Ƿ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
この項目には、一部のコンピュータや閲覧ソフトで表示できない文字(ルーン文字)が含まれています詳細
Ƿƿ Ƿƿ

Ƿ, ƿ (ウィン, wynn, wen, ƿynn, ƿen) は、ルーン文字の第8字母 (ウンジョー, wunjō)に由来するラテン文字である。古英語で用いられる。音価は有声両唇軟口蓋接近音[w]を表す。

最初期の古英語の文書ではこの音素を表すのに二重音字<uu>が使われていたが、直にルーン文字を借用して、ウィンを使うようになった。これはアングロ・サクソン時代を通して続いた。最終的には中英語期に多く入ってきたフランス語の影響を受けて1300年頃に消失した。それに代わって<uu>が再び使われるようになり、それが近代に<w>へと発展した。

ルーン文字での意味は"幸せ"、"喜び"でアングロ・サクソン期の詩文でも窺える。

Ƿenne bruceþ, ðe can ƿeana lyt
sares and sorge and him sylfa hæf
blæd and blysse and eac byrga geniht.
幸福は楽しむ。誰が痛みを、
悲しみを、不安を知らないのかを。そして自身は
繁栄と至福そして良き十分な家がある。

ウィンは後期ルーン文字では続かなかったが、ゴート文字では使われた。ゴート文字𐍅 wwinjaと呼ばれ、ゲルマン祖語での名称は*wunjô*(喜び)として再建されている。

近代、ウィンは古英語期の文書を印刷するのに使用するため、þのように復活した。しかし20世紀初頭からウィンはPと酷似しているために古英語期の文書でもその地位を<w>にとって代わられた。

ウィンから派生した文字には、古ノルド語[u], [v], [w]を表すのに使われたヴェンド"Vend"(大文字 小文字)がある。

ウィンはルーン文字からラテン文字へ借用された二つの文字のうちの一つ(もう一つはÞ)である。

文字コード[編集]

大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
Ƿ U+01F7 - &#x1F7;
&#503;
ƿ U+01BF - &#x1BF;
&#447;
ウィン
記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
U+16B9 - &#x16B9;
&#5817;
ウンジョー

参照[編集]

  • Freeborn, Dennis (1992). From Old English to Standard English. London: MacMillan.