中山ラビ
中山 ラビ(なかやま らび)は、シンガーソングライター。
東京都生まれ。詩人の中山容が訳詞したボブ・ディランの歌でライブ・デビューし、その後、大きな影響を受けたため、女ボブ・ディランといわれた。「中山」姓も中山容にちなんだもの。東京都国分寺市の喫茶店「ほんやら洞」のオーナーを務めながらライブ活動を継続している。年齢・本名非公表。
経歴
ライブデビューまで
1966年6月のビートルズ来日公演に行く。高校の英語の授業でボブ・ディランの歌を知る[1]。1968年にデビューした岡林信康の歌を聞いて衝撃を受ける。また、高田渡、遠藤賢司、南正人らフォーク集団「アゴラ」の一員であったボロ・ディラン(真崎義博)に出会う[2]。1969年、大学1年の時、第4回関西フォークキャンプ(8月15日〜17日)に自費で参加。ギターのコードを3つ覚えた程度で、京都の円山公園野外音楽堂での打ち上げコンサートで「俺じゃだめ」(ボブ・ディラン作詞・作曲、中山容=訳詞)ほかを歌って、ライブデビューし、1970年夏、大学2年の時、家出同然で京都に引っ越す。同年からアルバイトをしながら、関西中心にライブ活動を開始。
メジャーデビュー
1972年12月、ポリドールから1stアルバム「私ってこんな」でメジャーデビュー。はっぴいえんどの細野晴臣、"乱魔堂"の洪栄龍らがバッキングバンドとしてサポート。1976年1月から翌年春にかけて、ニッポン放送の日曜日の深夜番組でパーソナリティーを務め、注目される。同年3月、シングル「時よおやすみ」が向田邦子らの脚本によるTBSドラマ「結婚前夜シリーズ」(全12回)の主題歌となる。続いて同年11月、桃井かおり主演のNHKドラマ「小夜子の駅」のために、「かえりたくって」を書き下ろし[3][出典無効]、一度は中山の歌を耳にしたことがある人が急増する。この時期も、地道に各地のライブハウスで活動する。
新たなコラボレーション
1981年9月29日〜30日、渋谷ジァン・ジァンでのひとり芝居のために作曲した挿入歌を歌う。これを機会に、演劇や舞踊など他分野とのコラボレーションに取り組むようになる。加藤和彦のプロデュースの下に、アルバム制作はもちろん、斬新なステージ、イベントに取り組む。斉藤由貴主演、相米慎二監督の映画『雪の断章 情熱』(1985年、東宝)に「ノスタルジィ」が使われ、新しい世代への浸透が期待される。しかし、1987年を最後にアルバム制作、ライブ活動を停止[4][出典無効]。1988年の出産以降、完全に音楽活動を停止する。
復活
1997年3月7日、音楽活動の原点となった中山容が亡くなり、3月30日、高田渡とともに「偲ぶ会」を開き、約10年ぶりに歌う。これを契機として、音楽活動を再開し、中山容の命日にあたる1999年3月7日、中山ラビBANDとして展覧会の日替りライブに出演。
新しい世紀
2006年7月、『ゴールデン☆ベスト 中山ラビ』がリリースされ、新たに結成したバンド「ラビ組」を編成してレコーディングした『ラビ組』のネットによるダウンロードを同時に開始した[5]。同年9月、針生一郎、重信メイ、大野一雄、鶴見俊輔、金芝河らが出演する長編ドキュメンタリー映画『9.11-8.15 日本心中』の挿入歌を担当。記念イベントでも歌った[6]。
2009年、DVD「ラビ組ライブ2008」(2008年吉祥寺スターパインズカフェ)をリリース。
エピソード
- 漫画家のいしかわじゅんは、国分寺の「ほんやら洞」にもしばしば通い、店長の中山ラビと親しくなった(なお、いしかわの作品『蘭丸ロック』の主人公のいきつけの店の店主は、中山がモデル)[7]。
- 1973年7月から、南ベトナムの孤児救援などを目的として、豊田勇造、東野ひとし、古川豪、三浦久とともに、コンサートを開催。翌年から「七夕コンサート」となり、1986年の第14回まで出演。ライブ活動を再開した、1997年の25周年コンサートにも出演した[8][出典無効]。
- 1999年7月10日、フォークキャンプ参加者による「夏の同窓会 京都フォークキャンプコンサート」(京都・円山公園音楽堂)に出演。出演は、豊田勇造、バラーズ、藤村直樹、中川イサト、フォークキャンパーズ、中川五郎、遠藤賢司、高田渡、高石ともやとザ・ナターシャー・セブン。
- 影響受けた楽曲として、アニマルズ「朝日のあたる家」、西田佐知子「コーヒー・ルンバ」、ボブ・ディラン「風に吹かれて」、キース・ジャレット「マイ・バック・ペイジズ」などがある[9]。
- 2013年6月30日、テレビ東京系モヤモヤさまぁ〜ず2「国分寺・国立」の番組ラストの喫茶店として「ほんやら洞」を訪問。中山ラビ本人が「昼間喫茶店、夜はバーです。」と紹介している。
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注
- ^ 「人は少しづつ変る」フォークソングを極め、新たな自己表現へ向かう女性シンガー、中山ラビ Text/遠藤哲夫 OnGen2006年アーティスト特集ページ)
- ^ 「週刊朝日」1974年8月9日号
- ^ 前掲中山ラビ年表
- ^ 前掲中山ラビ年表
- ^ 前掲 OnGen2006年アーティスト特集ページ
- ^ 映画『9.11-8.15 日本心中』公式サイト
- ^ 「いしかわじゅん」の項目参照
- ^ 前掲中山ラビ年表
- ^ 前掲 OnGen2006年アーティスト特集ページ
ディスコグラフィー
アルバム
- 私ってこんな 1972年12月10日 ポリドール (LP)
- ラビ ひらひら 1974年7月 ポリドール (LP)
- ラビ 女です 1975年12月1日 ポリドール (LP)
- ラビ・もうすぐ 1976年12月21日 キティ (LP)
- ラビ なかのあなた 1977年8月 キティ (LP)
- はだ絵 1978年10月1日 キティ (LP)
- 会えば最高 1980年10月28日 キティ (LP)
- MUZAN 1982年4月25日 キティ (LP)
- SUKI 1983年4月25日 キティ (LP)
- 甘い薬を口に含んで 1983年10月25日 キティ (LP)
- BALANCIN' 1987年3月日5 CBSソニー (LP)
- ラビ 2001年5月13日 FFA (CD)
- ラビing 2002年9月21日 Impressions Music (CD)
- 中山ラビ ゴールデン☆ベスト 2006年7月5日 ユニヴァーサル (CD)
- ラビ組 2006年7月5日 [自主制作] (CD)
シングル
- 片足ジャック 1973年1月21日 ポリドール アナログ盤
- 山高帽子 1975年 ポリドール アナログ盤
- 時よおやすみ 1976年3月 ポリドール アナログ盤
- そのままのまま 1978年9月21日 キティ アナログ盤
- さわれますか 1980年7月21日 キティ アナログ盤
- 困った女 1980年10月28日 キティ アナログ盤
- RABI(ミニアルバム) 1980年 キティ アナログ盤
- MUZAN 1982年4月25日 キティ アナログ盤
- グッバイ上海 1982年 キティアナログ盤
- わるい癖 1983年 キティ アナログ盤
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オムニバス
- 1969京都フォーク・キャンプ 1998年6月24日、EMIミュージック・ジャパン
収録曲=船がやってくる - 第4回フォーク・キャンプ・コンサート 2003年10月15日、avex io
収録曲=おれじゃだめ - 関西フォークの歴史BOX 2006年3月1日、avex io
収録曲=帰りたくない、子供にはこういってやんな
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ライブDVD
- ラビ組LIVE 2009年11月発売
2008年吉祥寺スターパインズカフェでのライブ