Papers, Please

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Papers,Please
ジャンル アドベンチャーゲーム
対応機種 Microsoft Windows XP以降
OS XMountain Lion(10.8)
Linux
開発元 アメリカ合衆国の旗 Lucas Pope
人数 1人
メディア ダウンロード販売
発売日 2013年8月9日(日本時間)
最新評価版 0.5.13
必要環境 CPU:Core 2 Duo1.5GHz
メモリ:2GB RAM
OpenGL:1.4以上
HDD:100MB以上の空き領域
解像度 最低1280×720
売上本数 50万本(2014年3月14日[1]
その他 対応言語:
日本語
英語
フランス語
ドイツ語
スペイン語
ブラジル/ポルトガル語
ロシア語
イタリア語
Metascore:85[2]
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Papers,Please』(ペーパーズプリーズ[3])は、日本在住のアメリカ人[2]であるルーカス・ポープ(Lucas Pope)[4][5][6]によるMicrosoft WindowsOS XLinux各搭載パソコン用インディーズゲーム(同人ゲーム)で、プレイヤーが1980年代の架空の共産主義国家における入国審査官に扮して主に入国希望者の書類審査を行うアドベンチャーゲームである。表題はゲーム内で主人公が入国希望者に対して最初に書類提出を促す際の台詞である。

沿革[編集]

作者によれば最初は自分のための実験的作品として約9ヶ月で制作したゲームだという[7]。開発中は状況をブログで公開し閲覧者からのフィードバックを得ながら進められた[5]2013年3月にSteamの「Steam Greenlight」[注 1]を通過、同年8月9日(日本時間)に同サイトをはじめ幾つかのダウンロード販売サイトにて発売された[8][2]。当初は英語版のみだった[9]2014年2月のアップデートで計8ヶ国語に対応、このうち日本語化を担当したPLAYISM[3]での取り扱いも同月開始された[10]。同年3月12日ロンドンで開催された英国アカデミーゲーム賞において「ストラテジー&シミュレーション部門賞」を受賞[11][1]、同年3月19日サンフランシスコで開催されたGDC2014において「Game Developers Choice Awards」の「Innovation Award」と「Best Downloadable Game」の2部門賞、同時開催されたインディーズゲームの祭典「Independent Games Festival英語版」(IGF)にて最優秀賞にあたる「Seumas McNally Grand Prize」のほか「Excellence in Narrative」と「Excellence in Design」の2部門賞をそれぞれ獲得した[12][13]。同年3月27日東京都スペイン大使館で催された「ゲームラボ・カンファレンス・イン・東京」[14]のゲストとしてこのゲームの作者も招かれた[7]。今後の展望として作者は2014年2月24日付VG247英語版のインタビュー[15]に対しPlayStation Vitaへの移植に関心を表明した[16]

概要[編集]

1982年に隣国との長い戦争を終えて国交を再開したばかりの架空の共産主義国「アルストツカ(Arstotzka)」を舞台に、国境の町・グレスティン(Grestin)で入国審査官に就いた人物を主人公とする。終戦を迎えて間もない国境には多くの入国希望者に混ざって不法入国者や不穏な人物も居り、プレイヤーは彼らの提出する書類を審査して入国の可否を判断しなければならない。一方、主人公は4人の家族を養っているが、日々の限られた給与から家賃を支払い、時には食費等の節約を迫られ、結果として家族の死に直面する場合もある。[17]そうして主人公以外の家族が死に絶えたり最低限の支出を賄えなくなるとゲームオーバーとなる。不正な誘いに乗るなどゲーム中の選択によって物語が分岐し、最終的に計20種類の結末に分かれる。一つの結末を迎えても任意の日付に遡ってやり直すこともできる。特定のエンディングを迎えると、物語を省いた「エンドレスモード」を遊ぶことが出来る。[2][18][19][6]

公式なゲームジャンルはアドベンチャーゲームだが、主人公は一日の最初と終わりの出退勤以外は国境検問所から移動せず、専ら日々変化する規則とパスポート査証その他書類などを照合して入国の可否を決める「間違い探し」の要素が強い[2][18][20]。また、戦後の混乱や不条理な政治環境下で家族を養う主人公や不法入国を求める人物たちの抱える事情を描く物語性もある[2][19][20]。グラフィックスは旧世代コンピュータゲームのようであり[9][6]、展開は全体的に淡々と進む[19][20]。作者のホームページからゲーム内日数で8日間遊べる無料のベータ版をダウンロードできる[21]。作者はこのゲームについて「実験的ゲームであったが故にふつうのゲームでは扱わない入国管理を主題とした点が評価されたと思う」とした[5]

ゲーム内容[編集]

操作はマウスのみで行い、ゲーム内で検問所に設備投資すればキーボードショートカットキーを併用できる。画面は上半分に屋外の入国ゲート付近、左下に入国希望者と対面する窓口、右下に書類等を読む机上の3つに分割されている[19]。ゲームは一日単位で区切られ、一定期間を無事に乗り切ることが目的となる。

一日の流れ[編集]

一日の最初に新聞を模した画面が表示され、見出しでアルストツカの状況を知ることができる。出勤すると入管(入国管理)省の「公報」でその日に留意すべき事柄を通達される[18]。窓口のシャッターを開け、検問所屋上のスピーカーをクリックすると入国希望者が入室する。審査はリアルタイムに進行し、画面左下の時計が退勤時刻になるか不測の事態による打ち切りで一日の業務が終了し、その日の清算が行われる。[21]

入国審査[編集]

入国希望者の提出した書類を右下へドラッグ・アンド・ドロップして拡大し、必要なものが揃っているかや記載事項に不審点が無いかを確認して、入国を認めるなら緑色の「APPROVED」、入国を拒否するなら赤色の「DENIED」のスタンプをパスポートに押印して書類一式を再びドラッグ・アンド・ドロップで入国希望者へ戻せば1人の審査が完了する。審査における規則や留意事項は毎朝の公報によって変化し、2日目以降は不審点を「調査モード」で相手に質問したり、透視装置で性別や隠し持った武器を確認したり、指紋を照合するといった内容も順次追加される。場合によっては警備を呼び入れて入国希望者を拘束させることもできる。入国させるべきでない人物を入国させたり問題の無い人物の入国を拒否するとミスを通告され、一日に3回以上ミスをすると清算時に罰金を徴収される。[17][21][2][18][19][20]

テロリズムへの対応[編集]

通常は入国希望者を呼ぶ以外に触れる機会の無い屋外の画面で、時おり入国ゲートを強引に突破したり、さらには警備を殺傷するなどのテロリズムが起きる場合がある。これが起きた時点で入国審査は強制終了され、一日が終わる。ゲームが進むと主人公にも麻酔銃や殺傷用のを渡され、そうした者たちをマウスクリックで狙撃し命中させれば清算でボーナスが支給される。[19][20]

清算[編集]

一日が終わると、その日に審査を正しく終えた人数に応じて給与が支給される。一方で「家賃」と審査ミスに応じた「罰金」が徴収され、これらを支払えなければゲームオーバーとなる。同時に支出する「食費」と「暖房費」、家族が病気の際の「薬代」の横には各々ラジオボタンがありそれらを支払わない選択もできるが、それにより家族の状態が悪化する可能性もある。また、不正取引を持ちかけられた際には同様にラジオボタン付きの報酬が示され、受け取るか否かを選択できる。清算で余ったクレジット(このゲームにおける通貨)は貯金として翌日以降に持ち越せるほか、国境検問所に設備投資することもできる。それに対して資金不足でも借り入れ等の選択肢は無い。[17][19][20]

世界観[編集]

 登場人物等 [編集]

主人公
このゲームのプレイヤーキャラクターで、氏名など詳細は明らかでないが、登場する写真でヒゲを蓄えている様子が伺える。ニルスクの出身。志願ではなく「勤労抽選」によりグレスティン国境検問所の入国審査官に指名された人物。着任と同時に割り当てられた8等級の賃貸住宅に暮らす妻と息子、義母、叔父の生活を自らの収入で支えている。
カレンスク(Calensk)
物語序盤~中盤で登場する警備兵。拘束者手当てとして拘束人数分のクレジットを融通してくれる。後に配置転換となった。
ディミトリ(Dimitri)
入国管理省(MOA:Ministry of Admission)に所属する地区責任者で、プレイヤーの上司に当たり、視察に来た際に審査官免状を渡しに来る(この際、余計な物まで掲示した状態で2度警告を受けるとバッドエンディングになる)。恋愛関係にある女性がいる。
セルジュ・ボルダ(Sergiu Volda)
物語中盤で配属されて来る警備兵。主人公と同じニルスク出身。6年戦争に参加しており、その際にコレチアで「エリサ」と言う女性と知り合い恋仲になっており、作中終盤で彼女絡みのイベントが発生する(これ以前・イベント中に死亡する場合がある)。イベント終了後に配置転換となる。
M.ヴォネル(M.Vonel)
アルストツカ情報省(MOI:Ministry of Infomation)に所属する特別捜査官。レジスタンス組織「EZIC」について捜査を行っている。
ジョルジ・コスタバ(Jorji Costava)
オブリスタン出身と思われる麻薬ディーラー・密輸業者の中年男性。パスポートを所持しないまま入国審査を受ける、手製のパスポートで入国を試みる、他人のパスポートを購入した上に薬の密輸を試みるなどした挙句、入国管理省に指名手配までされる等問題を起こすある意味での常連であるが、憎めない性格であり、複数のエンディングでキーマンとなる。
エリサ(Elisa Katsenja)
セルジュの彼女で、コレチア人。6年戦争中にセルジュと出会い恋仲となった。両親は既に死亡して孤独の身であり、作中後半セルジュに逢う為に国境検問所へやって来る(セルジュが死亡した場合は、悲嘆に暮れながら帰って行く)。入国の際に書類不備である為拒否する事も出来るが、入国を許可してセルジュが生存するとささやかなお礼をくれる。
EZIC
現アルストツカ政権の腐敗に対抗し、新アルストツカ設立の為に暗躍するレジスタンス組織。太陽のようなマークが特徴。作中、主人公に工作員の通過や暗殺者の殺害を依頼して来る。


 登場する国家 [編集]

アルストツカ(Arstotzka)
このゲームの舞台となる共産主義国。ゲーム開始以前に隣国「コレチア(Kolechia)」との間で6年間に及ぶ戦争をしていたが終戦を迎え、同国と境を接するグレスティンの半分を正当に取り戻しコレチアを含む周辺国との国交を回復したばかりで、不法入国者やスパイの侵入、テロリズムの横行など治安は良くない。[19][20]
コレチア(Kolechia)
アルストツカと合衆連邦を除く4カ国に面する国家で、アルストツカと6年戦争を行った相手国。分割されたグレスティンのうちの西グレスティンを擁し、国交は回復したものの現在でもアルストツカとの睨み合いが続く。国情はアルストツカより酷い模様(セルジュ曰く、アルストツカの10倍は酷い)。
オブリスタン(Obristan)
コレチアの北に位置する国。
インポール(Impor)
コレチアの西にある国。作中、1日限りだが、不平等な関税に関する抗議として、アルストツカからの輸入を禁止(逆にアルストツカは、インポール人の入国を拒否)している。
リパブリア(Repablia)
コレチアの北にあり、アンテグリアの西にある国家。
アンテグリア(Antegria)
コレチアの北にあり、リパブリアの東にある国家。専制政治を行っており、国民に迫害を行っている様子がアルストツカへ亡命しに来た夫婦から語られる他、内部告発者がアルストツカへ亡命して来る。
合衆連邦(United Federation)
アルストツカから最も遠く、オブリスタン・インポール・リパブリア・アンテグリアに接する国家。作中、ポリオが流行する。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ Steamで発売を予定するゲームの情報やデモ映像などを公開し、利用者に発売の可否を問う機能。(参考;Valve,ファンが新作リリースを決定する新システム,「Steam Greenlight」を発表”. 4Gamer.net (2012年7月10日). 2014年4月30日閲覧。

出典[編集]

  1. ^ a b 話題を呼んだ入国審査シム『Papers, Please』は現在までに50万本以上を販売”. Game*Spark(株式会社イード) (2014年3月14日). 2014年4月30日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 気になる*Spark 『Papers, Please』”. Game*Spark(株式会社イード) (2013年8月29日). 2014年4月29日閲覧。
  3. ^ a b Papers, Please(ペーパーズプリーズ)”. PLAYISM. 2014年5月20日閲覧。-カナ表記はページのタブ部分の括弧書きに基づく。
  4. ^ [GDC 2014]Independent Games Festivalの最優秀賞を受賞した「Papers, Please」をはじめ,GDC会場で見かけたインディーズゲームをピックアップして紹介”. 4Gamer.net (2014年3月24日). 2014年4月29日閲覧。
  5. ^ a b c 『Papers,Please』のルーカス・ポープ氏を直撃 家庭用ゲーム機向けはたぶん出すことになるかも”. ファミ通.com (2014年4月4日). 2014年5月5日閲覧。
  6. ^ a b c 独りで作り続けたゲームが全世界で大注目。入国管理官ゲーム「Papers,Please」”. エキレビ!(エキサイト) (2014年4月16日). 2014年5月5日閲覧。
  7. ^ a b 『Papers,Please』のポープ氏も登壇した注目のセッション“自主開発ゲーム開発者が抱える主な課題とは? 【ゲームラボ】”. ファミ通.com (2014年3月29日). 2014年5月5日閲覧。
  8. ^ 共産国での入国審査シム『Papers, Please』の配信日が決定”. Game*Spark(株式会社イード) (2013年8月2日). 2014年4月30日閲覧。
  9. ^ a b 偉大なる祖国Arstotzkaに栄光あれ! 話題を呼んだ入国審査官ゲー『Papers, Please』の日本語化が進行中【追記あり】”. ファミ通.com (2014年1月31日). 2014年5月5日閲覧。
  10. ^ アルストツカに栄光あれ! 入国審査官ゲー『Papers, Please』がついに日本語対応、Playismでの販売も開始”. ファミ通.com (2014年2月13日). 2014年4月30日閲覧。
  11. ^ Strategy And Simulation in 2014”. BAFTA GAMES(英国アカデミーゲーム賞). 2014年4月30日閲覧。
  12. ^ 『The Last Of Us(ラスト・オブ・アス)』が“ゲーム・オブ・ザ・イヤー”を受賞 『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』が“ハンドヘルド/モバイルゲーム賞”に【GDC 2014】”. ファミ通.com (2014年3月20日). 2014年5月5日閲覧。
  13. ^ [GDC 2014]「Game Developers Choice Awards」で久夛良木 健氏が生涯功労賞を受賞。Game of the Yearは「The Last Of Us」に”. 4Gamer.net (2014年3月20日). 2014年4月29日閲覧。
  14. ^ Gamelab Conference in Tokyo”. Gamelab Conference(外部サイト・英語). 2014-0-05閲覧。-「4:45pm-5:30pm」に「Papers Pleaseの開発者、ルーカス ポープ氏」の記載がある。
  15. ^ Papers, Please creator wants to do PS Vita version”. VG247 (2014年2月24日). 2014年5月5日閲覧。
  16. ^ 入国管理シム『Papers, Please』の作者Lucas Pope氏、PS Vita版のリリースに興味”. Game*Spark(株式会社イード) (2014年2月25日). 2014年5月5日閲覧。
  17. ^ a b c 架空の共産国で入国審査官になるインディーゲーム『Papers, Please』で小役人の悲哀を味わう”. ファミ通.com (2013年8月15日). 2014年5月5日閲覧。
  18. ^ a b c d 入国審査官になって人生の悲喜こもごもを味わう『Papers, Please』:Steam”. 週アスPLUS (2014年2月21日). 2014年5月5日閲覧。
  19. ^ a b c d e f g h 【週末ゲーム】第554回 ドラマチック入国審査官アドベンチャーゲーム「Papers, Please」”. 窓の杜 (2014年3月28日). 2014年5月5日閲覧。
  20. ^ a b c d e f g Papers, Please(レビュー)”. 4Gamer.net (2014年4月10日). 2014年4月29日閲覧。
  21. ^ a b c 入国審査官になり偽装パスポートやテロリストを見抜き家族を守るゲーム「Papers, Please」”. GIGAZINE (2013年8月20日). 2014年5月5日閲覧。

関連項目[編集]

  • Haxe-作者ホームページにて、このゲームに使用されたことが明かされているプログラミング言語(OpenFLを使用)。

外部リンク[編集]