境界のRINNE

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境界のRINNE
ジャンル 少年漫画
漫画
作者 高橋留美子
出版社 小学館
掲載誌 週刊少年サンデー
発表号 2009年21・22合併号 - 連載中[注 1]
発表期間 2009年4月22日[1] - 連載中[注 1]
巻数 12巻(2012年5月現在)
テンプレート - ノート

境界のRINNE』(きょうかいのりんね)は、高橋留美子による日本の漫画作品。『週刊少年サンデー』誌上において連載中[注 1]

概要

前作『犬夜叉』の終了より10ケ月を経て、同じく『週刊少年サンデー』誌上において2009年21・22合併号より連載を開始した。作者曰く実は男性向けの作品。『週刊少年サンデー』での定期連載作品としては高橋にとって4作目にあたり、また他誌での連載であった『めぞん一刻』(『ビッグコミックスピリッツ』)『1ポンドの福音』(『ヤングサンデー』(廃刊))も合わせれば6作目の定期連載となる[注 2]

日本での雑誌発売日と同日に、ビズメディア社が北米限定で英語版『RIN-NE』のインターネット公開を行なっている[2][3] 。これはインターネット上での海賊版への対策措置であり、粗悪な翻訳海賊版よりも先に質の良い正規版をファンに届け、単行本化の際のセールスに繋げる事を目的としている[2]

この措置は2009年4月現在本作のみで行なわれており、他作にも拡げるかどうかは未定[2]。この日米同時連載を記念し、日本では『クラブサンデー』において第1話が無料公開された[3]

本作は季節行事は行われるが、作品内の時間は経過しない方式。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


あらすじ

幼い頃の神隠しにより幽霊が見える少女真宮桜は、高校入学早々、偶然六道りんねという少年と席が隣になる。実は、りんねは幽霊を輪廻の輪に乗せる仕事を営む死神であり、「霊に悩まされる事があれば、学校の百葉箱にお供え物と賽銭を入れておけば、問題は解決する」という噂を流していた。こうして、りんねと関わる事になってしまった桜は、彼と共に幽霊に関するトラブルを解決していくのであった。

登場人物

キャストは「サンデーCM劇場」のもの

メインキャラクター

六道 りんね(ろくどう りんね)
声:内山昂輝
本作の主人公。父親譲りの赤髪赤眼な少年。1年4組で席は桜の隣。人間と死神の混血であり、幽霊を「輪廻の輪」に乗せる仕事をしている。
基本スタイルは普段着の中学時代の学校指定のジャージに『黄泉の羽織』を纏う。貧乏を理由に居直り、学校指定の制服やジャージは持っていない。その特異な姿から校内では有名人。
校内に置かれた百葉箱に依頼内容とお布施、お供えを入れるように自ら噂を流し、主にそこからの依頼を受ける形で仕事をこなしているが、決して順調とはいえず、大抵は赤字に終わる。
基本的な仕事内容は、幽霊からこの世への未練を無くすこと。どこか抜けている所があり催眠術をかけきれなかったり、追い払おうとする幽霊に食べられることもある。純血の死神ではない為に能力が劣っており、通常の死神よりも多くの道具でそれを補っている。その為、死神道具の費用がかさみ貧乏から脱却できない状態が続いている。道具さえ使えば浄霊の実力は純粋な死神と比べてもかなり優秀。
りんねの死神道具の殆どは、若手死神講習会での試供品、安く手に入るが効能が劣化した中古品などが多く、新品の正規品は低額のものしか使われない。
祖父の死後は家賃節約のため高校のクラブ棟に住んでいるが、浄霊の依頼料だけでは生活が苦しいため、造花の内職で生計を立て、六文や桜の差し入れで食いつないでいる。クールで社交性に欠けるが心優しい。正義感も高く、一度受けた任務遂行のためなら赤字を出すことも厭わない。しかし根っからの貧乏思考である為、稼ぎにならない(=依頼がない)霊は見つけても放置する場面が多々見られる。稀に大金が入る、贅沢ができるチャンスは巡るものの、その度に邪魔が入っては損をする。
最近は桜に惹かれているようで、十文字に負けず劣らずに桜の動向を気にしている。
りんねの死神道具
死神のカマ
六文が5000円で購入したセール品。怪鳥の頭蓋骨をあしらった巨大な鎌で、斬った悪霊を浄化することが出来る。
白日灯(はくじつとう)
まやかしや幻影を打ち消す光を先端から発して真実の姿を白日のもとに晒すステッキ。何故かリボンが付いており、魔法少女の道具のような外見。打撃武器としても使える。堕魔死神の見せた幻を打ち消す為にりんねが使用した。
裁きの輪
魂子からの小学校入学祝。持ち主を目的の犯罪者の元へ導く伝説の死神道具。不当な攻撃を遮断する正義の盾機能も持つ。
悪霊フーセン
若手死神講習会の試供品。ふくらませるとフーセンが悪霊になり、本物の悪霊と戦わせることができる。悪霊だけでなく人間も襲う為、製造中止になった。
簡易霊道発生シャーペン
若手死神講習会の試供品。円を描くと一時的にその場所が霊道とつながる。子供死神のイタズラが多発し製造中止。
結界ガムテープ
ドアや窓に貼ることで、結界を張ることができる。正規商品で1ロール600円。
除霊砂時計
虹色の砂が落ち切るまで霊を寄せ付けない強力な死神道具。10年程前は試供品しかなかったが、最近になって正規商品化された。価格は2万円。
浮遊霊ハウス
浮遊霊を自動で集めてくれるゴキブリホイホイのような死神道具。期限が切れると屋根が赤くなる。りんねは学校に仕掛けている。
身代わり人形
最高級の死神道具。髪の毛などを人形に入れると、その人物に変身し悪霊を引き寄せ、さらに動きを封じ込める。魂子がりんねにプレゼントした品で、価格は3万円。
りんねの技
火車烈断(かしゃれつだん)
輪廻の輪がある世界でお金を渡すと金額相応の力を持つ火車が出現し、それを幽霊、悪霊に投げつけることによって現世への未練を断ち切らせる。悪霊は幽霊の10倍の価格を払わなくてはならない(50円→500円)。
冥戸遮断(めいどしゃだん)
紙幣を石の壁に変化させて、あの世の入口を防ぐ。
千の風気流(せんのかぜストリーム)
沢山の千円札(別の紙幣でも可)を突風に乗せて手裏剣の様に飛ばすド派手な大技。その性質上、貧乏なりんねには滅多に使えない。
真宮 桜(まみや さくら)
声 :伊瀬茉莉也
本作のヒロイン。高校1年生でりんねと同じ1年4組。茶髪で三つ編みの少女。幼少時に神隠しに遭って以来、霊が見えるが、これは堕魔死神によってあの世に連れて行かれそうになったところを魂子に助けられ、人間界に戻る前に死神の世界の食べ物を食べたことによるため。魂子にかけられた催眠術が解けてこの記憶を思い出して以来、りんねと共に行動する。幼少より様々な霊に会ってきたので肝が据わっており、非常に冷静沈着でクールな一方で心優しい性格。しっかりしているようで天然な面があり、恋愛には鈍感。基本的にはツッコミ役で、ほとんどがモノローグ。十文字に惚れられており、霊からもモテる。
十文字と違い、霊が見える事に関してコンプレックスを感じた事はない様子で、りんねと出会う前から霊に対しても平等に接してきた。
りんねには少なからず好意を持っているようで、浄霊を手伝いたいと考えている。
六文(ろくもん)
声:釘宮理恵
緑色の目をした雄の黒猫族。りんねの契約黒猫。黒猫段位初段。
元々は魂子の契約黒猫だったがクビになった。普段は猫の体に少年の顔の姿で、気絶すると仔猫になる。貧乏なりんねでは満足な給料を出せないため、子猫の姿で人間達から食べ物を恵んでもらっている。公私にわたってりんねを支える良き相棒ではあるが、悪気のない失敗により余計な出費もする。
しっかり者で冷静な性格だが、りんねのクラスメイトを血祭りにあげようとするなど野生の猫さながらの粗暴な一面も併せ持つ。
幼いが精神面や頭脳はかなり優秀。
巨大な化け猫に変化する事ができ、高校生数人を気絶させ縄で縛りつけるなどある程度の戦闘力はある。
十文字 翼(じゅうもんじ つばさ)
りんね達のクラスに転校してきた、黒髪の男子。父親が霊を成仏させるお祓い屋を家業としている。自身も幼い頃から霊が見え、除霊用のアイテムを扱える。ある霊を追い日本中を渡り歩く父親の都合で何度も転校を繰り返していた上、霊が見える事で何処に行っても周囲から浮いた存在になりがちで友達が出来ずにいた。そんな時、小学校時代に桜とクラスメートになり、霊が見える者同士で意気投合、以後彼女に片想い中。それから直ぐにまた転校した為に桜と再会した時には忘れられていた。りんねを桜を巡る恋敵として勝手にライバル視している。
霊を見れば悪霊でなくても問答無用で成仏させようとするスタンスで、りんねのやり方を「生ぬるい」と批判している。ただし自分はその方針が災いし、霊に恨まれることもある。
浄霊の実力はお世辞にも高いとは言えず、魔狭人から「りんね君より数段格下」とまで言われてしまっている。
聖灰(せいはい)
浄霊に使う翼の基本武器で、悪霊にダメージを与える灰。投げつけたら割れるカプセルに入れて何個も所持している。大量にカプセルを連射する為のバズーカ砲型もある。痺れる程度で効果は薄いが、悪霊以外の通常霊や堕魔死神、黒猫族などあの世の存在全般に効果がある。
縄鏢(じょうひょう)
翼が聖灰と同様に常に所持している武器で、先端に錘を付けたロープ。聖灰を投げる前に、これで霊を捕縛するのが主な使用法。縄の両端に錘がある。
聖書コーナークラッシュ(バイブル-)
分厚い聖書の硬い角で思いっきり霊を殴りつける威力の高い大技。見た目は地味だが集中力をかなり消費するので週に一度しか使えない。
鳳(あげは)
リボンをつけた死神の少女。堕魔死神を数多く摘発してきた、由緒正しいエリート死神の家系。姉を籠絡した堕魔死神カンパニーのボス(鯖人)を倒そうと探す中りんねと出会い、彼に惚れアプローチを繰り返す。
家が裕福で、金銭感覚が麻痺しているお嬢様。非常に騙され易く、堕魔死神のいいカモにされている。裕福ゆえに様々な死神道具を持っており高い汎用性を持つが、がさつな部分があり道具を使いこなせないこともしばしば。
死神なので常人には視認できないが、蝶型のリボンをつけることでりんねの羽織のように姿を現すことができる。ババ抜きで一度も勝てないなどギャンブルには滅法弱い。
鳳の死神道具
死神のカマ
所々にデコレーションが施されている派手で巨大な鎌。武器としての性能自体はりんねの物と同じ。
番犬の首輪
巨大な番犬が飛び出し霊を追い払う。凶暴で手におえない危険な死神道具。
鳳の技
投げ銭
銭形平次よろしく、敵に銭を投げつける。投げつける銭は、昔の銭だったり100円玉だったり様々。りんねのカマの柄に突き刺さる程の威力。
朧(おぼろ)
鳳の契約黒猫。年齢は桜曰く中学生くらい。細見でしなやかな体型をした雄の黒猫族。黒猫段位初段。
六文よりも姿は人間に近く、首や肩もちゃんとある。赤いプロテクターの様な服を身に着けており、指も5本で手袋をしている。戦闘力は高く、巨大な爪を使って戦う。気が短く喧嘩っ早い。
鳳と朧の一族は代々つながりがあり、その縁から幼い頃から鳳と2人で立派な死神と契約黒猫になる為に修行をしていた。鳳をからかうのが好きで、そのたびに爆弾を投げられている。しかし初陣で鳳をからかった際、鳳が普段のように爆弾を投げた結果岩にはさまれてしまい、そのまま1年間放置されてしまう。岩から解き放たれた朧は鳳への復讐に燃え、動物霊をけしかけて契約取り消しを迫るが、鳳の事が嫌いなわけではなく、騒動の末に結局元の鞘に納まることとなった。
鳳の契約黒猫だけあって月給50万の高給取り。

りんね達の関係者

魂子(たまこ)
りんねの祖母で死神。和装で、白髪に赤い花の髪飾りを着けている。細目で常に笑顔だが、シリアスな場面にだけ目を開く。異様に若い外見をしているが、年は取っている様子。「おばさん(おばちゃん)」、「おばあさん(おばあちゃん)」呼ばわりを執拗に嫌がる。
最も優秀な死神である「名誉死神」の一人。他のベテラン死神と共に若手死神講習会の講師も務める。鳳や朧が叱られた「上の人」とは魂子の事で死神界では高い地位にいる。
自力で堕魔死神カンパニーにたどり着ける実力者。
数十年前に死神の仕事で出会った余命一分の男に一目惚れして、数々の根回しや多少の不正を働いて強引に寿命を50年延ばし結婚する。その時条件として「死神の仕事を10倍こなし、それが成されない場合子や孫の代まで仕事を引き継がせる」契約を結んだ。この契約によるノルマは10年前に達成しているが、りんねは父親の事を語るのを嫌い、貧乏の理由をこの祖母のノルマとして語っている。
夫が死去した現在は死神の世界に住んでいる。幼少時代の桜を堕魔死神から救った。
りんねの祖父
人間。キャラクター紹介では来世サバ男(らいせ サバお)となっているが本名かどうかは不明。
50年前の時点で病気により余命1分、来世はサバになるはずを、死後の自分を導くためにやってきた魂子に一目惚れされ、彼女の奔走により50年寿命を延ばしてもらった。りんねをずっと育ててきたが、高校に入る年の春に亡くなった。
今は輪廻の輪に乗ってサバになり、黒潮に乗って回遊しているらしい。
六道 鯖人(ろくどう サバト)
りんねの父。詳細は堕魔死神カンパニーを参照
桜の母
39歳。桜と同じく茶髪で何事にも動じない。六文を可愛がる。

学校関係者

ミホ
桜の友達で席も隣。桜、リカと共に3人組でいることが多い。怪談好きなので登場回数が多く相方のリカを差し置いて登場することも多い。霊の情報、噂は大抵彼女からもたらされる。生徒会に所属しており普段はおとなしいが、つっこみの際には相手をぶん殴ったりする。
割とモテるようで桜らと一緒にナンパされたり、霊に惚れられていた事もあった。姉がいる。
霊が見えるようになりたい願望がある(何度も見ているが)。
リカ
高校1年生。桜の友達で「間違え電話霊」に困らされていた。どケチな金銭キャラで、りんねへの依頼料を財布の中に貯まった1円玉で支払った。
ミホに比べると登場が少ない。
スズキ先生
りんね達の通っている高校の体育教師。霊がらみの事件に何度も巻き込まれている。前世は姫で、右手首に花びらのようなアザがある。
面倒見は良いが、どこか抜けている。

死神界

架印(かいん)
命数管理局経理課に所属する人間の寿命を管理する記死神の少年。仕事中はメガネをかけている。
かなり口が悪く冷酷な性格。母が鯖人のいいカモにされており、鯖人はもちろん、息子のりんねのことも恨んでいる。鯖人の借金のカタにりんねの寿命を差し押さえようとするが、りんねが「裁きの輪」を手に入れ手を出せなくなってしまったため諦めた。
その件以降りんねとの仲は険悪で、顔を合わせる度に揉め事を起こしている。
現在は母親と鈴と一緒に住んでいるが、母親の浪費癖のせいで家の電気求められるなど、りんね同様に貧乏生活を送っている。
変形鏡面ガマ
記死神専用の特殊なカマ。通常のカマと違い打撃に使われる。また、熱戦や雷撃などの遠距離攻撃も可能。
鈴(すず)
黄色の瞳をした雌の黒猫族。架印の契約黒猫。ゴスロリファッションの少女で、架印を手伝っている。元々は捨て猫であるため、契約金が浮くことから拾われた。契約黒猫のライセンスを所持しているかも不明。
かなり毒舌。純粋だが飽きっぽく粗野な性格で、自覚のないままに失敗を繰り返すなど、能力は低い。
ゴスロリファッションは架印の母によるもので、家計を圧迫する原因の一つになっている。
翔真(しょうま)
白髪の死神少年。死神小学校5年1組。
教育実習の為にりんねの元へホームステイをした死神の少年。貧乏な生活を共有させられた上内職を手伝わされていた為、手っ取り早く実習を終わらせる為に悪霊捕獲を狙う。死神の鎌を勝手に持ち出しりんねを手こずらせた。
裕福な家庭で育ったお坊ちゃま。
黒洲(くろす)
翔真の契約黒猫。紳士的に見えるが、その実は大の子供嫌いであり、翔真への忠誠も表面上だけで、内心鬱陶しがっている。契約時間が過ぎるとどんな状況でも撤収する、最低限の補佐はするもののいざとなれば翔真を巻き添えにすることも厭わないなど、仕事を最優先にして動く。
黒猫幻術の使い手で、黒猫段位6段の上級黒猫。段位を持たない黒猫族が束になっても敵わないほど強い。
黒猫段位試験の試験監督も務めている。
霊不兎(れふと)
来兎の双子の弟で黒いウサギの少年。
鎌打ち業の老舗「三日月堂」の鎌職人・三日月斎の四代目。絶望的なほど口が悪い。先代が残した書物通りの鎌を打つが、後半の欠陥部分について読まずに作っては売るため、りんねからは全く信用されていない。
来兎(らいと)
「三日月堂」の営業担当。霊不兎の双子の姉で白いウサギの少女。
普段は和服だが、営業中はハイレグレオタードを着用している。
京都弁で弟と違い口が達者。

堕魔死神カンパニー

六道 鯖人(ろくどう サバト)
堕魔死神を統率する堕魔死神カンパニー社長。架印の母から騙し取った金を資本金に堕魔死神カンパニーを設立、近年の堕魔死神活発化の原因を作った。名誉死神である魂子の息子にしてりんねの実父。魂子と同じく余程の事がない限り常に笑っている。りんねの兄と言っても通用するぐらいの若い外見をしており赤髪赤眼。一見すると爽やかな好青年だが、その実とてつもないロクでなしで女誑し。自らはノルマ水増しはおろか労働そのものを一切せず、支払いは誰かに押し付けたり踏み倒したりしており、真面目に労働すれば血の涙を流しながら気絶し、商品に対して代金を踏み倒さずまともに支払えば吐血までするなど、心の底までろくでなしの根性が染み付いている。死神としての能力は人間とのハーフである事に加え、仕事はサボりとノルマ水増ししかしないため腕が鈍り切っており、霊ひとつさえまともに祓えないレベル。
ただし戦闘能力だけは高く、首に巻いた襟巻や「吸血火車」などを使用しりんねを上回る実力を持つ。竜巻を起こし瞬間移動できる。
すでにカンパニーは借金まみれになっており、借金を押し付ける為にりんねに堕魔死神カンパニーを継がせようとしている。
吸血火車(きゅうけつかしゃ)
触れた物を問答無用で一瞬のうちに換金し、相手の財産を奪い尽くす強力で恐ろしい武具。基本的な使用法としては投擲武器や盾代わり。投げつけた後はブーメランのように手元に戻ってくる。換金された物は社長室の金庫に転送される。吸血火車に触れた物自体も鯖人の金庫に残る為、理論上は無限に金を得ることができるはずである。
鳳の姉
堕魔死神カンパニー社長秘書。元々は鯖人を倒しにカンパニーに乗り込んだものの、鯖人に惚れてしまい逆に堕魔死神になってしまった女性死神。目元を仮面で隠し、妹同様リボンを着けている。今では堂々と不正を行うようになり完全に堕魔死神に染まりきっている。

地獄

魔狭人(まさと)
悪魔。背中に蝙蝠のような羽がある。自他共に認めるほど心が狭く、異様なほど執念深くしつこい上、女や子供など自分より弱い者には一切手加減しない器の小さな男。6年前に悪魔の学校の宿題(動物の魂の回収)を当時小学生だったりんねに妨害された挙句ボコボコにされ、以来彼をしつこく恨み続け復讐の機会を狙う。りんねとは逆に大変裕福。漢字が苦手でよく誤字脱字をする。りんねを狙う理由はコミカルだが罪のない霊を悪霊に変化させ翔魔に始末させるなど、その所業は非常に凶悪。

用語解説

死神
職業及び種族を指す。霊を輪廻の輪に乗せ転生を促すのが基本的な仕事内容。この仕事のノルマも存在する。古来から黒猫族と契約を結び、黒猫族のサポートを受けながら仕事をする。普通の人間からは知覚不可。現世へ赴き霊を誘導する実動部隊と、あの世から出ずに役所仕事に徹する記死神が存在する。
年齢や役職によって呼ばれ方が違い、大別して子供死神、若手死神、ベテラン死神の3種類で呼称される。さらに最も優秀な称号として名誉死神がある。
人間よりもはるかに長い寿命を持ち、一定段階以上は老ける事がない。死神もまた輪廻の輪によって転生する。
純粋な死神には苗字がない。
黒猫族
古来から死神と共存関係にある種族。
大別して人間とほとんど変わらない人間形態で過ごす者と、普通の黒猫の姿で過ごす黒猫形態の2種類がいる。人間形態の黒猫族は大人になるにつれどんどん猫から人間の姿へと近づいていく[注 3]
必ずしも黒猫族が契約黒猫になるとは限らず、一般的な営業職に付いている者も多い。
黒猫の実力を示す黒猫段位が存在する。
契約黒猫
黒猫族の最も一般的な職業の一つ。
死神と雇用契約書にて契約を結び、不吉予告・呪い・脅し・悪霊退治といった形死神のサポートを行う。
ライセンス制であり、黒猫が雇用死神を故意に見捨てた場合は、罰金5000円に加えて10年間のライセンス停止処分を受ける。情報交換のための協会も存在する。
悪魔
死神とは別に、罪を犯した死者をいざなう種族。死神に比べ規制が緩く、死んでいない者の魂も容赦なく扱う為、その行動は堕魔死神に近い。姿形は異形だが普段の生活は人間と全く変わりがない。
悪霊
人間に害を成す霊達。通常の霊を凌ぐ強大な力を持ち、願いを叶えるなどの特殊な能力を持つ者もいる。倒した報酬も高額で、懸賞金100万以上の悪霊も存在する。悪霊同士で独自のコミュニティーを持っている。年に一度、悪霊たちの技を競うA-1グランプリを開催しており、A-1グランプリのシーズンには5000を越える悪霊が一ヵ所に集結する。
あの世
死後の世界の総称。輪廻の輪が存在する死神界と、罪人の霊を裁く地獄などがある。
死神界
地獄とは別の死後の世界。輪廻の輪に最も近い世界で、三途の川や冥途の土産を売る縁日など様々な施設がある。死神、黒猫族が死者を転生させるべく日夜活動しており、現世とは様々な霊道でつながっている。生者が迷い込んだ場合は命数管理局員によりただちに現世へ強制送還される。
死神界の規則は「死神ルール」と呼ばれており、中でも罰則が厳しい規則は「死神界のタブー」と称される。
地獄
死神界とは別の死の世界。竪穴のような見た目で、巨大な塔から有料で入ることができ、周りには昭和のようなレトロな街並みが続く。罪人は死神界へ行かずに地獄へ送られる。輪廻の輪が存在せず、転生することもできない。
鬼と悪魔が仕事をしており、悪魔を擁立する悪魔学校や武器屋などが点在している。
『地獄の沙汰も金次第』の言葉通り、入場料や使用料が発生し、金がないと居られない場所。武器屋では死神のカマも売買されている。
死神共済組合青年部
りんねが所属している死神組合。月500円の会費を命数管理局で支払うことで、所属している死神は死神道具を1割引きの値段で買うことができる。りんねは貧乏だが死神共済組合青年部の会費だけは欠かさない。
堕魔死神(だましがみ)
死神としてのノルマが間に合わず、まだ寿命のある人間を騙してあの世に導き、転生を促そうとする死神の事。
りんねの父、六道鯖人の配下達。
堕魔死神カンパニー
堕魔死神たちの本拠地。堕魔死神のリーダー六道鯖人が経営する非合法会社。社員の多くがノルマ水増しを行っていながら赤字に苦しむほど経営状態が悪い。構成員は動物の着ぐるみか、水商売風のファッションの死神ばかり。
正規の死神がカンパニーにたどり着けない為の幾多の工夫が凝らされており、カンパニーに恨みを持つりんねや鳳、架印は自力でカンパニーに到達することができない。
命数管理局
人間の寿命を管理しているあの世の社会機構。実際には寿命だけでなく、税務所的な役割を担っている。
輪廻の輪
霊が乗ることで来世へと生まれ変わる(実際には輪に触れた瞬間に転生する)。輪廻の輪自体が霊を引き寄せ、強制転生を促す力がある。生きている人間でも触れれば転生されてしまう。死神界のどの位置にいても上空に視認できる程巨大で、地獄からもかなり遠いが視認できる。
霊道
現世とあの世を結ぶ道。あの世の者にしか認識できず、開くこともできないが、霊道が開いていれば生きている者でも侵入可能。現世の至る場所に存在するが、りんねらの通う高校には霊道が一切存在しない。
黄泉の羽織
りんねが羽織っているリバーシブルの着物。元々は魂子が着ていたもの。着た者を幽体化させる逸品。死神や霊感を持つ者以外には感知できなくなり、霊道を使っての移動や空中浮遊なども可能になる。逆に裏返して幽霊に着せると実体化し、一般人にも知覚できる。りんねの羽織は輪廻の輪が描かれている。

単行本

  • 高橋留美子 『境界のRINNE』 小学館〈少年サンデーコミックス〉 既刊12巻(2012年5月現在)
  1. 2009年10月16日発売 / ISBN 978-4-09-121773-8
  2. 2009年10月16日発売 / ISBN 978-4-09-121774-5
  3. 2010年3月18日発売 / ISBN 978-4-09-122195-7
  4. 2010年6月18日発売 / ISBN 978-4-09-122335-7
  5. 2010年9月17日発売 / ISBN 978-4-09-122526-9
  6. 2010年12月17日発売 / ISBN 978-4-09-122699-0
  7. 2011年3月19日発売 / ISBN 978-4-09-122798-0
  8. 2011年7月15日発売 / ISBN 978-4-09-123205-2
  9. 2011年10月18日発売 / ISBN 978-4-09-123339-4
  10. 2011年11月18日発売 / ISBN 978-4-09-123450-6
  11. 2012年2月17日発売 / ISBN 978-4-09-123540-4
  12. 2012年5月18日発売 / ISBN 978-4-09-123657-9

脚注

注釈

  1. ^ a b c 2011年10月現在。
  2. ^ 不定期連載の『人魚シリーズ』を合わせれば『週刊少年サンデー』では5作目、他誌の『ダストスパート』も合わせると高橋の中では8作目の連載作品となる。
  3. ^ 現在は人間に近い姿の朧だが、数年前までは六文の様な姿をしていた

出典

  1. ^ 服部美央 (2009年4月15日). “高橋留美子:新連載「境界のRINNE」 幽霊が見える女子高生、少年サンデーで”. まんたんウェブ. 毎日新聞. 2009年4月26日閲覧。
  2. ^ a b c 小原篤 (2009年4月25日). “高橋留美子さん新作、英訳ネット配信 海賊版に先手”. 朝日新聞. 2009年4月26日閲覧。
  3. ^ a b 高橋留美子の新連載「境界のRINNE」、第1話が無料ネット公開”. Impress Watch BB Watch. インプレス (2009年4月25日). 2009年4月26日閲覧。

外部リンク