電人ザボーガー (映画)

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電人ザボーガー
ジャンル 特撮ヒーロー、アクション
映画
監督 井口昇
制作 キングレコード日活
封切日 2011年10月15日日本の旗
上映時間 114分
テンプレート - ノート
電人ザボーガー
監督 井口昇
脚本 井口昇
出演者 板尾創路
古原靖久
山崎真実
宮下雄也RUN&GUN
佐津川愛美
渡辺裕之
柄本明
竹中直人
音楽 福田裕彦
主題歌 高野二郎
「戦え! 電人ザボーガー」
撮影 長野泰隆
編集 和田剛
製作会社 「電人ザボーガー」フィルム・パートナーズ
配給 キングレコード
ティ・ジョイ
公開 日本の旗 2011年10月15日
上映時間 114分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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電人ザボーガー』(でんじんザボーガー)は、2011年10月15日に封切られた日本の特撮映画(配給協力・日活)、および作中に登場する架空のロボットの名称。監督は井口昇。キャッチコピーは「あきらめるな! 立ち上がれ!」。同題の特撮テレビ番組の『電人ザボーガー』のリブート[1]である。

概要[編集]

『電人ザボーガー』をベースに、主人公・大門豊&ザボーガーと悪の組織・Σの約四半世紀(25年)間にわたる戦いを2部構成で描いており、豊は青年時代(第1部・青年期の章)を古原靖久、熟年時代(第2部・熟年期の章)を板尾創路がそれぞれ演じている[2]。基本的に旧作を忠実に再現しているが、旧作には無かったギャグ、パロディ、ラブコメ等の要素も取り入れた娯楽作品に練り直されているのが特徴。「空手の特訓でお地蔵さんを破壊する」「墓地で戦う」「戦闘員に過剰な攻撃を加える」「ほぼ垂直の巨大ロボをバイクでよじ登る」といった“困った”要素もふんだんに取り入れている。

監督の井口昇は旧作のファンであった[3]

ストーリー[編集]

第1部「たたかえ! 電人ザボーガー! 」
双子として生まれた大門豊はΣにより屈辱的な死を遂げた父・大門博士が死んだ弟の遺伝子で作り上げたスーパーロボット・電人ザボーガーとともに悪のサイボーグ組織・Σと戦う。Σは権力者の遺伝子を元に巨大ロボットを作り上げようとしていた。激闘の中、Σの女幹部・ミスボーグと豊との間には奇妙な交流が芽生える。そして、汚職政治家を命を賭けて守らなければならないという自らの「正義」に疑問を抱く。それはやがて、大いなる悲劇へとつながる禁断の扉の幕開けでもあった。
第2部「耐えろ大門! 人生の海を! 」
Σとの戦いの中起こった悲劇から25年が過ぎ、秘密刑事も辞め熟年になっていた豊は些細な失敗がもとで失職。糖尿病を病み、腰痛を抱える中年男になりはてていた豊にはもはや正義の心は枯れ果てていた。25年後も“まだ”遺伝子集めのため誘拐を続けるΣ。再就職のためハローワークを訪れていた豊の前にΣの新たな幹部・秋月が現れる。最早戦いにすらならない二人の勝負に割って入ったのは謎の美少女サイボーグだった。
はたして美少女サイボーグの正体は?そして、Σが“やっと”完成させた巨大ロボを豊は倒せるのだろうか?

登場キャラクター[編集]

2部構成であり、第2部は第1部の25年後となっている。共通して登場するキャラクターは、主役の大門豊、Σの首領・悪ノ宮、新田警部、中野刑事、松江刑事、若杉議員の6名(とザボーガー、ブラックホークの2機)[4]で、大門以外の5名の役者は引き続いて登場する。大門役の俳優は、2部を通じて出演していない[5]

特に説明のないキャラクターは、オリジナル版を元にしている。

大門豊(青年期) - 古原靖久
第1部の主人公。弟の遺伝子を持つザボーガーをパートナーにΣと戦う秘密刑事。正義感あふれる熱血漢で空手の達人。ただ、職務と私怨をごっちゃにし、人の話を聞かない悪い癖がある。好きな食べ物はシュークリーム。また若干マゾの気がある。
戦いの中でミスボーグと互いに心惹かれあい恋に落ちるが、それが悲劇の幕開けとなってしまう。
大門豊(熟年期) - 板尾創路
第2部の主人公。第1部のラストでザボーガーとミスボーグを失い、秘密警察を退職後、若杉総理の運転手となっていたが解雇される。
好物であるシュークリームを摂り過ぎて糖尿病を患ってしまい、インスリンが手放せない体になっている。腰痛持ちで飛竜三段蹴りも使えなくなっており、ザボーガーを失ってもなおヘルメットは愛用している。
ザボーガー
変形型バイクロボットであり、大門豊のパートナー。ロボット形態の身長はなぜか豊よりも小さい。活動源のダイモニウムには意外な秘密がある。デザインはオリジナル版とほぼ同じだが、バイク形態では両腕が収納されずフロントフォークに添うように配置される、ロボット形態ではタイヤが完全に収納されず一部露出しているなどの相違点がある。
シグマザボーガー
25年前に大破したザボーガーをΣが回収し、改造した。その後、悪用されていた。
ストロングザボーガー
シグマザボーガーを大門が奪回してレストアし、パワーアップした。
腰部のパーツがジェットエンジンになっており[6]、胸の中央部にダイモニウムキャノンが収納されているなど、オリジナル版とは一部仕様が異なっている。バイク形態は本作で初登場。
パラリンザボーガー
第2部の終盤にて登場。
バイク形態は2輪から3輪となったが、ロボット形態は未披露。
ミスボーグ - 山崎真実
主に第1部に登場。サイボーグ組織Σの幹部で、男に捨てられて死んだ女性の細胞を基に作られたサイボーグ。その心には男性への憎悪だけがインプットされていたが、女性への憎悪がインプットされた他の幹部たちと対立しており、悪ノ宮博士からは失敗作呼ばわりされているせいでΣ内では孤立している。ふとしたことから大門と恋におちる。
秋月玄 - 宮下雄也RUN&GUN
第2部に登場。Σの新たなる若き幹部で人間。孤児として悪ノ宮に育てられたが、実は意外な出生の秘密を持っている。ミスボーグの遺品として放置されていたブラックホークを駆り、ザボーガーを悪の手先として作り変える。豊のことはダイモーンと呼ぶ。
AKIKO(レディボーグ)[7] - 佐津川愛美
第2部に登場するΣを脱走した美少女サイボーグ。秋月の妹で物語のキーとなる存在。彼女にも出生の秘密がある。
新田警部 - 渡辺裕之
警視庁警部。第2部ではリストラされ、妻子に逃げられてしまい、中野らとともに「ニコニコ同盟」を結成する。
パロディとして「松江健」役も担うことになる。
中野刑事 - デモ田中
オリジナル同様、新田の部下。第2部では車椅子を常用する身となっている(「過去の事故で足に重傷を負った」という設定)。
松江刑事 - 岸建太朗
新田の部下。オリジナル版の松江健と同じ役割を担っている。
若杉議員 - 木下ほうか
本作オリジナルキャラクター。Σの標的にされた国会議員で、自分の利益しか考えない本性を持つ卑劣漢。
第2部では総理大臣となっており、自分の邪魔となる人物たちをΣの人間狩りで始末させ、その見返りに資金提供などをしていたが、悪ノ宮のジャンボメカが完成するや用済みとなり、国会ごと潰されて死亡する。
悪ノ宮博士 - 柄本明
Σの総統で科学者。Σのサイボーグやロボットは彼が製作したものである。片腕はスタンガンにもなる義手、片足はある特定のステップを踏む事でナイフを膝の部分から発射する仕掛けの義足になっていて足が不自由で車椅子を常用しているが、オリジナル版と異なり立ち上がる描写がある。
かつて国家の命令で秘密兵器開発に携わったが失敗に終わり、秘密保持のために殺されかけた過去がある。その際、顔の半分を負傷し、その醜い傷跡を仮面で隠している。この時、人間に対する深く激しい恨みと復讐心を抱くようになり、Σ創設のきっかけとなった。
第2部では喘息を患っている。
大門勇博士 - 竹中直人
豊の父。天才科学者でロボット工学の権威としてノーベル賞も受賞している。双子の出産で妻を失った後、男手一つで豊を育てる。(弟の方はとある理由がもと?で死亡)ダイモニウムの発明者でありザボーガーの開発者。才能を認め協力者にしようとした悪ノ宮に拉致される。その際、余計な一言がもとで屈辱的な拷問を受ける。改造手術を拒んで自ら空に飛び出した後、豊ら空手道場一行の目の前でΣ大魔城のキャノン砲で撃墜されて殺された。オリジナル版よりも奇矯な人物となっている。
Σ団サイボーグ幹部
アパッチドリル - 山中アラタ / キングアフリカ - 村上浩章 / 眼帯男爵 - 石川ゆうや / エレキアンデス - 佐藤佐吉 / バーナーエイト - 松浦祐也
Σの幹部。人間に裏切られて死んだ者たちが素体になっている。その心には女性への憎悪がインプットされており、ミスボーグと仲間割れを起こすことが多い。
キングアフリカとエレキアンデスは、大門博士を拷問した張本人である。
眼帯男爵は、オリジナル版の「海賊ジャック」に相当するキャラクター。
アパッチドリルは、オリジナル版とは異なりドリルを装備しておらず、ヌンチャクを使用する(本作では、エレキアンデスがドリルを装備している)。
バーナーエイトは、オリジナル版第19話(名称は「バーナー8」)ではメカボーグの1体にすぎなかったが、本作では幹部に昇格している。オリジナル版に登場した人間態の衣装は『ジャンボーグA』に登場した主人公のパイロットスーツを改造、流用したものだったが[8]、本作でもこのスーツのデザインがそのまま踏襲されている。
ミスラガーズ
ラガーレッド - 亜紗美 / ラガーブルー - 泉カイ / ラガーイエロー - 村田唯
悪ノ宮博士が、「衆議院議員襲撃作戦」でミスボーグをサポートするために作ったロボット3人娘。ジェット噴射で飛行する能力を持ち、怪力とアメフトボール型の爆弾が武器。ミスボーグをお姉様と呼び、彼女の指揮下にあるものの、監視役の任務も兼ねている。
レッドとイエローは胸部から、ブルーは尻から恐竜の頭部を出して敵を攻撃する。イエローは水着美女に変身した。
オリジナル版第17話のラガーズ1 - 3と第20話のアンドロイド3人衆を女性に置き換えている(アメフトボール型爆弾のパスも同様)。身体の各部から恐竜の頭部を出す攻撃は、彼女たちに襲われた議員の台詞にもあるように恐竜軍団(オリジナル第4クールの敵)のオマージュである。
ブラックホーク
ミスボーグが駆るオートバイ。オリジナル版に登場したマシーン・ホークのリメイク。オリジナル版では変型しなかったが、本作では女性の心を持ったロボット形態に変型する。第2部では秋月が使用。
ヨロイデス
最初に登場したロボットで、本作オリジナル。ミスボーグが操る。
当世具足に化けて国会議事堂に潜入していた。2本の日本刀で敵を攻撃し、仮面の下の巨大な唇で人間のDNAを吸い取る。
アリザイラー
第1部に登場。オリジナル版第1話に登場した敵ロボットのリメイク。デザインはオリジナル版とは異なっている。
地中を移動する能力を持ち、口と尻からあらゆる物を溶かす毒液を噴出する。
ブルガンダー
第1部に登場。オリジナル版第26・27話に登場した敵ロボットのリメイク。
ブルドックの顔と両腕がついたトラック。手から発する衝撃波と、巨体を活かした突進と怪力で敵を攻撃し、長く伸びる舌と鋭い牙で人間を捕食する。唸り声とサイレン、頭部の赤い回転灯で感情を表現しているが、同時に弱点でもある。
オリジナル版を踏襲したデザイン、造型となっているが、配色は異なり、両腕はCGで処理されている。
第2部では、ジャンボメカ体内の警備ロボットとして、オリジナル版に近い配色の小型バージョン「ミニブルガンダー」が登場した。
ジャンボメカ - 佐津川愛美[9]
第2部に登場。オリジナル版第11話にも登場したが、本作では意外な正体を持つ。
胸からミサイル、目からビームを放つ。携帯電話(巨人サイズ)を使用し、電磁波(音波?)攻撃で、周囲の群衆の頭部を破壊していった[10]
大門豊(老年期) - きくち英一
第2部のラストを飾る数十年後の大門。パラリンザボーガーに乗り、信念を貫いている。

スタッフ[編集]

  • 監督・脚本 - 井口昇
  • 企画・原作 - ピー・プロダクション
  • エグゼクティブプロデューサー - 大月俊倫
  • プロデューサー - 池田慎一、千葉善紀
  • 協力プロデューサー - 山田宏幸、野村ノブヨ
  • ラインプロデューサー - 内山亮
  • テレビシリーズ原案 - 小池一夫
  • 監修 - 鷺巣詩郎
  • 撮影監督 - 長野泰隆J.S.C.
  • 照明 - 安部力
  • 録音 - 永口靖
  • 美術 - 福田宣
  • 特殊造型監督・キャラクターデザイン - 西村喜廣[11]
  • 装飾 - 渡辺誉慶
  • 衣裳 - 吉田実穂
  • ヘアメイク - リョータ
  • アクション監督 - カラサワイサオ[12]
  • VFXスーパーバイザー - 鹿角剛司
  • CGIディレクター - 水石徹
  • 編集 - 和田剛
  • 整音 - 吉田憲義
  • 効果 - 渋谷圭介、佐藤祥子
  • メインタイトルポスタービジュアルデザイン - 高橋ヨシキ
  • 助監督 - 土岐洋介
  • 特殊造型・特殊メイク助監督 - 西村映造、自由廊
  • 原型製作 - J.FACTORY
  • アイキャッチイラスト - 田宮教昭
  • 脚本協力 - 継田淳
  • VFX - スタジオ・バックボーン
  • シグマ城デザイン - 西澤安施
  • アクション - TEAM ZERO' S
  • オリジナル・スコア - 菊池俊輔
  • 音楽監督・編曲 - 福田裕彦
  • 宣伝プロデューサー - 大場渉太
  • 制作プロダクション - 有限会社サムシングクリエイション
  • 配給 - キングレコード株式会社ティ・ジョイ
  • 配給協力・宣伝 - 日活株式会社
  • 原型製作 - J.FACTORY
  • 「電人ザボーガー」フィルム・パートナーズ - キングレコード株式会社(森山敦)、日活株式会社(鳥羽乾二郎)
  • 製作 - キングレコード株式会社、日活株式会社

主題歌[編集]

オープニングテーマ 「戦え! 電人ザボーガー」
作詞 - 上原正三 / 作曲 - 菊池俊輔 / 編曲 - 菊池俊輔、福田裕彦 / 歌 - 高野二郎
エンディングテーマ 「おれの兄弟 電人ザボーガー」
作詞 - 上原正三 / 作曲 - 菊池俊輔 / 編曲 - 菊池俊輔、福田裕彦 / 歌 - 高野二郎
挿入歌「戦え! 電人ザボーガー」
作詞 - 上原正三 / 作・編曲 - 菊池俊輔 / 歌 - 子門真人
挿入歌「おれの兄弟 電人ザボーガー」
作詞 - 上原正三 / 作・編曲 - 菊池俊輔 / 歌 - 子門真人

挿入歌はオリジナルの主題歌・副主題歌をそのまま使用したものであり、新録ではない。

備考[編集]

先行公開・予告
2011年1月28日・29日、2月5日(現地時刻)には特別編集版がロッテルダム映画祭スペクトル部門でワールドプレミア上映。これが公式の世界初公開となった。
公開に先立ち、同年7月から東京メトロポリタンテレビ(TOKYO MX)でオリジナル版『電人ザボーガー』第1 - 13話を放送した。この放送枠のCMで、30秒トレーラーと映画館などで上映される予告編本編とが併せて放送されていた。
映像ソフトには「撮影打ち上げ用予告」、「したまちコメディ映画祭用予告」、「特撮」、「本予告」、「板尾創路バージョン予告」の各編が収録されている。特に「撮影打ち上げ用予告」はCG処理もなく、特撮のネタバレもしているレアなものである。解説で井口昇は「関係者に大ウケだった」とコメントしている。
評価
同年9月26日、2011年度ファンタスティック・フェスト、ファンタスティック部門、監督賞受賞。
ぴあ初日満足度ランキング(ぴあ映画生活)2011年10月14日の公開映画として89.8点で第1位を獲得。
2011年の日本オタク大賞を受賞した。

がんばれ!電人ザボーガー![編集]

『電人ザボーガー』上映館で週替り上映されたスピンオフ短編[9]。全13話[9]

  1. 「火事を消せ!」の巻
  2. 「出前を届けろ」の巻
  3. 「ローライズGパン」の巻
  4. 「ヤツを張り込め!」の巻
  5. 「100円玉を拾え!」の巻
  6. 「イイ女を捕まえろ!」の巻
  7. 「大相撲!」の巻
  8. 「ザボーガークイズ」
  9. 「にらめっこで勝負だ!」の巻
  10. 「男と添い寝」の巻
  11. 「怒りの潜入捜査!」の巻
  12. 「誕生日ケーキ」の巻
  13. 「つぶせ!ザボーガー」の巻

脚注[編集]

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  1. ^ 映画『電人ザボーガー』
  2. ^ 板尾主演で「電人ザボーガー」映画化! 36年ぶり復活ヒーローに変身スポーツ報知 2010年6月11日[リンク切れ]
  3. ^ 宇宙船YB 2012, p. 30.
  4. ^ ミスボーグは第2部のクライマックスで、「ジャンボメカのデータ内」に登場する。
  5. ^ 第2部の回想シーンでは、第1部の大門とミスボーグ(の一部)、大門博士が登場する。
  6. ^ オリジナルはストロングバズーカ。
  7. ^ 撮影打ち上げ用予告では「明子」になっている。
  8. ^ 『別冊映画秘宝 電人ザボーガー&ピー・プロ特撮大図鑑』(洋泉社・2011年) p.145
  9. ^ a b c 宇宙船YB 2012, p. 31
  10. ^ 携帯電話での会話の内容は、オリジナル版第25話に登場した忍者ロボット・ジャニンにオリジナル版第2・3話に登場したゴリコングにストーキングされている悩みを話しているという設定である。
  11. ^ 「空手の師匠」として劇中にも出演。
  12. ^ ザボーガーのスーツアクターも兼任。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]