ヴィルヘルム・フルトヴェングラー

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ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(エミール・オルリック画、1928年)

ヴィルヘルム・フルトヴェングラーWilhelm Furtwängler, 1886年1月25日ベルリン - 1954年11月30日バーデン・バーデン)はドイツ指揮者作曲活動、ピアノ演奏活動も行った。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団音楽監督。

目次

[編集] 概要

カラヤンの前にベルリン・フィルの音楽監督を務め、20世紀を代表する指揮者とされる。ベートーヴェン、ブラームス、ワーグナー等のドイツ本流を得意とした。「振ると面食らう」と言われるほど指揮は独特のものだったらしい。ロマン派のスタイルを継承した演奏で、ライバルのトスカニーニとは対極をなした。スコアの深読みにかけては今なおその追随を許さず、燃えれば限りなく燃え上がり、落ち込めばどん底まで落ち込む、この落差は曲のフォルムをとらえるというより、人間の情念をえぐりだすものと言われる。現在でも続々と発売されるCDは熱烈なマニアを生み続け、その存在はあたかも教祖のごとく、彼の足音を録音したCDまで出ているほどである。バイロイトでの第九が代表的な名演といわれる。

[編集] 略年譜

[編集] 主な録音

初録音は公式には1926年のベートーヴェンの交響曲第5番とウェーバーの「魔弾の射手」序曲と記録されている。

  • ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」(ベルリン・フィル 1937年スタジオ録音)
  • シューベルト/交響曲第9番「ザ・グレイト」(ベルリン・フィル 1942年演奏会ライヴ録音)
  • ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱付」(ベルリン・フィル 1942年演奏会ライヴ録音)
  • ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」(ウィーン・フィル 1944年放送録音)
  • ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」(ベルリン・フィル 1947年5月25~29日 演奏会ライヴ録音 現存しているのは25日と27日の演奏で、特に27日の録音が有名)
  • ワーグナー/「ニーベルングの指環」全曲(スカラ座 1950年ライヴ録音&ローマRAI放送 1953年放送録音)
  • ベートーベン/交響曲第7番(ウィーン・フィル 1950年スタジオ録音)
  • ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱付」(1951年7月29日 バイロイト音楽祭再開記念演奏会ライヴ録音。英EMIが録音したのと独バイエルン放送協会が録音した2種類存在し、2007年から話題になっている。)
  • ワーグナー/「トリスタンとイゾルデ」(1952年 スタジオ録音)
  • ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」(ウィーン・フィル 1952年11月26、27日スタジオ録音)
  • シューマン交響曲第4番(ベルリン・フィル 1953年5月スタジオ録音)
  • ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」(ウィーン・フィル 1954年2月28日&3月1日 スタジオ録音[1]
  • ワーグナー/「ワルキューレ」全曲(ウィーン・フィル 1954年スタジオ録音)

[編集] 映像

1954年ザルツブルク音楽祭におけるモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」、1942年AEGによる慰問演奏会での『ニュルンベルクのマイスタジンガー』第一幕前奏曲などが存在する。

[編集] 主な初演作品

[編集] 作品

本人は自分のことを作曲家とみなしていた。作曲家としては評価されているとは言い難いが、近年では録音も増えつつある。

[編集] 交響曲

交響曲第1番ロ短調 (1941年)
交響曲第2番ホ短調 (1945~47年)

ベルリンフィルやウィーンフィルなどを振った自作自演の録音が複数存在する。

交響曲第3番嬰ハ短調 (1947年~54年)

[編集] その他の作品

ヴァイオリン・ソナタ(2曲)、ピアノ五重奏曲、テ・デウム、歌曲、ピアノと管弦楽のための交響的協奏曲、2つの幻想曲(ピアノ)

[編集] ピアニスト

エリーザベト・シュヴァルツコップ1953年ザルツブルク音楽祭に於けるヴォルフ没後50年を記念したオール・ヴォルフ・プログラムによるリサイタルを伴奏した録音及び、ウィーン・フィルハーモニーとの演奏会に於けるバッハブランデンブルグ協奏曲第五番の録音が残る。

[編集] 主要な著作

フルトヴェングラーは評論、文筆活動にも積極的で、著作物も多く残している。

  • 音と言葉Ton und Wort
    フルトヴェングラーの主著で、フルトヴェングラーが各方面の雑誌に載せた論文や講演会での講演をまとめたもので、没後の1956年、ドイツのブロックハウス社Brockhaus)から上梓された。主要論文「ヴァーグナー問題~ニーチェ風の随想」をはじめ、現代の音楽、社会に対する鋭い慧眼と哲学的考察を持って書かれた論考32編が収められている。中には有名な「ヒンデミット事件」(Der Fall Hindemith)も含まれている。日本語訳は芦津丈夫訳で白水社から出版されており、1996年には新装版も新たに出版された。
  • 音楽ノート(遺稿集)(Vermächtnis
    フルトヴェングラーの没後に残された最終的な推敲を経ていない論考をまとめた本。最終的な推敲を経ていないとはいえ、ほぼ完全な形でまとまったものがほとんどである。特に、「音と言葉」には見られない指揮者自身の役割、フルトヴェングラーの指揮に対する考え方を率直に示した論考も含まれ、極めて貴重である。同時にフルトヴェングラーが自身のカレンダーに記していた覚書も「カレンダーより」として収められている。フルトヴェングラー没後の1956年にこれもドイツのブロックハウス社から出版された。日本語版も同様に芦津丈夫の訳で白水社から出版されている。また、1996年の新装版では、従来版で割愛されていた青年期の論考1編も新たに収められた。

その他にもヘルマン・アーベントロートとの対談が収められた「音楽を語る」などがある。

[編集] 脚注

  1. ^ 同録音は、東芝が1955年に初めて出したLPレコードとなった(規格番号:HA-1001)。

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

  • サム・H・シラカワ、中矢一義訳・桧山浩介協力「作曲家フルトヴェングラーと現在の評価」『悪魔の楽匠 レコーディングから探る巨匠フルトヴェングラーの実像』レコード芸術1994年12月号、音楽之友社、1994年
先代:
アルトゥール・ニキシュ
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
常任指揮者
1922 - 1954
次代:
ヘルベルト・フォン・カラヤン
先代:
フェリックス・ワインガルトナー
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
首席指揮者
1927 - 1930
次代:
クレメンス・クラウス
先代:
アルトゥール・ニキシュ
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
首席指揮者
1922 - 1928
次代:
ブルーノ・ワルター