大谷羊太郎

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大谷 羊太郎
(おおたに ようたろう)
誕生 大谷 一夫
(1931-02-16) 1931年2月16日(93歳)
日本の旗 大阪府東大阪市
職業 作家ミュージシャン
国籍 日本の旗 日本
活動期間 1968年 -
ジャンル 推理小説
主題 ミステリーサスペンス
代表作殺意の演奏
主な受賞歴 江戸川乱歩賞(1970年)
デビュー作 『殺意の演奏』
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大谷 羊太郎(おおたに ようたろう、1931年2月16日 - )は、日本小説家推理作家。本名、大谷一夫。東大阪市生れ、埼玉県浦和市[1](現:さいたま市浦和区)出身。埼玉県立浦和高等学校卒、慶應義塾大学国文科中退。

大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。後、「秀和プランニング」で克美しげるのマネージャー。1966年、『四つのギター』が第12回江戸川乱歩賞候補(本名で投稿)。1968年、第15回乱歩賞候補の『死を運ぶギター』(『美談の報酬』改題)でデビュー。翌年には『虚妄の残影』で再び乱歩賞候補、その翌年に『殺意の演奏』で第16回乱歩賞を受賞。

芸能界での生活を活かし、芸能界を舞台とした密室もので広く読者を獲得。八木沢警部補という名探偵を創り出した。共同覆面作家・鷹見緋沙子の一員(ほかは草野唯雄天藤真)。代表作に、『真夜中の殺意』『悪人は三度死ぬ』など。

略歴

小説家に憧れていた母親によって、子供のころから新聞小説を読まされていたが、当初は小説家になる気は起きなかったという。大学時代は純文学に傾倒。終戦後、アメリカ音楽に心酔し、スチールギターを弾くようになる。父の破産後はバンドマンとなり、芸能界入り。

だが、「浮草稼業」から脱却するため、江戸川乱歩賞に応募するようになる。三回落選の後、『殺意の演奏』でようやく受賞。社会派ミステリーが全盛で、トリック主体のものが冷遇されていた中で、森村誠一斎藤栄らとともに謎解き中心の作品群を発表した。その後、サスペンスに転じ、現在は旅情ミステリーものを主に書いている。

現在、さいたま文藝家協会賞選考委員を務める。また、さいたま市スポーツ文学賞(旧「浦和スポーツ文学賞」)では1994年の賞創設当時から選考委員を続けている。

著書

  • 殺意の演奏 講談社 1970 のち文庫
  • 虹色の陥穽 講談社 1971 のち文庫
  • 死を運ぶギター 青樹社 1972 「死を奏でるギター」新潮文庫
  • モーニングショー殺人事件 サンケイノベルス 1972
  • 旋律の証言 講談社 1972 のち集英社文庫 
  • 虚妄の残影 毎日新聞社 1972 のち徳間文庫
  • 死の部屋でギターが鳴った 弘済出版社 1973 のち徳間文庫 
  • 殺人変奏曲 光文社 1973 (カッパ・ノベルス) のち文庫 
  • 殺人航路 サンケイノベルス 1973 のち講談社文庫
  • ひかり号で消えた 青樹社 1973
  • スキャンダル殺人事件 桃園書房 1974
  • 殺人予告状 青樹社 1975 のち徳間文庫
  • 御神火殺人事件 ベストブック社 1975
  • 深夜の訪問者 光文社 1975 (カッパ・ノベルス) のち文庫
  • 予告自殺 ベストブック社 1976
  • 華麗なる惨劇 集英社 1977 のち文庫 
  • 花園の捜索者 集英社 1977
  • 盗まれた完全犯罪 講談社 1977 のち文庫
  • 偽装他殺 トクマ・ノベルズ 1978
  • 青春の仮免許 祥伝社 1979 (ノン・ノベル) 「5秒間の空白」
  • 複合誘拐 光文社 1980 (カッパ・ノベルス) のち文庫 
  • 青春の免許証 祥伝社 1980 (ノン・ノベル)
  • コンサート殺人事件 トクマ・ノベルズ 1981
  • 悪の協奏曲 講談社 1981
  • 二千万人が見ていた もう一つの密室殺人事件 祥伝社 1982 (Non novel) 「120秒の死角」
  • 三角形殺人事件 トクマ・ノベルズ 1982
  • ダブル・フェイス 光文社文庫 1984
  • 早坂家の崩壊 講談社ノベルス 1984
  • 偽装スキャンダル カラオケパーティ殺人事件 講談社ノベルス 1985
  • 真夜中の殺意 新潮文庫 1985
  • セクシー・ギャル殺人事件 犯人当てミステリー 山村正夫共著 サンケイノベルス 1985
  • 狙われた夜警たち 桃園文庫 1986
  • 玉虫色の殺意 フタバノベルス 1986 のち文庫 
  • 殺意の集う夜 光文社文庫 1987
  • 悪人は三度死ぬ 光文社 1987 (カッパ・ノベルス) のち文庫 
  • スタジオの怪事件 徳間文庫 1988
  • 連鎖殺人0秒の暗合 トクマ・ノベルズ 1988
  • 殺意の誘い 光文社文庫 1988
  • 邪魔な男 光文社文庫 1988
  • その夜の三人 鏡文字9の謎 祥伝社 1988 (ノン・ポシェット)
  • 大密室殺人事件 光文社 1989 (カッパ・ノベルス)
  • 「幻の女」殺人事件 トクマ・ノベルズ 1989
  • 目撃者は二人いた 佐和子の推理メモ 扶桑社 1989
  • 見えない探偵 広済堂出版 1989
  • 真面目すぎた男 光文社文庫 1989
  • 伊豆-猪苗代W殺人 大陸書房 1989 のち文庫 
  • 生れ変った男 光文社文庫 1989
  • 殺人の二重罠 立風書房 1989 (Rippu novels)
  • 北の聖夜殺人事件 大陸書房 1989
  • 濡衣を着る男 光文社文庫 1990
  • 完全密室殺人事件 大陸書房 1990
  • 尾瀬草紅葉殺人事件 中央公論社 1990 (C★NOVELS)
  • 悲鳴 光文社文庫 1990
  • 越後七浦殺人海岸 入れかわった死体 光文社 1990 (カッパ・ノベルス) のち文庫 
  • 脅迫状はレモンの香り トクマ・ノベルズ 1990
  • 西麻布紅の殺人 光文社 1990 (カッパ・ノベルス) のち文庫
  • 伊豆高原殺人事件 大陸書房 1990
  • 鳥羽・葛西水族館殺人事件 中央公論社 1991 (C★NOVELS)
  • ラベンダーの殺意 大陸書房 1991
  • やまびこ129号逆転の不在証明 立風書房 1991 (Rippu novels)
  • 死者の誘拐 大陸書房 1991
  • 東京青森夜行高速バス殺人事件 札幌大通公園80秒の謎 光文社 1991 (カッパ・ノベルス)
  • 年齢差殺人事件 光文社文庫 1991
  • 「秩父山景」三層の死角 フタバノベルス 1991 のち文庫 
  • 瀬田の唐橋殺人事件 フタバノベルス 1992 のち文庫 
  • 恋愛迷宮殺人事件 トクマ・ノベルズ 1992
  • 横浜・佐世保港灯り殺人事件 中央公論社 1992 (C★NOVELS)
  • 神戸異人館恋の殺人 中央公論社 1992 (C★NOVELS)
  • 奥州平泉殺人事件 フタバノベルス 1992 のち文庫
  • 午前三時の殺人者 広済堂出版 1992
  • 大密室殺人事件 光文社文庫 1992
  • 泥棒貴族裏金を狙え 立風書房 1993 (Rippu novels)
  • 宮崎竜宮伝説の殺人 フタバノベルス 1993
  • 花文字の憎悪 祥伝社 1993 (Non novel)
  • 悪の相続人 角川ノベルス 1993
  • 狙われた女 広済堂出版 1993
  • 幽霊殺人事件 日本文芸社 1994 (日文ノベルス)
  • 二重アリバイ三重奏 光文社文庫 1994
  • 失踪殺人事件 日本文芸社 1994 (日文ノベルス)
  • 佐渡金山死文字の謎 フタバノベルス 1995
  • 六十歳革命 光文社文庫 1995 「生涯現役のすすめ」ふたばらいふ新書
  • 伊豆修善寺魔王の謎 フタバノベルス 1996
  • 大いなる錯覚殺人事件 日本文芸社 1996 (日文ノベルス)
  • 年齢とともに幸せになる生き方 人生は右肩あがりで行こう PHP研究所 1997
  • 姫路・龍野殺意の詩 フタバノベルス 1997 のち文庫
  • 殺人予告状は三度くる 光文社文庫 1997
  • 浅間嬬恋殺人迷路 青樹社 1997
  • 成功術殺人事件 双葉社 1998
  • 牡丹灯籠殺人事件 勁文社文庫 1998
  • 信州安曇野殺意の絆 フタバノベルス 1998 のち文庫
  • 完全犯罪学講義 青樹社 1998 (Big books)
  • 関越自動車道殺意の逆転 青樹社 1999 (Big books)
  • 加賀金沢殺意の刻 フタバノベルス 1999 のち文庫 
  • 奈良・斑鳩の里殺意の径 フタバノベルス 1999 のち文庫 
  • 大谷羊太郎集 リブリオ出版 1999 (げんだいミステリーワールド 第2巻)
  • 奥琵琶湖羽衣殺人事件 フタバノベルス 2000
  • 東伊豆殺人事件 ハルキ文庫 2000
  • 安芸の宮島殺意の杜 フタバノベルス 2000 のち文庫
  • 伊勢・鳥羽殺人事件 フタバノベルス 2001
  • 京都三年坂殺人事件 フタバノベルス 2001
  • 南軽井沢殺意の館 双葉文庫 2002
  • 伊豆恋人岬殺意の砂 フタバノベルス 2002
  • 尾州白帝城殺意の旅情 フタバノベルス 2002
  • 信州千曲川殺意の旅情 フタバノベルス 2002
  • 瀬戸尾道殺意の迷路 フタバノベルス 2003
  • 信州諏訪湖殺人事件 コスミック出版 2003 (コスミック・ミステリー文庫)
  • 信濃黒姫殺人事件 コスミック出版 2003 (コスモノベルス)
  • 京都橋姫殺人事件 コスミック出版 2003 (コスモノベルス)
  • 三河伊良湖殺意の岬 フタバノベルス 2004
  • 甲府昇仙峡殺人事件 有楽出版社 2004 (Joy novels)
  • 信州高遠殺人事件 有楽出版社 2004 (Joy novels)
  • 下関仙崎・愛と殺意の港 有楽出版社 2005 (Joy novels)
  • 奥久慈・愛と殺意の滝 有楽出版社 2005 (Joy novels)
  • 月夜野殺人事件 有楽出版社 2006 (Joy novels)
  • 浜名湖オルゴール殺人事件 有楽出版社 2006 (Joy novels)
  • 杜の都マジック殺人事件 有楽出版社 2007 (Joy novels)
  • 名古屋ベネチアングラス殺人事件 有楽出版社 2007 (Joy novels)
  • 出雲松江白兎神話殺人事件 有楽出版社 2007 (Joy novels)
  • 神戸ステンドグラス殺人事件 有楽出版社 2007 (Joy novels)
  • 岡山桃太郎伝説殺人事件 有楽出版社 2008 (Joy novels)
  • 三保の松原天女伝説殺人事件 有楽出版社 2008 (Joy novels)

脚注

  1. ^ [1]