デスティニープラン

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デスティニープラン(Destiny Plan)は、アニメ機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空の社会構想。


概要

劇中語られた概要
プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルにより提唱された社会システム構想。プランの推進者であるデュランダルの口から詳しい概要が語られることはなかったが、人間の遺伝子を解析する事でその人が持つ先天的な適性と能力を調査し、その解析結果を基にその人を最適な職業や役割に就かせて、より効率的な社会運営を目指すと言うもので、その結果として個人間の諍い、しいては国家間の争い事が無くなるという人類救済措置であり、そぐわない者は淘汰、調整、管理される世界というのが、クライン派の見解である。これにより決められた運命の中で、未来に対する不安が解消され、悩み、苦しむ事無く生きられる世界であるとされる。一方でこれが実現すれば職業選択[1]における個人の自由意志が一切認められない徹底的な管理社会となるが、最終的には全ての人間が平和で幸せに生活できる、とある。
関連メディアで記された諸情報
  • 『帰ってきちゃったSEED120%』では、デスティニープランは、各人の遺伝子特性によって社会的役割を決定する究極の管理社会実現を目的とする政策で、全人類規模で人材の適材適所が実現されるため、無能な人物が不当に高い地位につくことでおこる混乱や、自分の境遇・待遇への不満からおこる争いごとがなくなるとされ、その結果二度と戦争が起こらないようにしようという政策であり、デュランダルの考えた終わらない争いを終わらせるための政策であると説明された。しかし、このプランは人間の自由意志は認められず、デスティニープランを拒否すれば社会的に抹殺され生きていけなくなると説明されている。
  • アニメディア』では、掲載されたインタビューにおいて特殊設定担当である森田繁によると、「デスティニープランとは何!?」との質問に対して、「デスティニープランとは、遺伝子を調査すれば職業適正(“適”の誤りか 以下本文において全て同じ)でも何でもわかる、その適正を最優先させれば不満も生じない、そういう社会を作ろうという計画である。上から強制するのでは無くて、人々が自主的に賛同する形で実施するのが、デュランダルの真の狙いであり、彼はそうなるように世界を操ろうとしていた」との旨を答えている。
  • 2007年11月15日付で発行された『電撃データコレクション機動戦士ガンダムSEED DESTINY下巻』(メディアワークス)の「OFFICIAL REPORT」は、デスティニープランについて、「C.E.ならではの優生学とも換言できよう」と記した。さらに同書は、デスティニープランの内容自体に「プラント内から明確な反対論は聞かれなかった」とし、その理由を「遺伝子操作によって誕生したコーディネイターにとってデスティニープランは有利に働く」からだとしている。
  • 監督の福田己津央は放映終了後のいくつかのインタビューにおいて「あえてデスティニープランは間違っている内容であると、小中学生にもわかる形で描いた」「同じ遺伝子を持つクルーゼと違った答えを出したレイ、これはプランが間違いであったと表現したもの」と言っている。しかし「デュランダルという実行者を失ってもデスティニープランという政策自体は人々に知れ渡ってしまったので、また次の実行者が現れるかも知れず、消滅したわけではないからやっかいである」という趣旨の内容を発言している。一方で、世界のためになるのはデュランダル側であり、世界にとって悪となるのはキラ達であるという旨を『月刊ニュータイプ』で語っている。
  • オフィシャルファイルマガジン『機動戦士ガンダムSEED DESTINY OFFICIALFILE キャラ04』に掲載されたミニコーナーではラクスがデスティニープランについて語る記述があり、この中でラクスは上記の「自由意思の封殺」以外にも「遺伝子レベルでの格差の発生」および「現段階における遺伝子解析技術の不確実性」と言ったその他の問題点もいくつか指摘している。
  • アニメ終了後に発売された『スーパーロボット大戦L』では、異星人や異世界からの侵略者であるセントラルへの防衛手段という独自の解釈がなされており、全ての人の前にレールを敷くと言う概要こそ変わらないものの、アニメでは不明瞭だった主目的として「SEED保有者やゼントラ化に適した遺伝子を持つ人間の発見及び、そうした者たちによる特殊部隊の設立」などが挙げられ具体的な目的が示されていた。

劇中での動向

ギルバート・デュランダルによるデスティニープランの発表後、地球連合全体としては事実上の無視を決め込むが、加盟国のうち、真っ先にオーブスカンジナビア王国の二ヶ国のみが明確にこのプランへの反対を表明した。またアルザッヘル基地の地球連合軍も艦隊を出撃させるも、これに対しデュランダルは連合軍より鹵獲したレクイエムをもって艦隊及びアルザッヘル基地を攻撃し、同基地に赴いていたジョゼフ・コープランド大西洋連邦大統領もろとも消滅させた。

その後、アルザッヘル基地に対するレクイエム照射を口実にオーブ・地球連合・クライン派の連合部隊がレクイエムに駐留するザフト艦隊に攻撃を仕掛けたことによりメサイア攻防戦が発生する。連合部隊の攻撃により機動要塞メサイアが陥落し、デュランダルは死亡した。その結果デスティニープランは推進者を失い計画は頓挫した。

脚注

  1. ^ 電撃データコレクション「機動戦士ガンダムSEED DESTINY 下巻」より。

関連項目