信用保証協会
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投資信託・投資法人 |
信用保証協会(しんようほしょうきょうかい)は信用保証協会法(昭和28年8月10日法律第196号)によって設立される公益法人で、中小企業が市中金融機関から融資を受ける際に、その債務を保証することで、中小企業の資金繰りの円滑化を図ることを目的としている。都道府県や大都市を単位として、全国に52存在する。
概要
一般に、中小企業が銀行などの市中金融機関から融資を受けようとする場合、その成長性や経営のリスクが大企業に比べて大きいため、融資を得ることができなかったり、調達できる額や条件において不利になったりすることが多い。それを解消し、中小企業がスムーズに資金を調達できるよう、信用保証協会は中小企業の委託に基づき金融機関に対して信用保証(保証承諾)を行う。これは、大企業と比べ資金調達上の不利性を持つ中小企業の信用力を補完し、中小企業と金融機関との架け橋になることで、中小企業の資金調達の円滑化を図るものである。協会の信用保証に基づき金融機関は中小企業に融資を行い、信用保証協会は信用保証の対価として信用保証料を借り手の事業者から得る。
事業者が何らかの理由で返済が困難になった場合、協会は金融機関に対して代位弁済を行う。これにより協会は求償権を取得し事業者から債権回収を図るが、倒産した場合の未回収分については不良債権となり、貸し手の銀行ではなく保証人の協会が損失を被ることになる。
信用保証協会は各都道府県に1協会ずつ存在するほか、横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市、大阪市にはその市を対象範囲とする信用保証協会が存在し、全国で52の信用保証協会がある。
同様の公的信用保証制度は、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、韓国、台湾などでも採用されている。
中小企業信用保険との関係
信用保証協会は株式会社日本政策金融公庫との間で再保険契約(中小企業信用保険)を結んでいる。これにより、信用保証協会は保証契約額に応じた保険料を支払い、代位弁済時に回収不能となった場合は保険事故となり保険金を受け取る。保険事故時には、当該債権が日本政策金融公庫にさらに代位される。
沿革
創設期
戦後~1950年代
- 1948年 「 中小企業金融対策要綱」閣議決定 ※これ以降、全国各地に信用保証協会が設立される
- 1953年 根拠法である信用保証協会法が公布・施行される
- 1955年 社団法人全国信用保証協会連合会設立
- 1958年 中小企業信用保険公庫設立
1960年代~1980年代
- 1965年 特別小口保険・無担保保険などが創設される
- 1981年 代位弁済の急増に伴い、通商産業省より「信用補完制度[1]の健全な運営」が通達される
- 1986年 当座貸越根保証制度(当貸)などが創設される
1990年代~現在
- 1998年 中小企業金融安定化特別保証制度(安定化)が創設される
- 1999年 中小企業信用保険公庫が統合され、中小企業総合事業団が設立される
- 2000年 中小企業特定社債保証制度が創設される
- 2001年 売掛債権担保融資保証制度(売債)が創設される
- 2003年 資金繰り円滑化借り換え保証制度が創設される
- 2004年 中小企業総合事業団の信用保険部門が中小企業金融公庫に統合される
- 2006年 信用保証料率の弾力化、申込書等全国統一書式の制定、第三者保証人等の取扱改定、当座貸越根保証の取扱改正が実施される
- 2007年 売掛債権担保融資保証制度を拡充した流動資産担保融資保証制度(ABL保証)が創設される
- 2008年 中小企業金融公庫、株式会社日本政策金融公庫に統合される
- 2008年 緊急保証制度が創設される
- 2010年 景気対応緊急保証制度が創設される
- 2011年 東日本大震災復興緊急保証制度が創設される
主な保証制度
- 東日本大震災復興緊急保証制度(平成23年5月23日~)
- セーフティネット保証制度
- 資金繰り円滑化借換保証制度
- 売掛債権担保融資保証制度(平成13年12月17日~平成19年8月5日)
- 流動資産担保融資保証制度(平成19年8月6日~)
- 当座貸越根保証制度
- 中小企業特定社債保証制度
- 各地方公共団体ごとの制度融資の保証
- 中小企業金融安定化特別保証制度(平成10年10月1日~平成13年3月31日)
参考文献
- 江口浩一郎『信用保証』( 金融財政事情研究会 2005.3)
- 江口浩一郎『信用保証協会の保証 (新金融実務手引シリーズ)』( 金融財政事情研究会 2009.10)
- 全国信用保証協会連合会『信用保証協会保証付融資取扱Q&A』(銀行研修社 2011.6)
脚注
- ^ 信用補完制度の仕組み図 (社)全国信用保証協会連合会 上位URL=信用補完制度の仕組み 2011-08-21閲覧