ボブソン
ボブソン (Bobson) は、日本のジーンズ・ブランドである。
1971年(昭和46年)に岡山市の山尾被服工業がブランドを創設し、現在のオーナーはその関連企業でやはり岡山市にある株式会社ボブソンホールディングス。過去のオーナーの中に株式会社ボブソンが3社現れるため、ここでは「初代」「2代目」「3代目」をつけて区別する。
ブランド名の由来
ボブソンのブランド名は、「日本製ジーンズを世界に向けて販売し、ボブが損をするように」という願いを込めてつけられたと言われている。「ボブ」はアメリカでポピュラーな名前ということによる 。
各オーナーの歴史
初代ボブソン (1973)
ブランド創設者の山尾被服工業は、1948年(昭和23年)6月に岡山市で創業し[1]、1950年(昭和25年)に山尾被服工業株式会社として法人改組された。初めは学生服や作業着の製造販売を行っていた。
1970年(昭和45年)にジーンズの製造販売を開始。1971年から「BOBSON(ボブソン)」のブランドによる企画・製造・販売を始めたのが始まりである[1]。山尾被服工業株式会社は、1973年(昭和48年)に、ブランド名に合わせて、株式会社ボブソンに商号(社名)変更した。
ボブソンは、長年の業績から高い認知度を得、レーヨン素材のジーンズ製品で人気を集めるなど技術開発力にも定評があった[1]。バブル期には、F1などのモータースポーツ、また、1992年(平成4年)にはサッカーJリーグの公式スポンサーとなっていた[1]。本業では、婦人・子供向けを中心に卸販売のほか、直営店などによる小売りも行い、2005年(平成17年)5月期には年売上高約128億円を計上していた[1]。
しかし、ファストファッションなどによる激安ジーンズの登場による価格競争の激化などから次第に販売不振となった。2008年、親会社のヤマオ興産に吸収合併された。
2代目ボブソン (2008)
1970年、山尾被服工業(のちの初代ボブソン社)の親会社として、有限会社ヤマオ興産が設立された。2008年、初代ボブソンを吸収合併し、2代目株式会社ボブソンとなった。
2009年(平成21年)、マイルストーン ターンアラウンド マネジメント株式会社出資の子会社にBOBSON事業を譲渡し、再生を目指すこととなった[1]。
ボブソン事業を譲渡した2代目株式会社ボブソンは、2010年(平成22年)6月1日に、株式会社ピーチフォートと社名変更。現在は、子供服製造・販売事業に特化して営業を続けている[2]。
3代目ボブソン (2009)
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
本社所在地 |
日本 東京都港区南青山2-27-7 南青山Kビル2階 |
設立 | 2009年8月11日 |
業種 | 繊維製品 |
事業内容 | ジーンズ・カジュアルパンツを主とした関連商品の企画・製造・販売 |
代表者 | 西川英雄(代表取締役社長) |
資本金 | 1億5801万3500円 |
従業員数 | 約140名(2010年2月、契約社員含む) |
決算期 | 2月末日 |
主要株主 | マイルストーン ターンアラウンド マネジメント株式会社 |
外部リンク | http://www.bobson.co.jp/ |
特記事項:旧社より事業譲渡を受け、登記簿上本店を岡山県より移転 |
3代目株式会社ボブソンは、2009年(平成21年)8月に、経営コンサルタントを行うマイルストーン ターンアラウンド マネジメント株式会社[3](東京・丸の内)の出資によって設立された。
同年10月に、2代目株式会社ボブソンとの間で、ボブソンブランドの事業譲渡契約を締結。翌11月には、正式に2代目ボブソン社からのボブソン事業の譲渡を受けて、「BOBSON(ボブソン)」ブランドの企画・製造・販売事業を引き継いだ[1]。これに伴い、登記簿上の本店も東京都に移転した。その後は、ブランドイメージの再構築を図るとともに採算性を重視、得意先の選別や百貨店への卸を強化するなど、高付加価値商品の提供に注力し、4か月の変則決算となった2010年(平成22年)2月期には年売上高約10億円を計上した[1]。
しかし、その後も業績は改善せず、資金繰りが悪化した[1]。2011年(平成23年)5月2日、東京地方裁判所へ民事再生法の適用を申請し、倒産した。ユニクロなどファストファッションの躍進により業績は押され、自力での再建を断念したという[4]。同年3月に発生した東日本大震災によって、取引先からの注文が激減していた[5]。負債総額は2010年2月期末で7億3400万円[4]。
民事再生法適用申請時に6あった直営店など、事業は継続される方針だった[5]。その後、同年12月7日には再生計画の認可決定を受け、再生計画に従って再建されることとなった。
しかし、その再生計画も遂行される見込みがなくなり、2012年4月26日に東京地方裁判所より再生手続の廃止決定を受けた[6]。負債は、2011年2月28日時点で約10億7400万円。
2012年(平成24年)6月1日、東京地裁から破産手続開始決定を受けた[7]。その後、破産手続でBOBSONの商標権などの資産が売却され、清算されることとなった[8]。
ボブソンの販売は休止されていたが、2012年11月22日、ボブソン・ブランドがピーチフォート(旧2代目ボブソン)系列のボブソンホールディングスに売却されたことが発表された。
ボブソンホールディングス
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
本社所在地 | 岡山市北区平野978番地[9] |
設立 | 2012年4月5日[9] |
業種 | 繊維製品 |
事業内容 | ボブソンジーンズの企画販売[9] |
代表者 | 尾崎博志 代表取締役[9] |
資本金 | 3800万円[9] |
主要株主 | 株式会社ピーチフォート |
外部リンク | http://www.bobsonhd.co.jp/ |
ボブソンホールディングスは、創業家の株式会社ピーチフォート(旧2代目ボブソン)がボブソンブランドを買い戻すために設立した企業で、1年にわたりその準備を進めていた[9]。代表取締役の尾崎博志は、創業家で[10]、ピーチフォート5代目(ボブソン時代から通算)社長と兼任する。
2012年11月、ボブソンホールディングスが、3代目ボブソン社からボブソンブランドを買い戻し、11月21日発表された[9][10]。12月からインターネット販売を、2013年春から小売店での販売を開始する予定で[10]、全国主要取引先や有名ジーンズ店舗への展開を進めていくという。
沿革
山尾被服工業時代
初代ボブソン時代
2代目ボブソン時代
3代目ボブソン時代
- 2009年11月 - 2代目株式会社ボブソンから、マイルストーンターンアラウンドマネジメント株式会社が出資する3代目株式会社ボブソンへ事業譲渡。2代目ボブソンは子供服の製造販売に事業特化。
- 2010年 - 2代目株式会社ボブソンが株式会社ピーチフォートに社名変更。
- 2011年 5月2日 - 3代目ボブソンが、東京地裁へ民事再生法の適用を申請。負債総額は2010年2月期末で7億3400万円。
- 2012年 4月5日 - 株式会社ボブソンホールディングスが設立される。
- 2012年4月26日 - 3代目ボブソンが、東京地裁より再生手続き廃止決定を受ける。負債は2011年2月28日時点で約10億7400万円。
- 2012年 6月1日 - 3代目ボブソンが、東京地裁より破産手続開始決定を受ける。
ボブソンホールディングス時代
スポンサーシップ
- ダウンタウンのごっつええ感じ - 初代ボブソン社が過去[いつ?]にスポンサリング。
脚注
- ^ a b c d e f g h i ボブソン/民事再生法の適用を申請、負債7億3,400万円 『流通ニュース』 2011年5月2日、平成23年5月3日閲覧
- ^ 「carter’s」「OshKosh B’gosh」契約締結(伊藤忠商事)
- ^ マイルストーンターンアラウンドマネジメント株式会社
- ^ a b ジーンズのボブソンが民事再生法の適用を申請 2011年5月2日産経新聞
- ^ a b 民事再生法適用ボブソンが申請 『日本経済新聞』 平成23年5月3日 朝刊
- ^ 「BOBSON」で知られるジーンズメーカー、再生手続き廃止決定受ける
- ^ 「BOBSON」で知られるジーンズメーカー株式会社ボブソン破産手続き開始決定受ける負債10億7400万円(帝国データバンク大型倒産速報、2012年6月5日閲覧)
- ^ ジーンズのボブソン破産へ 民事再生手続き廃止 日本経済新聞電子版・2012年4月28日
- ^ a b c d e f g h 「BOBSON」ジーンズ、復活(Sankei Biz 2012年11月21日付)
- ^ a b c d 「ボブソン」ブランド買い戻す 岡山の企業 - 中日新聞 CHUNICHI Web
外部リンク
- 株式会社ボブソンホールディングス
- マイルストーンターンアラウンドマネジメント
- ピーチフォート (旧 2代目株式会社ボブソン)
- BOBSON(Taiwan) - 台湾ライセンシーの利宝成衣によるサイト。