JR貨物UT16C形コンテナ

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日輪所有の液化ガスタンク仕様、UT16C-8002大阪貨物(タ)にて、2003年4月7日撮影。

UT16C形コンテナ(UT16Cがたコンテナ)は、日本貨物鉄道(JR貨物)輸送用として籍を編入している、20 ft形の私有コンテナタンクコンテナ)である。

概要

本形式の数字部位 「 16 」は、コンテナの容積を元に決定される。このコンテナ容積16 ㎥の算出は、厳密には端数を四捨五入計算の為に、内容積が15.5 - 16.4 ㎥の間に属するコンテナが対象となる[1]。また形式末尾のアルファベット一桁部位 「 C 」は、コンテナの使用用途(主たる目的)が 「 危険品の輸送 」を表す記号として付与されている[2][3]

特記事項

このコンテナには、液体積載用とガス積載用(ただし、積荷としては液化ガス状態)の二種類の積荷に適した構造が同居している。ただしガスタンクコンテナは、ガス圧上の昇防止用に遮熱板(いわゆる、「キセ」と呼ばれる金属製の日除けカバー)で、タンクの上部が全面一体型で覆われている。また各ガスタンク式コンテナの共通特長として、片妻壁側のタンク球体面中央部位には、16個前後のボルトで止められたマンホール蓋(タンク内の点検口)が、必ず設置されている。

また、信越化学所有の8003 - 8006番(メチルトリクロロシラン)を積載している20 ft型のタンクコンテナは、国内法令上の最大総重量限度一杯となっている24 t級と重量のあるコンテナとなっている。この24t制限により、元々は同一積荷を積載するために先行してUT15C-8001番コンテナを(日本車両)で、自重4.8t・積荷19.2tとして製作して輸送していた[4]

しかし、少しでも多くの積載容量を確保するために当形式の8003 - 8006番では、別メーカー(極東開発[5])製造による改良点としてタンク保護枠に使用している、両側面の筋交い本数を半分に削減した。これにより、構造強度基準を確保ししつつ自重を約700kgほど減量して逆に積荷の積載容量が増し、コンテナ形式も旧形式のUT15C形から新形式のUT16C形へと変わった。

番台・番号別概説

8000番台

日輪所有の液化ガスタンク仕様、UT16C-8002。※右側妻壁側中央部位には、ガスタンク仕様特有の円形の点検口が見える。大阪貨物(タ)にて、2003年4月7日撮影。
8001 ・ 8002【2個】[5]
日輪所有。20 ft、ガスタンクコンテナ。積荷はジメチルアミン専用(化成品表記=毒 燃(G)26.3)。総重量15.1t。規格外ハローマーク(G=総重量・H=全高)付き。コンテナ最上部での作業用ハシゴは、片側面のみに設置。タンク保護枠付き四角形外観。積荷積載時の2段積禁止。
※総重量15.1tの重量級コンテナのために荷役の安全上、両側面下部のフォークポケット部位には「積コンテナの場合はフォーク作業禁止」の表記がある。また積載貨車を指定する「コキ100200」の標記もある。
  ↓
日新運輸所有、三菱ガス化学借受に変更。他、「コキ100積載限定」標記の変更および、輸送区間標記の廃止以外は変更なし。
8003 - 8006【4個】[5]
信越化学工業所有。20 ft、タンクコンテナ。積荷はメチルトリクロロシラン(KA-13)化成品表記=燃(禁水)34専用。自重4.8t、総重量24.0t。規格外ハローマーク(G=総重量・H=全高)付き。(極東開発)製造。倉賀野駅黒井駅間輸送専用。コンテナ最上部での作業用ハシゴは、片側面のみに設置。タンク保護枠付き四角形外観。積荷積載時の2段積禁止。
※総重量24tの重量級コンテナのために、フォークポケットはなくトップリフターの荷役作業となる。また積載貨車を指定する「コキ106200形式貨車限定」の標記もある。

脚注

出典

参考文献

  • 貨車技術発達史編纂委員会(編著)『日本の貨車 技術発達史 明治5(1872)年〜平成16(2004)年』社団法人日本鉄道車輌工業会、2008年3月。全国書誌番号:21465967 
※参考白黒写真掲載ページ → ---項。

外部サイト

関連項目