片山杜秀

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。114.69.137.211 (会話) による 2016年3月1日 (火) 16:08個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎経歴)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

片山 杜秀
人物情報
全名 片山 杜秀
(かたやま もりひで)
生誕 1963年????
日本の旗 日本宮城県仙台市
出身校 慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学
学問
時代 20世紀
21世紀
活動地域 日本の旗 日本
研究分野 政治学政治思想
歴史学
音楽
研究機関 慶應義塾大学
主な受賞歴 吉田秀和賞(2008年)
サントリー学芸賞(2008年)
司馬遼太郎賞(2012年)
テンプレートを表示

片山 杜秀(かたやま もりひで、1963年 - )は、日本政治学者音楽評論家。専門は政治思想史慶應義塾大学法学部教授。かつては本名の片山素秀名義で執筆していた。

経歴

宮城県仙台市生まれ。育ちは東京で、小学校から高校まで暁星小学校中学校・高等学校に通う。慶應義塾大学法学部政治学科卒、同大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。慶應では蔭山宏に師事。ただし大学院修士課程は慶應ではなく、橋川文三を慕って明治大学に行っている。専攻は政治思想史。学部時代は許光俊宮崎哲弥と親しく、共に三田レコード鑑賞会に所属。クラシック音楽の話題に興じ、山本薩夫監督の映画『戦争と人間』ごっこなどをして遊んだという。その後、宮崎とは2000年にクラシック音楽専門誌『グラモフォン・ジャパン』(新潮社)の9月号巻頭で「僕らの時代のフルトヴェングラー」という対談をおこなっている。また、弁論部にも所属した。

大学院時代からライター生活に入り、『週刊SPA!』のライター、産経新聞のクラシック音楽演奏会批評家、月刊誌『レコード芸術』のレギュラー執筆者などを務めた。特に『週刊SPA!』で1994年から2002年まで続いたコラム「ヤブを睨む」は、政治、歴史、右翼ネタ、演劇、映画、音楽、文学、スポーツなど、幅広い内容で、一部でカルト的人気を得た。この400回以上のコラムは2010年に単行本化された。同時期には、ビジネス誌『ベンチャークラブ』に日本近代珍商売紹介、アニメ誌『MEGU』に新作洋画レヴュー、映画誌『プレミア』に「幻の日本映画探検隊」、『CDジャーナル』に「世紀末現代音楽講釈」など、10本以上の連載を抱えた。現在は朝日新聞の文芸時評とクラシック音楽評を担当。また、吉田秀和賞大宅壮一ノンフィクション賞サントリー音楽賞の選考委員を務める。2009年から2010年には読売新聞の読書委員を務めた。

思想史研究者としては、、中今という概念、安岡正篤三井甲之などを取り上げ、原理日本社を再検討する一部学界の動向に影響を与えた。音楽評論家としては、伊福部昭の再評価、大澤壽人の楽譜発掘、ナクソス・レーベル日本作曲家選輯の企画構成などを行い、日本近代音楽史の読み直しをはかっている。またローム・ミュージック・ファンデーションによる戦前・戦中の日本のSPレコード復刻CD化に際して膨大な量の研究解説を執筆している。

2008年慶大法学部政治学科准教授(有期)。2011年に有期から専任となり三田キャンパスから日吉キャンパスに異動。2013年教授。2009年から2011年まで国際日本文化研究センター客員准教授。

2006年京都大学人文科学研究所より「戦前日本の作曲界の研究」で人文科学研究協会賞を授与される。2008年『音盤考現学』『音盤博物誌』で吉田秀和賞およびサントリー学芸賞受賞。2012年『未完のファシズム――「持たざる国」日本の運命』で司馬遼太郎賞受賞。夫人は、声楽家の藍川由美

著書

単著

  • 『近代日本の右翼思想』(講談社選書メチエ、2007年)
  • 『音盤考現学――片山杜秀の本1』(アルテスパブリッシング、2008年)
  • 『音盤博物誌――片山杜秀の本2』(アルテスパブリッシング、2008年)
  • 『クラシック迷宮図書館――片山杜秀の本3』(アルテスパブリッシング、2010年)
  • 『続クラシック迷宮図書館――片山杜秀の本4』(アルテスパブリッシング、2010年)
  • 『ゴジラと日の丸――片山杜秀の「ヤブを睨む」コラム大全』(文藝春秋、2010年)
  • 『未完のファシズム――「持たざる国」日本の運命』(新潮社〈新潮選書〉、2012年)
  • 『片山杜秀の本5 線量計と機関銃──ラジオ・カタヤマ【震災篇】』(アルテスパブリッシング、2012年)
  • 『国の死に方』(新潮社〈新潮新書〉、2012年) 
  • 『片山杜秀の本6 現代音楽と現代政治──ラジオ・カタヤマ【予兆篇】』(アルテスパブリッシング、2013年)
  • 『クラシックの核心』(河出書房新社、2014年)
  • 『片山杜秀の本7 大東亜共栄圏とTPP──ラジオ・カタヤマ【存亡篇】』(アルテスパブリッシング、2015年)
  • 『見果てぬ日本――司馬遼太郎小津安二郎小松左京の挑戦』(新潮社、2015年)

監修

出演

ラジオ番組

外部リンク