4コマ誌においては、他のジャンルの漫画雑誌と異なり、表紙イラストが1名の作家によって複数月連続して担当される、という特徴があった。現在では単行本発売や新規連載開始、ゲストを中心に他の作家のイラストも掲載されているが、中心は1名の作家のイラストであることが多い(本誌も同様)。ここでは、本誌の表紙イラストを担当していた作家・作品と、その担当していた期間を記す。

  1. 田中しょう(あさかぜ君)(xxxx年x月号 - xxxx年x月号)
  2. 丹沢恵(アシタのアタシ )(xxxx年x月号 - xxxx年x月号)
  3. 水城まさひと(エン女医あきら先生)(xxxx年x月号 - xxxx年x月号)
  4. 秋吉由美子(はるなちゃん参上!→うちの母親待ったなし!)(xxxx年x月号 - 2003年3月号)
  5. 大乃元初奈(おねがい朝倉さん)(2003年4月号 - 2003年9月号)
  6. 師走冬子(あおいちゃんとヤマトくん)(2003年10月号 - 2003年11月号)
  7. 大乃元初奈(おねがい朝倉さん)(2003年12月号 - 2009年12月号)
  8. 重野なおき(じょしもん)(2010年1月号 - 2011年7月号、9月号 - 2012年1月号、3月号 - 4月号、6月号 - 8月号)(※2011年4月号は瀬田ヒナコ(レーカン!)との合同表紙)
  9. 瀬田ヒナコ(レーカン!)(2011年4月号(重野なおき(じょしもん)との合同表紙)、2011年8月号、2012年2月号、9月号 - 現在)(※2015年11月号はからけみ(けいさつのおにーさん)との合同表紙)
  10. うず(炊飯器少女コメコ)(2012年5月号)
  11. からけみ(けいさつのおにーさん)(2015年11月号)(※瀬田ヒナコ(レーカン!)との合同表紙)

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]