蟹挟

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蟹鋏捕

蟹挟(かにばさみ)は、柔道横捨身技の一つ。柔道では現在、禁止技となっている。サンボ総合格闘技では、足関節技を仕掛けるためにこの技を使用することがある。

概要[編集]

立っている相手に自らスライディングし、相手の両太腿または膝を自らの両足で挟み込み、後方に倒す。サンボ総合格闘技ではテイクダウンすることよりも、その後で足関節 技を狙うために使用される。他の技のような熟練を必要としないため簡単に覚えることが出来る。

要点[編集]

試合では奇襲技として効果を上げているが、技の性質上「一本」を取ることは難しい。そのため固技の連携も不可欠である。

連携としては「大車」→「蟹挟」がよく使われる。相手が「払腰」で避けても同様に決めることが出来るため効果的な連続技である。

歴史[編集]

天神真楊流に「蟹鋏捕」という技が存在する。『柔道極意教範』には「この形は最も他派に掛かりやすき手にて、常にこの形を十分に稽古を勉強すべき者なり」と書かれており他流試合では非常に有効であったとされる。なお天神真楊流以外の流派に「蟹挟」が存在したかは不明である。

講道館柔道では昔から有る技だが、正式に講道館の技と認められたのは1982年と比較的最近のことである。

柔道で禁止技となった経緯[編集]

「蟹挟」での負傷例は非常に多く、禁止技にするかをたびたび議論されていた。この技は、後方に倒された時よりも、仕掛けられて倒れるのを嫌いこらえる時の方が、膝関節や靭帯を損傷する可能性が高いためである。

1980年全日本選抜柔道体重別選手権大会で、遠藤純男が蟹挟みを仕掛けた時に、山下泰裕が左足腓骨を骨折し、大きな反響を呼んだ。

山下の骨折から二か月後に全日本柔道連盟の委員会が開かれ、「蟹挟」の是非について検討され禁止賛成派と反対派に別れた。

禁止賛成派の意見
現在のビニール畳は足が滑らず危険である
柔道が危険なスポーツと思われるのは好ましくない
負傷は事実上の「負け」であり、相手を負傷に追い込んで勝つという手段に用いられる
禁止反対派の意見
合理的に掛ければ負傷することはまずない
掛けられた方の対応が未熟である
柔道の伝統が失われる

といった具合で結論が出ず、暫定的に「少年男子」の部は禁止とし、「成年男子」は現行通り認めるということになった。

その後1994年にルールの改正で「蟹挟」は禁止技となった。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]