アメリカ合衆国国際連合大使
アメリカ合衆国国際連合 大使 | |
---|---|
アメリカ合衆国国務省 | |
指名 | バラク・オバマ |
初代就任 | エドワード・ステティニアス 特命全権大使 |
創設 | 1945年 |
ウェブサイト | 国連アメリカ代表部ホームページ |
アメリカ合衆国国際連合大使(アメリカがっしゅうこくこくさいれんごうたいし、英語: United States Ambassador to the United Nations)は、国際連合においてアメリカ合衆国政府代表部を代表する国連大使。
正式には「国際連合アメリカ合衆国政府代表部代表特命全権大使、及び国際連合安全保障理事会アメリカ合衆国代表」であり、略してアメリカ国連代表とも呼ばれる。現職は、2013年8月に就任したサマンサ・パワー。
アメリカ国連代表は、国連安全保障理事会で合衆国を代表する権限を持ち国連総会に出席するが、より高位の代表者(アメリカ合衆国国務長官やアメリカ合衆国大統領)が出席した場合はその限りではない。また他のアメリカ合衆国大使と同様、アメリカ国連大使に就任する際も、大統領の指名を受けた上で上院の承認を得なければならない。
ヘンリー・カボット・ロッジ・ジュニア、アドレー・スティーブンソン、ジョージ・H・W・ブッシュ、ダニエル・パトリック・モイニハン、アンドリュー・ヤング、ジーン・カークパトリック、リチャード・ホルブルック、マデレーン・オルブライト、ビル・リチャードソン、ジョン・ダンフォースら、米国の著名な政治家や外交官が当職を歴任している。
閣僚としての扱い
アメリカ国連大使はアメリカ合衆国内閣の一員ではないが、閣僚級の扱いを受けることがある。フォード、カーター、レーガン大統領の時代、国連大使は閣僚級の扱いを受けたが、自身も国連大使を務めたジョージ・H・W・ブッシュ大統領は国連大使を閣僚級とはしなかった。その後、クリントン政権下では再度閣僚として扱われるようになったが、ジョージ・W・ブッシュ大統領のとき(2001年から2009年まで)は閣僚級とせず[1][2]、オバマ政権になって再度閣僚級の扱いとなった。前国連大使ジョン・ボルトンは閣僚級と認めることに反対し、公に次の様に理由を述べている。「第一に、(国連大使を閣僚級とすることは)アメリカの外交における国連の役割と重要度の過大評価に他ならず、第二に、同じ部署(国務省)に2人の長官はいらないからだ。」
歴代の国連大使
歴代のアメリカ国連大使(代行を含む)、国連事務総長と1945年以降アメリカ大統領は以下の通り。
# | 画像 | 米国国連大使 | 在任期間 | 国連事務総長 | 米国大統領 |
---|---|---|---|---|---|
1 | エドワード・ステティニアス | 1945年–1946年 | グラッドウィン・ジェブ | ハリー・S・トルーマン | |
1946年 | トリグブ・リー | ||||
— | ハーシェル・ジョンソン(代行) | 1946年–1947年 | |||
2 | ウォーレン・オースティン | 1947年–1952年 | |||
1953年 | ダグ・ハマーショルド | ||||
3 | ヘンリー・カボット・ロッジ・ジュニア | 1953年–1960年 | ドワイト・アイゼンハワー | ||
4 | ジェームズ・ワズワース | 1960年–1961年 | |||
5 | アドレー・スティーブンソン | 1961年 | ジョン・F・ケネディ | ||
1961年-1963年 | ウ・タント | ||||
1963年-1965年 | リンドン・ジョンソン | ||||
6 | アーサー・ゴールドバーグ | 1965年–1968年 | |||
7 | ジョージ・ボール | 1968年 | |||
8 | ジェームズ・ラッセル・ウィギンズ | 1968年–1969年 | |||
9 | チャールズ・ヨスト | 1969年–1971年 | リチャード・ニクソン | ||
10 | ジョージ・H・W・ブッシュ | 1971年 | |||
1972年-1973年 | クルト・ヴァルトハイム | ||||
11 | ジョン・スカリ | 1973年–1974年 | |||
1974年-1975年 | ジェラルド・R・フォード | ||||
12 | ダニエル・パトリック・モイニハン | 1975年–1976年 | |||
13 | ウィリアム・スクラントン | 1976年–1977年 | |||
14 | アンドリュー・ヤング | 1977年–1979年 | ジミー・カーター | ||
15 | ドナルド・マクヘンリー | 1979年–1981年 | |||
16 | ジーン・カークパトリック | 1981年 | ロナルド・レーガン | ||
1982年-1985年 | ハビエル・ペレス・デ・クエヤル | ||||
17 | バーノン・ウォルターズ | 1985年–1989年 | |||
18 | トーマス・ピカリング | 1989年–1991年 | ジョージ・H・W・ブッシュ | ||
1992年 | ブトロス・ブトロス=ガーリ | ||||
19 | エドワード・パーキンス | 1992年–1993年 | |||
20 | マデレーン・オルブライト | 1993年–1996年 | ビル・クリントン | ||
1997年 | コフィ・アナン | ||||
21 | ビル・リチャードソン | 1997年–1998年 | |||
— | ピーター・バーレイ(代行) | 1998年–1999年 | |||
22 | リチャード・ホルブルック | 1999年–2001年 | |||
— | ジェームズ・カニンガム(代行) | 2001年 | ジョージ・W・ブッシュ | ||
23 | ジョン・ネグロポンテ | 2001年–2004年 | |||
24 | ジョン・ダンフォース | 2004年–2005年 | |||
— | アン・パターソン(代行) | 2005年 | |||
25 | ジョン・ボルトン | 2005年–2006年 | |||
— | アレハンドロ・ダニエル・ウルフ(代行) | 2006年 | |||
2007年 | 潘基文 | ||||
26 | ザルメイ・ハリルザド | 2007年–2009年 | |||
27 | スーザン・ライス | 2009年–2013年 | バラク・オバマ | ||
— | ローズマリー・ディカルロ(代行) | 2013年 | |||
28 | サマンサ・パワー | 2013年–現在 |
脚注
- ^ Kelemen, Michele (2008年12月1日). “U.N. Envoy Nominee Rice Known As Smart, Tough”. National Public Radio. 2009年1月21日閲覧。 “ワシントンに本部を置く国連の外郭団体・国連財団理事長は、ライス新国連大使と、同職をクリントン政権時代と同じく再度閣僚級のポストとしたオバマ大統領の決断を歓迎する声明を発表した。”
- ^ Cooper, Helene (2008年11月20日). “Clinton Decision Holding Up Other Obama Choices”. The New York Times 2009年2月9日閲覧. "ライスは合衆国国連大使に就任したがこれはクリントン大統領時代の様に閣僚級のポストである。ブッシュ大統領は就任時このポストを格下げし閣僚級とはしていなかった。"