おやすみプンプン

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おやすみプンプン
ジャンル 青年漫画
漫画
作者 浅野いにお
出版社 小学館
掲載誌 週刊ヤングサンデー
ビッグコミックスピリッツ
発表号 YS:2007年15号 - 2008年35号
BS:2008年47号 - 2013年49号
発表期間 2007年3月15日 - 2013年11月2日
巻数 全13巻
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

おやすみプンプン』は、浅野いにおによる漫画。2007年から『週刊ヤングサンデー』に、同誌の休刊により、その後2008年から2013年まで『ビッグコミックスピリッツ』に連載された。単行本は全13巻。

概要[編集]

どこにでもあるような街のどこにでもいそうな少年、「プンプン」の人生の波乱を描いた作品。

この作品の大きな特徴に、主人公である「プンプン」やその家族、親戚のみ“落書きのようなヒヨコ”の姿で描かれており、その名前に加え、周りの人物や情景などの高い描写力からは浮いた存在となっている。加えて、作品内でコラージュ的な表現を用いたり、一部の人物に話の進行とは無関係な奇行を描いたりと、実験的なシュルレアリスム表現がみられる。

作家の伊坂幸太郎が単行本の帯に「前衛でありつつ王道を走り抜ける」と寄稿している。

登場人物[編集]

メインキャラクター[編集]

プン山プンプン→小野寺プンプン
本作の主人公。作品内での言葉は吹き出しではなく独白で語られ、普通の人間だが、作中では自身の一族を含め落書きのようなヒヨコの姿で表現されている。クラスの女子からジョニーズ系と指摘されていたり、南条の描いた似顔絵等により、わずかながら素顔が判明している。小学生の時に両親が離婚し、母方に引き取られたため、姓がプン山から小野寺になる。第一話で引っ越してきた田中に一目惚れし、彼女を運命の相手だと感じるものの、彼女との「一緒に鹿児島に行く」という 約束を破ってしまった事から中学校になってからは微妙な距離ができ疎遠になってしまう。疎遠となってからも依然として彼女の存在は生きる上での最大の指針となっており、完全に離れ離れとなった後も彼女を探し求め続けた。高校を卒業後はフリーターになり、当てもない生活をししつつも、不器用ながら幸との愛を育み、恩人の宍戸、腐れ縁の三村達と束の間の幸せな生活を送る。そんな中、教習所で愛子と偶然再会。大人になり少女の頃とは違って見える彼女に失望感を感じつつも引きずられるようにして行動を共にするようになった。暴力を受ける愛子を庇った際に衝動的に彼女の母親を絞殺(実際は、この時はまだ死亡していなかった)。幼いころの約束を果たすかのように鹿児島への逃避行を開始する。その最中、実は首を絞めた愛子の母は息を吹き返しており、とどめを刺したのは愛子だった事を告白される。
プン山プンプンパパ
プンプンの父。プンプンからするとヒステリーなママとは違う優しいパパであり、プンプンはファザコンである事が伺える。家族のことを思い単身赴任を断った結果、リストラにされ無職に。それ以来夫婦はけんかが絶えない。趣味は野球観戦で、読売ジャイアンツのファン。かつてSF少年だったことから宇宙も好きで、プンプンに宇宙について語るシーンが見られる。リーゼントと口ひげが特徴。酒好きで、アルコールが回ると語気を荒らげる。自暴自棄になりプンプンを殺害しようとしたプンプンママを殴打し負傷させたことが決定打となり、プンプンママと離婚。その後は福島で夜警をしていたが、現在は同地で介護の仕事をしている。
プン山プンプンママ→小野寺プンプンママ
プンプンの母。自己中心的でヒステリックな言動が目立つが、その反面寂しがりで涙もろい性格も垣間見える。いじめに遭った過去があり、それが性格形成に寄与している。パーマと口紅が特徴。自身の自由の妨げになっているという理由で子供であるプンプンを疎ましく思っていたり、愛人を作ったりする等、母親であるという事よりも一介の『女』であるという自覚が強い性格。そのせいでプンプンとは互いに冷めた親子関係であったが、実は離婚後は、離れて暮らすパパのフリをしてプンプンに向けて手紙を足しげく送っていたり、死の間際に彼に愛を伝えるなど、完全に愛情がなかった訳ではない事が伺える。劇中、プンプンパパによるDV、肺気胸と二度に渡り入院。癌の告知を期に今度こそいい母親になろうと決心するも病には勝てず、結果的にプンプンと和解できないままこの世を去る事になった。
小野寺雄一
プンプンの叔父で、プンプンママの弟。美大の大学院卒業後、みつぞの陶芸教室にて講師として勤める。元は大船に住んでいたが、プン山家でも事件以来プンプンと暮らすようになる。自分自身を軽蔑視する事が多く、人間不信であるが、その理由は自身の暗い過去が関係している。偶然訪れた喫茶店で翠と出会い、恋愛の末に彼女にトラウマを振り払ってもらった事で後に結婚する。その二年後に不倫を働き、罪悪感から自殺を図るも未遂に終わる。独特の人生観を持っており、プンプンに話し聞かせるシーンが度々見られた。翠をかけがえのない存在だと自覚しつつも衝動的に不倫をしたり度々自殺しようとするなど弱い人間であるが、自身と似た所のあるプンプンに対しては翠との情事を知りながらもそれを許し、それでも彼を愛するなど、理解者であり続けた。
田中愛子
第一話でプンプンのクラスに練馬区から転校して来た少女。プンプンの一目惚れの相手。彼女もプンプンに好意を抱いていたが、すれ違いが重なってそれを伝えられずに疎遠となったまま卒業。中学生編では1学年上の矢口と交際していたが、程なく別れる。高校を卒業してからは、一時期小さな芸能事務所に所属したり、家族の伝で工場でアルバイトをしたりして細々と生活していた。幼少期に両親が離婚したため父親はいない。母親は宗教法人コスモさん健康センターの信者で足が不自由なため、彼女を肉体的・精神的な暴力で束縛しながら身の回りのことをさせていた。プンプン(実際は愛子自身)が母を殺害した後、彼と行動を共にする。
大隈翠→小野寺翠
小学生編では第二病院の看護師として登場。プンプンママが入院していた際に、奔放な彼女にも優しく接していたので非常に気に入られていた。中学編では近所の喫茶店でアルバイトをしていたときに雄一と出会い、そのまま交際し、精神的に不安定なところのある彼を懸命に支え後に結婚する。アルバイトをしていた喫茶店を譲り受け、雄一と経営することになる。雄一が不倫を働き失踪した折、寂しさから一度だけプンプンと関係を持ち、プンプンの初体験の相手になった。結婚前にその件を無かった事にするように遠回しに迫るなど大人の女性らしい強かさを見せるも、その後もプンプンを必要以上に気にかける様子も見せ、彼を困惑させる。
南条幸
蟹江美雪の友人で、漫画家志望。早稲田大学中退。高校生編でプンプンが蟹江美雪の妹である梓との初デートでOG展を訪れた際に彼と出会う。出典していた作品の感想ノートにプンプンが書いた文章からプンプンの才能を見出し、2年後に偶然再開した際に漫画の原作執筆を依頼する。
スレンダーでクールビューティーな容姿をしているが、外国人の母を持つハーフで幼い頃から容姿にコンプレックスを持っていた為、過激なダイエットと整形手術で今の容姿になったと告白している。実は前述の肝試しエピソード時にも登場おり、その際の彼女は後の姿とに似つかない 厚ぼったい一重まぶたに下膨れで小太りという姿である。
過去に大学時代の同級生と結婚していたが現在は離婚している。コンプレックスの裏返しからくる高いプライドから自分勝手に振る舞う所があり、言動に刺々しさがある事からプンプンと度々衝突するも不器用ながら愛を育んでいき最後まで彼の理解者であり続けた、
神様
プンプンが「神様神様チンクルホイ」と唱えると現れる謎の存在。なお、中学に入った頃からは唱えなくても現れる。高校生以降はあまり登場しなくなる。

サブキャラクター[編集]

太田ミヨ
小学校編に登場する女生徒で、プンプンの片思いの相手だったが、田中愛子の登場ですっかり忘れ去られる。彼女が転校するシーンから本作が始まる。
晴見俊太郎
プンプンのクラスメイトでメガネをかけているのが特徴。通称ハルミン。エキセントリックな言動の人物が多い本作では逆に異色を放つ至って普通な趣向・性格の持ち主。夏休み明けに隣町に転校していく。高校生編に再登場し、入院中のプンプンママと、彼女がプンプンの母親であるということを知らないまま親しくなる。初めて彼女が出来るが、自転車の2人乗りで事故を起こし、彼女の顔に傷を作ってしまい、そのことを気にしていた。その後小学校教諭になっており、同僚の女性教諭と結婚直前のある日、新宿で偶然プンプンと再会を果たしプンプンから君が転校してしまった時、すごく寂しかったと告白されるが、プンプンの名前を忘れてしまっていた。
清水
プンプンの小学高のクラスメイトで卒業後も変わらずいつも鼻水を垂らしている。本人にはうんこ神という、空想ともとれる存在が見える。おっとりして、抜けている性格。外出する際はいつも母親と会話するのが日課となっているが、会話しているはずの母は数年前に死亡している。学校生活が上手くいっていないようであり唯一の友人である関と常に一緒いるが、星川に出会った事で自立心が芽生え彼と疎遠になる。後に正式にペガサス合奏団に入団し、「チューペット」という騎士名を付けられる。
小松
プンプンのクラスメイト。小学生編ではのほほんとしたどちらかというと目立たない存在だったが、中学生編になるとプンプンを誘いバドミントン部に入部。初心者であったが急激に実力を付け、怪我で本調子ではないとはいえ部のエースである矢口を対戦成績で凌駕するまでになり、一年生ながらシングルスのメンバーに選ばれた。地区大会の決勝戦で矢口と対戦する。高い実力故に勝負に関して独自の哲学を持つに至っており、少年時代からはとても想像できない他を寄せ付けない雰囲気を醸しだしていた。
関真澄
プンプンのクラスメイト。家は弁当屋で、父は得意先の味噌工場の女社長と関係を持っていた。複雑な家庭環境に育ったためか、不良風の外見に似合わずナイーブな所がある。小学生編で既に煙草を吸う描写がある。中学校を卒業してからは定職に就かず、交際相手の父が経営する廃品回収業のアルバイトをしながら生活している。清水とは幼稚園からの知り合いで、清水の母が死亡して以来、彼と行動を共にしている。自身に依存気味な清水を疎ましく思うこともあったが、物語の終盤に彼が自分にとってもかけがえのない存在だった事に気付く。
森先生
プンプンのクラスの担任。一見爽やかな好青年だが奇行が目立つ。
湯上
雄一の唯一と言ってもよい友人で、翠が務める喫茶店の常連。ほとんどの台詞は「ウィッ!」という奇声だが不思議と雄一とは意思疎通がとれている。弁護士をしており、不倫を働き慰謝料を請求されていた雄一の相談を受けることになり、短期間ながら雄一と共に行動していた。翠に好意を寄せており、それについて雄一と話すシーンで、唯一「ウィッ!」以外の台詞を発する。
志村卓巳
役者。
コスモさん
宗教のキャラクター。手足はなく、巨大な唇が特徴的。
うんこ神
清水には見える神。
清本さん
霊媒師。
沼田裕美
プンプンのクラスメイト。杉並区から引っ越してくる。のちにペガサス合奏団の一員となり星川に「まんこ姫」というコードネームを与えられる。
矢口先輩
バドミントン部の1年先輩で小松が頭角を現すまでは部の絶対的なエースだった。プンプンと小学生編以来の再開となった田中愛子と恋人として登場し、当社はプンプンから一方的な逆恨みを受けるも、本人は後輩達のために顧問や先輩方と衝突したり、補欠に過ぎないプンプンを気に掛けるなど、逆恨みしていたプンプンが逆に好意を持ってしまうほどの好青年である。恋人であるにも関わらず中々心を開いてくれない田中愛子の思い人は実はプンプンなのでは?と推測し、負けた方が彼女から手を引くという内容の賭けを持ちかける。
蟹江梓
高校生編に登場。プンプンのクラスメイト。人付き合いが苦手で同じ境遇のプンプンと意気投合。デートをするが、思春期特有のすれ違いにより恋人関係にはならなかった。
蟹江美雪
蟹江梓の姉で南条幸の友人。妹とは似つかぬふくよかな体型が特徴。
三村雪之進
高校生編に登場。プンプンのクラスメイト。極めてチャラい性格でプンプンとは対極の性格だが大学進学後も友人としての付き合いを続けている。プンプンの事は「オノッティー」と呼んでいる。後にゲス美と結婚。趣味は筋トレ。
蛇塚ゲス美
社会人編に登場。三村の彼女。三村の通う大学の生協で働いている。ヘアスタイルはツインテール。
宍戸平六
不動産屋。高校生編で関と清水に自らが所有する物件の掃除を依頼した際に初登場。その後、社会人編でプンプンにアパート(前居住者が部屋で死亡した訳あり物件)を格安で提供する。極度のお人好しで、プンプンの資格取得を斡旋するなど世話を焼いていた。しかし、お人好しが災いして万引きの冤罪をかけられ、取り押さえられた際に脊髄を損傷し、半身不随の身となってしまう。
星川俊樹(ペガサス)
ペガサス合奏団のリーダー。やがて来る滅びを回避するために人知れず戦っている。プンプンを巡るメインストーリーには殆ど絡まないが、度々登場し、奇天烈な行動を繰り返す。父はコスモさん健康センターの創設者。

書籍情報[編集]

外部リンク[編集]