炎〜あなたがここにいてほしい

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炎~あなたがここにいてほしい
ピンク・フロイドスタジオ・アルバム
リリース 1975年9月15日
ジャンル プログレッシブ・ロック
時間 44分24秒
レーベル イギリスの旗ハーヴェスト
EMI(再発盤)
アメリカ合衆国の旗コロムビア
キャピトル(再発盤)
プロデュース ピンク・フロイド
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
ゴールド等認定
  • 600万枚(米国・RIAA
  • 2,200万枚(全世界)[1]
ピンク・フロイド 年表
狂気
(1973年)
炎~あなたがここにいてほしい
(1975年)
アニマルズ
(1977年)
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炎~あなたがここにいてほしい』(原題:Wish You Were Here)は、1975年に発表されたピンク・フロイドアルバム。全英・全米第1位という大ヒットを記録した。

黒色の不透過シュリンクラップを破くと、体が燃えている男が握手をしている写真が現れるというジャケットは、ヒプノシスによるデザイン。『あなたがここにいてほしい』というやや意訳した邦題は、メンバーが日本側に指定してきたもの。

『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』に於いて、211位にランクイン[2]

概要[編集]

1973年に発表した『狂気』が大ヒットし、バンドは一躍スターダムにのし上がり億万長者となった。1973年にコンサートをこなした後バンドは長期休暇に入り、メンバーは各々好きなことをして時間をすごしていた。したがって、バンドとしての活動が長期にわたって中断したため、実質的に解散状態となっていた。

バンドは1974年にコンサート・ツアーがあるため活動を再開し、数曲の新曲も出来上がったが、1975年に入ってレコーディングをしようとした際、バンドのメンバーがレコーディングに集中できず、遅々として進まない状態が続いた。ロジャー・ウォーターズは、この状況下であくまでアルバムのレコーディングを続けるなら、現在のバンドの状態を具現化したもの、またそれに関連した曲を作り上げて収録しようと決定したのだった。

こうして完成したアルバムについて、ウォーターズは「とうとうアルバムをつくったら、そのアルバムの内容は“何も作り出せない”ということだった」と説明している。

完成までの経緯[編集]

当初、楽器を一切使わずにコップやナイフ、マッチ棒などの日用品のみで演奏をする『Household Objects』というアルバムを作ろうとしていた。これは1973年11月のディスク誌でスクープとして報道され、その後12月には2曲が完成して、1974年2月にリリースと発表されている。しかし、次第にメンバーの興味が薄れていき、これは完成には至らなかった[3]

1974年6月にフランス・ツアーを行い、ここで「Shine On You Crazy Diamond」「Raving And Drooling」の2曲が披露された。また同年の秋から冬にかけてイギリスでコンサート・ツアーを行い、上記2曲に加えて「You've Gotta Be Crazy」も演奏された。新作はこの3曲を収録することが決まりかけていたが、このイギリスでのツアーの模様を収録した海賊盤がリリースされ、空前のヒットを記録するという事態になってしまった(1975年5月頃に発売された海賊盤は15万枚というセールスとなっている[3])。そのため新たにアルバムの内容を再考せざるを得なくなり、「Shine On」以外の2曲の収録は見送られた。また、新曲をアルバム発売前にコンサートで披露することもなくなった。

そうして再開されたアルバムのレコーディングは困難を極めた。新作の収録に際して新たなレコーディング・スタジオを使用していたが、不慣れなエンジニアが収録したテイクに間違えてエコーをかけてしまったため、再レコーディングをせざるを得なくなった。

1974年11月には、メロディーメーカー誌で「1975年1月から2月にかけてレコーデイングされ、3月にリリースされる」という報道がなされたが、制作は遅れ、既に決定済みだった4月のシアトルから7月初旬のネブワースまでのコンサート・ツアーによってレコーディングは中断。その後再開された[3]

こうした紆余曲折を経て1975年9月にようやくリリースされた本作は、発売されるや全英1位(10月4日付け[4])、及び米ビルボード・アルバム・チャート1位(10月4日及び11日の2週連続[5])を記録するヒットとなった。

アルバム内容[編集]

大作「狂ったダイアモンド」の2部作に挟まれる形で3曲が並んでいる。既に述べたように、アルバム発表にあたって「Shine on」を二つに分割して収録することにし、ウォーターズが書き下ろした曲を2曲付け加えた。

「狂ったダイアモンド」は、かつてのリーダー、シド・バレットへ捧げられた曲だといわれている。しかし、全作詞を担当したウォーターズは「決してシドのみに向けたメッセージではなく、すべての人間に当てはまることだ」とも語っている。

「ようこそマシーンへ」のミュージック・ビデオは、後に『ザ・ウォール』のアニメーションを担当することとなるジェラルド・スカーフが製作した。

「葉巻はいかが」では、バンドの古くからの友人であるロイ・ハーパーがリード・ヴォーカルを取っている。ウォーターズは自分の声域に合わなかったため、ギルモアにボーカルを取らせようとしたが、彼が歌詞の内容を気に入らなかったため、ちょうど隣のスタジオでアルバムのレコーディングをしていたハーパーに依頼した。但しライブではウォーターズがヴォーカルを取っている。また、ハーパーは1975年7月5日(ツアー最終日)のネブワース公演においてゲスト出演してヴォーカルを披露している。

「あなたがここにいてほしい」は、詞が最初にできて、それに曲をつけたものである。「ようこそマシーンへ」と同じく、1975年のツアー終了後に完成した楽曲であり、1977年のアニマルズ・ツアーで初披露された。

また、これ以降は『アニマルズ』(1977年)や『ザ・ウォール』(1979年)といった非常にウォーターズの色合いが濃い作品が続く。

なお、収録が見送られた「You've Gotta Be Crazy」「Raving And Drooling」の2曲は、大幅に内容を改訂した上で、次回作『アニマルズ』収録の「ドッグ」「シープ」として発表されている。2011年に本作品がリマスター再発された際、ボーナスCDに、1974年11月のライブ音源として「Shine on You Crazy Diamond」、「Raving And Drooling」、「You've Gotta Be Crazy」が収録された。

デヴィッド・ギルモアは、ピンク・フロイドのアルバムの中で本作が一番のお気に入りであると公言している。

レコーディング中の逸話[編集]

このアルバムのレコーディング中、シド・バレット本人が何の前触れもなくスタジオに姿を現したという逸話がある。しかし、丸々と太った体に禿げ上がった頭という以前とは変わり果てた風貌のため、フロイドのメンバーですらバレットだと気付かなかったという。バレットはまだ自分がバンドのメンバーだと思い込んでおり、「どのパートのギターを弾こうか?」と聞いてきたらしい。その男がバレットである事に気付いたウォーターズは、いたたまれなくなってスタジオを飛び出して行ったという。

収録曲[編集]

  • 全作詞:ロジャー・ウォーターズ
  1. クレイジー・ダイアモンド(第1部)(作曲:ロジャー・ウォーターズ、デヴィッド・ギルモア&リチャード・ライト) Shine On You Crazy Diamond (Parts I–V)
  2. ようこそマシーンへ(作曲:ロジャー・ウォーターズ) Welcome To The Machine
  3. 葉巻はいかが(作曲:ロジャー・ウォーターズ) Have A Cigar
  4. あなたがここにいてほしい(作曲:デヴィッド・ギルモア) Wish You Were Here
  5. クレイジー・ダイアモンド(第2部)(作曲:ロジャー・ウォーターズ、デヴィッド・ギルモア&リチャード・ライト) Shine On You Crazy Diamond (Parts VI–IX)

脚注[編集]

  1. ^ wwbestalbums
  2. ^ 500 Greatest Albums of All Time: Pink Floyd, 'Wish You Were Here' | Rolling Stone
  3. ^ a b c シンコー・ミュージック刊:立川直樹著『ピンク・フロイド 吹けよ風・呼べよ嵐』より
  4. ^ w:en:List of number-one albums from the 1970s (UK)#1975を参照の事
  5. ^ w:en:Number-one albums of 1975 (U.S.)を参照の事