OPS-9

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OPS-9
発展型のOPS-39-Y
種別 2次元レーダー
開発・運用史
開発国 日本の旗 日本
就役年 1966年(昭和41年)
送信機
周波数 X(I/J)バンド
送信尖頭電力 20 kW ※978型
アンテナ
形式 スリット型
ビーム幅 1.2度 ※978型
走査速度 24 rpm
※978型; おそらくOPS-9ではより低率
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OPS-9は、富士通製の2次元レーダー海上自衛隊自衛艦において、対水上捜索レーダーとして搭載された。

本機種は、沖電気工業製のOPS-4の後継となる、掃海艇向けのより高解像度のXバンド・レーダーとして開発された。開発は、当時漁船用レーダーでシェアを伸ばしていた富士通によって行われることになった[1]。またイギリス製の978型レーダーの技術が導入されたともされている[2]

OPS-9の特長は、4メートルにおよぶ細長いスリット・アンテナである。これは導波管に電波発射のスリットを切ったもので、アンテナの水平ビーム幅をシャープにして方位精度を向上させる必要から採用されたが、当時海外に例を見ないものであった。また電波も、通常はアンテナの一端から送られていたが、本機種では中心部から両端に向けて饋電された[1]

原型機OPS-9のほか、順次にB, C型が開発された。当初のOPS-9は送受信機・アンテナ部・指示器および真方位指示器で構成されていたが、OPS-9Bでは指示器の中に真方位指示器を組み込むとともに、方位情報を外部に伝送できるシンクロ発振器を組み込み、またソリッドステート化によって重量も軽減されている[2][3]

OPS-9は1966年(昭和41年)に実用化されたのち、OPS-4と同様、掃海艇のほかにも輸送艦艇や支援艦艇に広く搭載された。その後、1993年(平成5年)には、日本無線(JRC)により発展型のOPS-39が開発され、本機の後継となった[4]。ただし現在ではOPS-20などの航海レーダーが配備されていることから、OPS-39の配備はおおむね機雷戦艦艇に限定されている。

搭載艦艇

参考文献

  1. ^ a b 藤木平八郎「艦載レーダー発達の歴史 (特集 最近の艦載レーダー)」『世界の艦船』第607号、海人社、2003年2月、69-76頁、NAID 40005630579 
  2. ^ a b Norman Friedman (2006). The Naval Institute guide to world naval weapon systems. Naval Institute Press. ISBN 9781557502629. http://books.google.co.jp/books?id=4S3h8j_NEmkC 
  3. ^ 長井荒人「海上自衛隊の現有艦載レーダー」『世界の艦船』第433号、海人社、1991年3月、84-89頁。 
  4. ^ 「海上自衛隊の現有艦載レーダー」『世界の艦船』第607号、海人社、2003年2月、41-45頁、NAID 40005630576