いっき

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いっき
ジャンル アクションゲーム
対応機種 アーケード [AC]
ファミリーコンピュータ [FC]
iアプリ(i)
開発元 [AC・FC] トーセ
(i) スペースアウト
発売元 [AC] ナムコ
[FC](i) サンソフト
人数 1~2人
メディア [FC]192Kbitカセット
発売日 [AC] 1985年
[FC] 1985年11月27日
[Wii] 2007年1月16日
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いっき』は、サンソフト(サン電子)から1985年にリリースされたアーケードゲームである。一般に、同年11月28日に発売されたファミリーコンピュータ向けの移植版の方が知名度が高い。ジャンルは多方向スクロールのアクションゲームとされることが多いが、内容的にはシューティングゲームの要素を多く含むゲームである。

2001年6月29日発売のWindows用ソフト『Ultra2000 サンソフトクラシックゲームズ2』(メディアカイトより発売。「東海道五十三次」とのカップリング)や、その廉価版である『遊遊 サンソフト傑作選2』(2004年7月2日発売)にも収録されているほか、2001年10月4日発売のプレイステーション用ソフト『メモリアル☆シリーズ サンソフト Vol.1』(「スーパーアラビアン」とのカップリング)に収録されている。

2003年9月19日からはiアプリでも配信されている。また、2006年7月よりリニューアル版『いっき萌バイル』S!アプリ及びEZアプリで配信されている。

2007年1月16日からはファミコン版がWiiバーチャルコンソールでも配信開始された(要Wiiポイント500)。

音楽は小井洋明が手がけている。

概説

生活苦にあえぐ農民たちが蜂起するという設定は百姓一揆を元にしている。しかし、操作するキャラクターは農民の「ごんべ(権べ)」一人のみで、「一人でも一揆ができる」「一揆であるのに、何故か敵が忍者である」ことに当時の小中学生たちは少なからず驚いた(なお、二人協力プレイも可能である。プレイヤー2は「たご(田吾)」)。 当時としては珍しく縦書きの日本語を多用したメッセージ表示が特徴で、プレイデモやオープニングデモ、ステージの合間など色々な場面で表示される日本語メッセージは独特の雰囲気を醸し出していた。登場人物の台詞の内容は時代劇の内容を誇張したようなギャグテイストになっている。

ゲームシステム

8方向レバーでプレイヤーの移動を行い、1個のボタンで攻撃を行う。プレイヤーが使用する武器はであり、ボタンを押すことでキャラクターが鎌を投げる。投げる方向はプレイヤーには決定できず、一番近い敵キャラクターに向かって鎌を投げる。倒したい敵を思うように倒せないという武器の特性から、自然と避けを重視した遊び方がとられるようになった。ゲームにおける自動照準タイプの飛び道具の先駆けとなった。鎌の飛ぶ方向が定まっていないように見えたため、これがバグなのか狙って製作されたのかと話題になった。

画面右側は得点表示とマップ表示のためのスペースがある。マップには小判の位置が表示される。しかし本当に位置だけを表示したものなので、実際のマップ上では壁などに遮られ、遠回りしないと小判を取れないことがある。ファミコン版ではマップ表示は無い。

敵キャラクターは黒装束の忍者、赤装束の忍者、爆弾忍者、いのししなどが出現する。赤装束の忍者は黒装束の忍者よりも素早く移動するため倒しにくいが、倒すと倍の得点が手に入る。ファミコン版ではいくつかの敵キャラクターは登場しない。

忍者の体当り、あるいは忍者や鉄砲隊の飛び道具に接触するとミスとなり残り人数が減る。残り0の状態でミスするとゲームオーバーになる。

たまに幽霊(妖怪)が出現し、憑依されるとしばらく移動はできるが鎌を投げられない状態になる。この状態で地蔵もしくは狛犬に触れると即座に祓うことが出来る。また、これと同様に、たらこ唇が特徴の腰元が出現し、抱き付かれるとしばらく鎌は投げられるが移動できない状態になる。忍者の手裏剣や体当たりを避けられなくなるので、幽霊よりも厄介な存在である(iアプリ版では出現しない)。

マップに落ちている小判8枚を全て拾うかランダムで出現する代官を捕まえればステージクリア。全8面構成。ファミコン版では4つのマップと小判の配置が異なる裏マップを合わせた合計8ステージ構成。8ステージをクリアすると、また最初のマップに戻る。iアプリ版では表・裏の各2回=16ステージをクリアするとゲーム終了。

なお、ファミコン版でハイスコアを狙うならば、ステージクリアを狙わずとも延々と忍者を倒し続けるだけでよい。

アイテム

ファミコン版のアイテムは以下の通り。

竹槍
  • 一定時間、自動で連続で竹槍を突き出す攻撃ができるようになる。だが、前方の近接した敵にしか当てられず、飛び道具を使う忍者に対しては危険なため、プレイヤーの間ではとってはいけない武器として認識されている。ただし、得られる得点は上がる。
大根
  • 移動スピードがアップする
葉っぱ
  • 分身して無敵になるが攻撃力は二倍にならない
巻物
  • プレイヤーが1UPする。
  • ステージクリア後にボーナスステージに行ける

ボーナスステージ

おにぎりを取得しているとステージクリア後にボーナスステージに進める。ファミコン版では地蔵が持っている煙を取るとステージクリアのあとボーナスステージに進める。

仙人おにぎりを計10個投げ、それをプレーヤーがキャッチすると得点が入る。おにぎりが投げられる距離はランダムである。全てキャッチできればボーナスとして残り人数が1人増える。プレーヤーの移動速度の関係で全てのおにぎりをキャッチできることは少ない。仙人の近く(画面左側)に投げられた直後、遠く(画面右側)に投げられたりすると、どちらかをあきらめねばならない。確実にボーナスを狙うには、2人同時プレイを行い、遠・近位置で分担する必要がある。

なお、iアプリ版では画面そのものが狭いため、1人でキャッチ不可能となることはなくなった。ただし、ファミコン版と比較しおにぎりの落下速度が速くなっている。

この「おにぎり投げ」のボーナスステージは本作以後サンソフト作品の名物となり、「デッドゾーン」(1986年)や「水戸黄門」(1987年)にも登場する。

裏技・ネタ

「クソゲー」の語源
  • みうらじゅんがこのゲームのファミコン版をやって「クソゲー」という言葉を作ったとされる有名なソフトだが、当時としては比較的売り上げも好調だった(ミリオンセラーと誤解されがちだが、100万本以上は生産されていないものの、サン電子の作品で一番売れた作品であるのは間違いない)。
マイナスアイテム
  • 千両箱(ファミコン版には登場せず)を取得するとプレイヤーが大笑いのアクションをするのだが、その間は移動ができなくなるので忍者の手裏剣にやられる事が多い。
  • 竹槍を取得すると、一定時間、武器が竹槍になるが、鎌が投げられなくなる上に、プレーヤーキャラの直上にいる敵にしか攻撃できなくなるという不利益が発生する為「取ってはいけないアイテム(マイナスアイテム)」の先駆として広く認知される事となる。なお、このアイテムを持っている状態では通常時よりも移動速度が上がるとともに、敵を倒すと高得点を得ることが出来る。不利益を得点によって帳消しにしているので、不利益性は意図されたものであったことが分かる。テレビゲーム史上最初のマイナスアイテムが、(ゲーム設計がいい加減であったなどのためではなく、しっかりと)意図されたものとして生まれたという点は歴史的に興味深い。
その他
  • ファミコン版の発売当時はクソゲー扱いされていた本作であるが、ここ近年のレトロゲーブームの影響で当時のユーザーから再評価の兆しが見えつつもある。しかし、アーケード版からのファンの間では移植の際に改変された部分(OPの削除、ステージの半減等)も多かった為、賛否両論真っ二つの評価となっている。
  • ファミコン版では主人公がやられたときの効果音が4秒近くある一方で、ゲームオーバーの音楽は3分の1秒のA2音が鳴るだけである。この不可避のチープさに、ファミコン初期ならではの哀愁を感じずにはいられない。
  • ファミコン版では全4ステージで構成され、ステージ5はステージ1と同じ背景である。その後もループが続き、少しずつ難易度が上がっていく。すなわちエンディングは存在しない。ちなみにステージ99をクリアすると、ステージ00(背景はステージ4のそれと同じもの)が始まり、そのステージをクリアするとステージ01に戻る。
  • 2006年12月末、ファミコン版がWiiのバーチャルコンソールで配信されることが(前触れもなく)発表されると、一部ネット上で大騒ぎとなった。
  • なお、ファミコン版はスーパーマリオブラザーズのおよそ半分の容量しか使われていない(20キロバイトほど)。
  • 本作の主人公・ごんべはアトランチスの謎(本作と同じサンソフト(サン電子)が発売)に主人公の師匠役として登場する。

注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


  • ファミコン版では一面から八面(ここでの八面は、二周目の四面という意味になる)まではクリアすると各面にシークレットレターが出てきて、全てを繋ぐと「ERAWTFOS」となる。これを説明書に書いてある通り、反対から読むと、「SOFTWARE」(ソフトウェア)という単語になる。
  • このシークレットレターは、ソフト発売時のプレゼントキャンペーン応募時に必要であった。

以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。


いっき萌バイル

いっき萌バイル
ジャンル アクションゲーム
対応機種 S!アプリ(s)
EZアプリ(ez)
発売元 サンソフト
人数 1人
発売日 (s) 2006年7月13日
(ez) 2006年7月20日
テンプレートを表示

『いっき萌バイル』( - もバイル)は、2006年7月よりサン電子が配信しているS!アプリEZアプリ対応のアクションゲーム。ゲーム内容は「いっき」と同じだが、クリア後にミニゲーム集がプレイ可能であったりゲーム中やミニゲームで集めた小判を使って萌え系トレーディングカード収集が可能になっている。

本編は第一幕から第七幕までの全7面で構成。iアプリ版では登場しなかった腰元が復活した他、竹槍に忍者が投げる手裏剣を弾く効果が付加されている。また、これまで倒すことが不可能だった妖怪が倒せるように変更された。

ゲームを進めていくうちに敵のグラフィックを変更(忍者→くノ一、腰元→姫)できるようになる。

ゲーム中で拾った小判はミニゲームの掛金や「とれぇでぃんぐかぁど」の購入に使える(代官を捕まえた場合は小判10枚のボーナス)。

ミニゲーム

1周クリア後に街で以下のミニゲームが遊べるようになる。

  • いっきすろっと(小判1~3枚)
オーソドックスなスロットマシーン。小判は3枚まで投入可能だが、当たりは横一列のみ。
  • 神経衰弱(小判10枚)
お手つきは5回までで、全てめくるかお手つきを使い切るまで進行する。毎回、ランダムで決まるラッキー札を引くとボーナス小判10枚。
  • かえるれぇす(小判1枚~10枚まで)
6匹のカエルのうち、1着を予想する。
  • おにぎりキャッチ!(小判10枚)
ファミコン版のボーナスステージとほぼ同内容だが、物量的に全てのおにぎりを取ることは不可能(画面外へ投げられる場合もある)。神様がおにぎり以外に小判や大判を投げることがあり、小判を中心に集めるとマイナスになりにくい。おにぎりは5個で小判1枚、大判は小判5枚分。

とれぇでぃんぐかぁど

街の「とれぇでぃんぐかぁど屋」で売っている。1袋につきかぁど3枚がランダムで入っており、1シリーズにつき3人のイラストがそれぞれ16枚1組で完成するが、ダブリが出る場合もある。イラストが完成するごとに様々な特典があるが、48枚をコンプリートするたびに本編の難易度が上昇する。第2弾までコンプリートするとタイトルから特設サイトに行けるようになり、簡単なアンケート後壁紙をダウンロードできる。

第1弾(1袋小判10枚)
  • 町娘・こまち
  • 巫女・みずき
  • くノ一・あかね
第2弾(1袋小判20枚)
  • 町娘・ことね
  • 花魁・おきょう
  • 姫・もみじ

外部リンク