ロマンシア
ロマンシア
- 日本ファルコムが発売したコンピュータゲームソフト。本稿にて記載。
- 上記ソフトと同じ日本ファルコムが発売したコンピュータゲームソフト『ソーサリアン』のゲームシナリオの一つ。自己パロディが盛り込まれている。
- ギヨーム・H・ブージャン(Guillaume-Hyacinthe, Bougeant) 作『ファン・フェレディエン王子のロマンシアへの驚くべき旅』(1735)に登場する架空の都市。そこを訪れた者は、容姿が美しく変わるという。旅人は「愛の門」より入り、「結婚の門」より出て行く。
- かつてTOTOが発売していた衛生陶器(便器・洗面器など)シリーズ商品。
ジャンル | アクションRPG |
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対応機種 |
X1シリーズ PC-9801F以降 PC-8801mkIISR以降 MSX MSX2 ファミリーコンピュータ[FC] Windows95/98 |
開発元 |
日本ファルコム コンパイル[FC] |
発売元 |
日本ファルコム パナソフトセンター[MSX2] 東京書籍[FC] アンバランス[Win] |
デザイナー | 木屋善夫 |
音楽 | 阿部隆人、古代祐三 |
シリーズ | ドラゴンスレイヤーシリーズ |
人数 | 1人 |
メディア |
5インチFD[X1・PC-98・88] 3.5インチFD[PC-98] TAPE[X1] ROMカートリッジ[MSX・MSX2・FC] CD-ROM[Win] |
発売日 |
1986年10月6日[X1] 1986年10月18日[PC-98] 1986年10月30日[PC-88] 1987年10月30日[FC] 1999年12月10日[Win] |
『ロマンシア』 (Romancia) とは、1986年に日本ファルコムが発売したコンピュータゲーム。木屋善夫プロデュース『ドラゴンスレイヤーシリーズ』の第3作目であり、サイドビュー方式のアクションロールプレイングゲームである。
概要
サブタイトルは『ドラゴンスレイヤーJr.』と表記されており、最初期の雑誌広告に「『ドラゴンスレイヤー』シリーズ第3弾」と表記されたことを除いて、『ドラゴンスレイヤーIII』であることは、あまり強調されていなかった。 本作は「Jr.」と名乗りながら、難易度は非常に高い。パッケージには「こんなのアリか!?」と記され、途中でのセーブも不可能[1]、 一度でも間違えると最初からやり直さねばならない罠や、まったくヒントのない謎がある。
当時の雑誌広告のキャッチコピーは、「かわいさ余って、難しさ100%」である。1987年発売のファミリーコンピュータ版では、謎やストーリーが分かりやすいようにシナリオやシステムがアレンジされる。
「ロマンシア」というタイトルは1735年に発表されたフランスのギヨーム・H・ブージャン (Guillaume-Hyacinthe, Bougeant) の冒険小説「ファン・フェレディン王子のロマンシアへの驚くべき旅」からの引用とされる。ゲーム内の主人公「ファン・フレディ王子」など、いくつかの共通点が見られる。なお、ゲーム発表当時の雑誌広告などでは「ファンフレディ王子のおどろくべき旅」という副題がつけられていた。
開発スタッフ
オリジナル版のスタッフ。
ストーリー
はるか遠い昔、深遠な森の中に「ロマンシア」と「アゾルバ」という小さな二つの王国があった。双方の国王は兄弟で、平和で静かな日々が続いていた。しかし、ある日、ロマンシアの王女セリナが何者かに連れ去られてしまう。さらに疫病の蔓延、怪物の出現など、王国にさまざまな異変が起こりだす。
そんなころ、旅の途中で偶然ロマンシアにたどり着いた一人の若者がいた…ファン・フレディ、東方の王国の王子である。
登場人物
- ファン・フレディ
- 本作の主人公。東方の王国「イルスラン」の第8王子。旅の途中で偶然ロマンシア王国にたどり着いた。
- セリナ・レビ・ラウルーラ
- 本作のヒロイン。ロマンシア王国の王女。アゾルバ王国に囚われの身となる。MSX/MSX2版では隠しコマンドでセリナ姫を主人公にプレイできるモードが存在する[2]。
- ファネッサ三世
- ロマンシア国王。セリナの父。アゾルバ国王クリフトは弟にあたる。
- クリフト四世
- アゾルバ国王。ロマンシア国王ファネッサの弟。邪竜ヴァイデスに心を操られている。
- ヴァイデス
- 300年前に地下に封印された、蛇のように長い体を持つ邪竜。クリフト王を操り、復活を目論む。
ゲームシステム
サイドビューの任意スクロールアクションRPGと銘打ってあるものの、基本的にはそのシステムを利用した謎解きゲームであり、「アクションアドベンチャーゲーム」とも言われる。前述のとおり、セーブ機能は無く、ゲームを途中で中断することはできない(裏技的なコンティニューは存在した)。
プレイヤーのもつパラメータは、以下の通り[3]。
- HP
- ヒットポイント。体力。
- WP
- ウエポンポイント。剣を投げて遠距離攻撃可能な回数。これが尽きても近距離攻撃は可能。回復は城に帰って行なう。
- MP
- マジックポイント。アイテムを使用できる回数。回復は天国で行なう。
- DP
- ディフェンスポイント。これが残っている内はダメージはHPではなくDPで吸収できる。
- GP
- ゴールドポイント。所持金。各種パラメータの回復に使用。
- KR
- カルマ。主人公の善人度。謎解きに関わってくるため必要に応じて上下させる必要がある。
その他いくつかのアイテムがあり、本作でも「ドラゴンスレイヤー」と言う武器が用意されている[4]。
アレンジバージョン
- ファミリーコンピュータ版(1987年10月30日発売)
- 東京書籍制作。グラフィック面では厳しいものの、アレンジがよくできており、遊びやすさの面では最もわかりやすい。
- Windows版(1999年12月10日発売)
- UNBALANCE制作。PC-8801版をベースにしたオリジナル版と、グラフィックとサウンドを一新したアレンジ版を収録。アレンジ版には坂本真綾らが出演。
- ソーサリアン(1987年12月20日発売)
- 本作をアレンジしたシナリオが登場。ファン・フレディ王子もゲストキャラとして登場する。
メディアミックス
コミック
『ロマンシア 浪漫境伝説』のタイトルで1988年に角川書店より刊行。原作は寺田憲史、漫画は円英智。ゲームの設定を活かしつつも大胆に翻案しており、主人公はゲームで「囚われの姫君」だったセリナ。
- 1988年5月15日初版発行、ISBN 4049260042
ドラマCD
『SOUND MOVIE 浪漫境伝説「ロマンシア」』のタイトルで東芝EMIより発売。上記のコミック版のサウンドドラマと、オリジナルの楽曲で構成される。
- 1991年2月21日発売。品番:TOCT-6013
- 原作・脚本:寺田憲史
- ジャケットイラスト:円英智
- キャスト
挿入歌
ゲームブック
『アドベンチャーノベルス ロマンシア』のタイトルでJICC出版局より刊行。文芸をファルコムの宮本恒之、 漫画・イラストを星里もちるが担当。
- 1987年8月1日初版発行 ISBN 4880633003
脚注
参考文献
- 山下章、1987、『チャレンジ!!パソコン AVG & RPG II』1987年10月20日の改装小型版(オリジナルは1987年1月)、電波新聞社 pp. 183-196