HAAP

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HAAP
2020年3月15日 池袋 LIVE INN ROSA にて
基本情報
出生名 飯塚 正俊
生誕 (1968-09-08) 1968年9月8日(55歳)
出身地 日本の旗 日本群馬県藤岡市
ジャンル エレクトロ
職業 ミュージシャン
DJ
歌手
作詞家
作曲家
担当楽器 ボーカル
ヴォコーダー
シンセサイザー
活動期間 2000年 -
レーベル T4P RECORDS (2007年)
HINOYA! RECORDS (2016年)
Nekon Records (2017年 - )
公式サイト HAAP Blog

HAAP(はーぷ、1968年 - )は、イイヅカ マサトシによる日本のソロ・エレクトロユニットである。

概要・来歴[編集]

14才の時に友人の勧めでアドリブの歌詞とメロディーを作り、カセットテープに録音したことがきっかけで音楽に目覚める。当初はコミックソングを中心に楽曲制作を行っていたが、イエロー・マジック・オーケストラのアルバム『BGM』に衝撃を受け、自らもテクノ・ミュージックを作ることを決意。友人から借りたシンセサイザーYAMAHA CS01とダブルカセットデッキを使い、多重録音を行うようになる[1]

高校生になり念願のシンセサイザーROLAND JUNO-106を購入すると、同時期に聴いていたエレクトロポップユニット「JULLAN」の影響もあり、自らの音楽性をエレクトロ・ポップへとチェンジしていく。新聞配達のバイトで得た収入をシーケンサーリズムマシン等の機材につぎ込むと、英詩によるエレクトロ・ポップの楽曲を多数制作するようになり、持ち味であるメロディーメイクの基礎を築いていくこととなる[1]

やがてメジャーデビューを目指すようになるが、その過程で様々な方向性を模索。日本語歌詞や自身のボーカルによるユニット、さらにはミクスチャーロック・バンドなど、これまでとは異なるジャンル・スタイルを試みるようになる。1999年には、サウンド・プログラム:イイヅカ、ヴォーカル:ナオミ、リリック:イーノによるユニット「Perfect Summer Cooler」でギターポップ系コンピレーション・アルバム『Space Scientist Umbrella』に2曲提供するも、最終的に活動終了となる[1][2]

2000年、原点であるテクノに立ち返るため、ソロユニット「HAAP」を始動する。「HAAP」という名前は、知人から勧められたオーロラを調査する「HAARP(ハープ)」というプログラムの名称に由来しており、その名称から「R」を抜いた「HAAP」という綴りがドイツ語的な語感とテクノらしさを感じさせるというのが採用の理由となっている[3]。当初は純粋なテクノミュージックを目指していたこともありテクノ色の強いサウンドであったが、mp3.com上に公開した『Elektra Paranoia』が海外で注目を得たことがきっかけとなり、作品の方向性を次第にエレクトロへとシフトチェンジしていく[1]2002年12月1日に自主制作アルバム『NEW ELECTRO PARADISCO』を発表。その後もマキシシングル『PLASTIC LOVE』、ライブアルバム『LIVE112202』など継続的に作品を発表していくと、その活動がテクノユニット・Cyborg'80sの小林"ZUNBA"和博の目に留まり、交流を深めていくこととなる[3]2005年8月1日、ZUNBA小林がディレクター、ドラゴンスピリットリッジレーサーなど数々のゲーム音楽で知られる細江慎治がプロデューサーを務めるレーベルTechno4Pop RECORDSから発売されたコンピレーションアルバム『テクノ4ポップ Vol.1』に『Plastic Love』を提供。2005年の夏にはZUNBA小林から単独リリースの打診を受け、2007年3月22日に1stアルバム『DISCONATION』をリリースする。こうしたHAAPの楽曲はメディアにも注目され、2001年に放送されたTBS系列ジャングルTV 〜タモリの法則〜」では『ELEKTRA PARANOIA (Prototype)』がナインティナイン岡村隆史ダチョウ倶楽部上島竜兵内山信二による即席ダンスユニットのダンス用BGMとして[4]、また『ELEKTRA PARANOIA』『DISCONATION』をミックス編集した楽曲がNHK-BSCOOL JAPAN〜発掘!かっこいいニッポン〜」のオープニングジングルとして長期間使用されることとなる[5]。その後も2008年イエロー・マジック・オーケストラレコーディング・エンジニアとして知られる寺田康彦主催のレーベル・THINK SYNC RECORDSのコンピレーションアルバム「CASUAL MEETINGS」に『Lonely Lonely』を提供するなど順調に活動を続けていたが、細部に強くこだわる制作スタイルが制作ペースに影響を与え、その後のアルバムを発表するまで長い年月を要することとなる[2]

2016年3月22日、9年の歳月をかけた2ndアルバム『HARDBOILED』を自身のレーベルから発表すると、オリジナルの楽曲制作のみならず、リミックスワークやライブなどアーティストとしての活動を再開。2017年8月16日Nekon Recordsより『Back to the Shanghai Disco』をリリースしソールドアウトさせると、2018年11月14日には再びNekon RecordsからLove The Candy'sとのスプリットシングル『HUB Extra Bundle』にて『Strange Girl』を発表。2019年4月24日には3rdアルバム『TIMELESS』を発売し、メディアにも取り上げられることとなる[6]。『TIMELESS』発表後は、リリースパーティーを含めたライブ活動も行なうほか、CutemenPicorinをゲストボーカルに迎えた『Life Without You』やレーベルメイトLove The Candy'sのlovelesとのコラボレーション『おねがいテレパシー』など、様々なスタイルの楽曲を発表している。

ディスコグラフィー[編集]

オリジナル・アルバム[編集]

発売日 タイトル 規格品番 収録曲 備考
2002年12月1日 NEW ELECTRO PARADISCO
2007年3月22日 DISCONATION SRTP-1006 1st Album

販売元:
T4P RECORDS

2007年4月14日 DISCONATION REMIXES 非売品
2016年3月22日 HARDBOILED HR-01 2nd Album

販売元:
HINOYA! RECORDS

2016年4月1日 HARDBOILED for DJ HR-02 販売元:

HINOYA! RECORDS

2016年9月29日 WORKS 99-11 HR-03 販売元:

HINOYA! RECORDS

2019年4月24日 TIMELESS NTKW26 販売元:

Nekon Records

シングル[編集]

発売日 タイトル 規格品番 収録曲 備考
2004年4月6日 PLASTIC LOVE
2017年8月16日 Back to the Shanghai Disco NTKW00018 販売元:

Nekon Records

2018年11月14日 HUB Extra Bundle 配信限定 販売元:

Nekon Records

2019年3月7日 Confusion 配信限定 販売元:

Nekon Records

2019年11月17日 RARITY WORKS Vol.1 HR-05 販売元:

HINOYA! RECORDS

2020年6月17日 I Miss The Music 配信限定 販売元:

Nekon Records

ライブ・アルバム[編集]

発売日 タイトル 規格品番 収録曲 備考
2004年10月10日 LIVE112202

コンピレーション・アルバム[編集]

発売日 タイトル 規格品番 収録曲 備考
2002年6月15日 World in Motion 販売元:

Creation

2005年3月20日 CREATION ONCE MORE

2005年3月20日、吉祥寺Fouth Floorで開催されたライブ「CREATION」にて配布された特製コンピレーションCD-R。
HAAPは『Start From Zero』を提供

コンピレーションアルバム参加者:
KOHEI SAKAE / not6 / DJイオ / petank / パリッコ / dextrax / HAAP / osmhtnk / haz / kova / ryu / prince / ebihara shigeki / FQTQ / ordyne

販売元:

Creation

2005年3月30日 TECHNO4POP VOL.1 SRIN-1022 販売元:

T4P Records

2008年7月9日 CASUAL MEETINGS XQEZ-1001 販売元:

THINK SYNC RECORDS

リミックス提供曲[編集]

発売日 アーティスト アルバム 規格品番 タイトル
2002年11月22日 FQTQ FQTQ REMIX CD
2005年8月17日 MISSWONDA Wonderful Tangent BONUS CD USGB-004
2009年5月5日 Princess Party 〜プリンセスパーティー〜 Princess Party ボーカルアルバム PBCA-0009
2009年10月28日 加瀬愛奈 ai PBCA-0011
2017年4月12日 Love The Candy's COLLECT IN ME Remix CD
2019年4月24日 Candy Collection HAAP/TIMELESS NTKW26
2019年11月6日 RABiN×LOViN I want you

ミュージックビデオ[編集]

曲名 備考
HAAP feat. Naomi - The River Flowing To Death (JULLAN Cover) - YouTube エレクトロポップユニット「JULLAN」のカヴァー
Confusion (1987 Prototype) - YouTube アルバム『Confusion』タイトル曲『Confusion』の元となった曲。1987年制作
アルバム『HARDBOILED』【アルバムダイジェスト】 - YouTube 2ndアルバム『HARDBOILED』のアルバムダイジェストムービー
アルバム『TIMELESS』【予告編】 - YouTube 3rdアルバム『TIMELESS』のアルバムダイジェストムービー
Weathers feat. Ayup1ko (Short Edit) - YouTube 3rdアルバム『TIMELESS』収録曲。Ayup1ko(ex. Tokyo Electro Beat Park)をゲストボーカルに迎えたピュアシンセポップチューン
Weathers feat. Ayup1ko (Lyric Video) - YouTube 3rdアルバム『TIMELESS』収録曲に歌詞テロップ(対訳付)を付けて映像化した作品
Timeless feat. Eika Lee (Lyric Video) - YouTube 3rdアルバム『TIMELESS』のタイトル曲『Timeless』の前半部分をリリックビデオ化した作品
Be With You (JULLAN Cover) - YouTube 3rdアルバム『TIMELESS』収録のカヴァー曲。エレクトロポップユニット「JULLAN」のカヴァー第二弾
Life Without You feat. Picorin (JULLAN Cover) - YouTube Picorin(Cutemen/Love The Candy's)をゲストボーカルに迎えた、エレクトロポップユニット「JULLAN」のカヴァー第三弾
I want you (HAAP Remix)【予告編】 - YouTube 沖縄を拠点に活動するトラックメーカー/ボーカリストRABiN×LOViNのシングル「I want you」に提供したリミックスの予告編
おねがいテレパシー feat. Yuri【ショートPV】 - YouTube レーベルメイトLove The Candy'sのlovelesとのコラボレーションシングル。ポエトリーリーディングのyuriをボーカルに迎え、同じメロディーを使ってHAAP、lovelesそれぞれが作成したインディーポップチューン。PVはHAAPバージョン
Escalation (Live) @池袋LIVE INN ROSA, 2020.3.15 - YouTube 2ndアルバム『HARDBOILED』収録『Escalation』のライブ映像。2020年3月15日に開催された「超電子COMPLEX」より
I Miss The Music - YouTube 2020年初シングルであり、HAAP初の日本語シングルとなる楽曲のMV。コーラスに参加したメンバーが映像でも登場している

主なライブ[編集]

日付・会場・詳細
2002年
2005年
2006年
2007年
2008年
2017年
2018年
2019年
2020年

脚注[編集]

外部リンク[編集]