浮落

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

浮落(うきおとし)は、柔道投技の一つである。手技15本の一つ。

概要[編集]

右組の場合、高く相手(受)を右前隅に崩したあと、引手と釣手で強く引き落とし投げる。受が体が浮かされたような状態にするほど大きな崩しすることで受は足が出すなどして防ぐことができない。逆に言えばそれほど完璧な崩しがなければ投げることができないとも言え、現在試合や乱取りでこの技を見ることは極めてまれである。強い崩しがないと投げられない技であることから崩しの技法を体得するために投の形に含まれている。形の演武の中では取は膝をついて投げるが、膝をつかなくても浮落となることはある。手足で刈ったり腰に乗せたりすることなく投げることから、隅落とともに空気投げの一つとされる技である。

歴史[編集]

浮落は石黒敬七八段(1897年 - 1971年)によって開発された。石黒が旧制柏崎中学に在学時、中野正三九段(当時四段)が出稽古に来た。そのときに中野が気まぐれにやった振り回して投げるような技に感激した石黒は見様見真似でその技を研究し浮落を完成させた。その後、早稲田大学在学中に仲間から技の名前を「空気投げ」とすることを勧められ、それが宣伝されるようになり広まっていった[1]。近年では1997年の世界柔道86kg級代表であった藤田博臣がこの技を得意にしていた。さらに女子では塚田真希が度々この技を使っていた。

返し技への発展[編集]

浮落は上述のように乱取りで単独で使うには非常に難しい技ではあるが、相手の技をすかしたり返す場合には相手の技の勢いを使うことができるため、返し技として比較的容易になる(それでもかなり高度な技である)。それらの技法から小内返大内返内股すかしが生まれた。

参考文献・脚注[編集]

  1. ^ 醍醐敏郎『写真解説 講道館柔道投技 上』本の友社 1999年 ISBN 4-89439-188-0

外部リンク[編集]