なかもとみゆき
なかもと みゆき(1979年12月12日 - )は、日本の舞台女優。肩書は舞台表現者として活動。独自のスタイルで表現する「語り芝居」は高い評価を受けている。相愛中学校・高等学校卒。奈良県生駒市出身、在住。山吹草太事務所所属。演劇創作集団TPN(シアター・プロジェクト・奈良)代表。奈良こども劇団主任講師。
来歴
1998年、大阪にて詩人の山吹草太が主宰する劇団『演劇詩人月のひまわり』に入団。心斎橋T・B HALLにて『不滅の恋』に主演。
同年、劇団の拠点が神奈川県川崎市に移動したため、同市に転居。
1998年 - 2002年、NHKテレビアニメ『忍たま乱太郎』の劇場版ミュージカル及び劇団飛行船制作『三匹の子豚』を全国500か所で上演。どちらも主演を務める。
2000年、財団法人川崎市生涯学習振興事業団の芸術支援事業に選考され、新百合トウェンティワンホールにて『最後の晩餐』に主演。 このとき、俳優の酒井康行、古澤龍児(Wキャスト主演)の妹役を演じ、唐木恵子(現、浪曲師の春野恵子)とも共演している。
2001年、神奈川県のダイエーイベント広場及び児童養護施設三春学園にて、チャリティー公演『リトル・ボーイ〜広島断章〜』に出演。
同年、財団法人川崎市国際交流協会主催イベントにて『フランスパンを買いに』に出演。このときのセリフは全て英語であった。
同年、『第18回全国都市緑化フェアゆめみどりいしかわ2001「森のシアター」』の振付・演技指導を務める。上演に際し、石川県金沢市の金沢市民芸術村にて、地元の俳優20名にワークショップを行う。
2002年、『演劇詩人月のひまわり』活動停止。
2003年、同劇団主宰の山吹草太のもと、舞台表現者としてソロ活動開始。
2003年-2005年、毎月1回『ポエトリー・リーディング』を実施。計24回を行う。これが、一人で芝居をしながら朗読をする、「ひとり語り芝居」の原点である。山吹草太の詩や短編を上演するものが多かったが、その時点ではあまり世に知れ渡っていなかった『千の風になって』の物語(絵本)をアレンジして上演したこともある。上演にあたり、『千の風になって』の作曲及び絵本の著者、新井満に直接電話をかけ、上演許可をもらったという。 同年、川崎市のダイニングバーでDJを務める。
2004年 - 2005年、FMかわさきにて『なかもとみゆきのポエトリー・ラジオボックス』のパーソナリティを務める。このときも、新井満が電話でゲスト出演した。その他、現在、秀々として活動中の三味線奏者・尾上秀樹もスタジオ出演している。
2005年、タイ王国衛生省(日本の厚生省)管轄のタイ古式マッサージの資格を、総本山ワットー・ポー(ワット・プラチェートゥポンウィモンマンカラーラーム)のマッサージ・スクールで習得。
同年、地元奈良県に転居。
2006年、奈良の季刊情報誌『naranto(ナラント)』に尼僧モデルとして登場。翌号より、奈良県出身や奈良県で活躍している対談を記事にした『LIFE is the Stage』を連載。主な対談者は、薬師寺録事・小林澤應、元林院の芸妓・菊乃、映画監督・河瀬直美、万葉学者・上野誠、映画『殯の森主演・うだしげき(宇多滋樹)、シンガーソングライター・やなせなな、日本ユニセフ協会奈良県支部専務理事・山藤エリザベス、龍笛奏者・出口煌玲、落語家(上方噺家)・桂文福など。なお、2010年、『naranto』終刊に伴い、このコーナーも全15回で終了となった。
2007年、地元のわらべうたCD制作に語りで参加。
同年、『ポエトリー・リーディング・奈良』を開催。実行委員長を務める。不定期ではあるが、現在もこの活動は続いている。
2008年、歌手河島英五の長男・河島翔馬とともに、自然保護のためのチャリティーコンサート『元気だしてゆこう〜僕らの言霊〜』を開催。
同年、奈良少年院・奈良少年刑務所に山吹草太とともに慰問公演。
同年、奈良市にある奈良ウェルネス倶楽部にて、朗読教室の講師を務める。
その他、各地で「語り芝居」を多数上演。 「千の風になって」は、2006年の『第57回NHK紅白歌合戦』でテノール歌手・秋川雅史が熱唱し大ヒットしたため、語り芝居の演目から封印したそうだが、依頼が殺到。「人気に便乗していると思われるのが嫌だったが、歌とは違う物語の良いものを伝えていきたい」という想いから、上演を再開。 また、この年から、アウトドア総合メーカーのモンベルのイベント『モンベルフレンドフェア』の司会も担っている
2009年、財団法人社会教育財団主催の奈良演劇プロジェクト『シアター・プロジェクト・奈良(TPN)オーディション・ワークショップ』にて講師を務める。なお、TPNは平城遷都1300年祭(平城遷都1300年記念事業)県民活動支援事業に採択されている。
同年、奈良ウェルネス倶楽部にて、「詩の学校」・「奈良演劇工房」にて、朗読及び演技指導を行っている。
同年4月10日、表現活動の一環として、ココロとカラダの繋がりを考えた活動も開始。タイ古式マッサージの資格を活かし、リラクゼーション・サロン・チャ〜ンをオープン。オーナーを務めている。
2010年、演劇創作集団としてTPNを結成。代表に就任。平城遷都1300年祭記念公演として、奈良町を舞台にした戯曲『家族』を上演。総合監修・準主演を務める。
同年、大阪大学大学院教授の堀江新二に招かれた演劇ワークショップにて、モスクワ演劇国立大学(ロシア国立舞台芸術学院、現ロシア舞台芸術アカデミー)教授でユーゴザーバード劇場主席演出家のワレリー・ベリャコーヴィチに「あなたはとても良い感覚を持っているから、このまま演劇を続けなさい」と褒められた。
2011年、TPN東日本大震災復興支援公演『一粒の麦』を上演。主演・作曲を務める。
同年より、近畿各圏でTPN小学校公演『木の実は誰のもの?』を巡演。
2012年、TPN特別公演『愛しき者たちの記憶』を上演。歌手・豊岡厚恵とのコラボレーション公演で、詩の朗読および短編芝居『恋の忘れもの』を上演。
同年、奈良NPOセンターの「もうひとつの学び舎」との共同事業で、「奈良こども劇団」を発足。主任講師を務める。
2013年、TPN劇場公演2013「あなたに褒められたくて」を上演。準主演・振付を務める。
同年、奈良県主催イベント「NaRaくすりと健康2013」にて啓発演劇を上演。 また、同イベントのゲスト、2013ミス・ユニバース奈良代表・浅井美保のトークショーにて、聞き手役としても登壇。
2014年、TPN劇場公演2014「9番目のアンドロイド」を上演。主演・振付を務める。
2015年、TPN劇場公演2015「名も無き花の咲く頃に」を上演。出演・振付・作曲を務める。
出演作品
戯曲
山吹草太脚本・演出
- 不滅の恋(1998年)
- 最後の晩餐(2000年)
- リトル・ボーイ〜広島断章〜(2001年・2007年)
- フランスパンを買いに(2001年)
- 幸せの種(2003年・2004年・2007年・2008年)
- マリーの指輪(2003年・2007年)
- 裏通りにいた老婆(2004年)
- 帰郷(2004年)
- 特別なジャガイモ(2003年)
- 誰も知らない恋の物語(2004年・2005年)
- 鼠と男と台所(2004年)
- 石仏(2007年・2008年)
- 2匹の犬(2008年)
- パンと牛乳(2008年)
- 千年桜姫(2009年・2010年)
- 木の実は誰のもの?(2009年―)
- 母地蔵(2010年)
- 風になった少年(2010年)
- 家族(2010年)
- 一粒の麦(2011年)
- 恋の忘れもの(2012年)
- あなたに褒められたくて(2013年)
- 9番目のアンドロイド(2014年)
- 名も無き花の咲く頃に(2015年)
その他
- 賢者の贈り物(2003年、作:オー・ヘンリー、訳:大久保康雄、脚色:なかもとみゆき)
- 女か虎か(2004年、作:フランク・R・ストックトン、訳:中村能三、脚色:なかもとみゆき)
- 炎の乙女(2004年、作:ジェイン・ヨーレン、訳:村上博基、脚色:なかもとみゆき)
- 千の風になって(2004年・2005年・2006年・2008年・2009年、作:新井満、脚色:なかもとみゆき)
- ちいちゃんのかげおくり(2004年、作:あまんきみこ)
- おもちゃ(2005年、作:ハーヴィ・ジェイコブズ、訳:荒俣宏、脚色:なかもとみゆき)
- 父と息子(2005年、編:イタ・ハルバースタム、ジュディス・レヴィンサール、訳:加藤洋子、脚色:なかもとみゆき)
詩
山吹草太作
- 夏のゆくえ(2003年・2004年)
- 河のほとりで(2003年・2004年)
- 海は(2003年)
- 終戦記念日(2003年)
- 月のウサギ(2003年)
- 落葉の詩(2003年)
- 紫陽花の時代(2003年)
- 何も知らない(2003年・2004年)
- 昭和よ(2004年)
- 産声(2004年)
- 迷走(2004年)
- 昨日(2004年)
- 春の祈り(2004年・2005年)
- めぐる春と(2004年・2005年)
- 故郷の川に(2004年・2005年)
- 春の戯れ(2004年・2005年)
- 9月の桜(2005年)
- 母はタマゴ焼きを焼く(2005年・2007年・2012年)
- 幸せな老人と優しいその孫(2012年)
- 人の手と優しさ(2012年)
その他
- 都に雨の降るごとく(2003年、作:ポール・ヴェルレーヌ、訳:鈴木信太郎)
- ミラボー橋(2003年、作:ギヨーム・アポリネール、訳:堀口大學)
- 少女と雨(2003年、作:中原中也)
- 夕焼け(2003年、作:吉野弘)
- 生命は(2004年・2010年、作:吉野弘)
- 生きる(2004年・2010年、作:谷川俊太郎)
- 今日(2004年、作:谷川俊太郎)
- けふという日(2004年、作室生犀星)
MC
- 劇団飛行船制作『三匹の子豚』(2000年)
- NHKテレビアニメ『忍たま乱太郎』忍たま新春スペシャル忍たまランド(監修:総合ビジョン、2001年)
- 『ポエトリー・リーディング・noborito』(2003年 - 2005年)
- 『ポエトリー・リーディング・奈良』(2007年 - )
- 株式会社モンベル主催『モンベルフレンドフェア』(2008年 - )
- 宇陀商工会主催『榛原あいさこいさ祭り秋の伊勢街道おかげ祭り』(2011年)
- 奈良県主催奈良NPOセンター委託事業『みほんいち奈良県東部山間地域フォーラム&PR展』(2013年)
ラジオ・DJ
- ダイニングレストラン『なかもとみゆきのポエム・オブ・ミュージック・ボックス』DJ(2002年)
- FMかわさき『なかもとみゆきのポエトリー・ラジオ・ボックス』パーソナリティ(2004年)
- NHKラジオ第1放送『ここはふるさと・旅するラジオ』出演(2007年)