消音スピーカー

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消音スピーカー(しょうおんスピーカー)とは騒音公害での対処法のひとつである。日本の放送機器メーカーTOAが、世界で初めて開発した。

騒音源の音を拾い、それと逆相になるような音を作りスピーカーから出力し空間で打ち消し合わせ「騒音レベルを下げる」ことを目的としたもの。理論自体はかなり昔から証明されてきたが、近年[いつ?]デジタルシグナルプロセッサの高速化により製品化が可能になった。

乗り物への適用例[編集]

室内の静寂性が重視される乗用車に採用事例がある

救急車の車内にもサイレン音を緩和するために採用され、救護者の心理的圧迫感軽減や医療機関との無線通話明瞭度確保に役立っている。騒音源(サイレン音)を、としてマイクロフォンで拾うのではなくサイレンアンプから電気的に得るため、整った逆相波形が生成でき効果が高い。

旅客機であるサーブ 340では、ジェットエンジンとプロペラによる客室内騒音の低減に用いられている。

ノイズキャンセラー[編集]

消音スピーカーの類似技術として、ヘッドフォン携帯音楽プレーヤーに内蔵されるノイズキャンセラーがある。周囲の音(環境音という)を内蔵のマイクロフォンで収音し、これと逆位相の信号をオーディオ信号と混合して出力することによって、ヘッドフォンへ外部から侵入する環境音を軽減するものである。

ヘッドホン再生の場合、収音した環境音に再生音がほとんど混入しないため簡易な電子回路で得た逆相信号でも効果があり、消音スピーカーよりも早く1990年代から商品化された。

フィルタによるノイズキャンセラー[編集]

アナログ
フィルタ回路を使用し、ノイズを取り除く方法。
ハイパスフィルタ(HPF)、ローパスフィルタ(LPF)、バンドパスフィルタ(BPF)、バンドエリミネーションフィルタ(BEF)など。
デジタル
DSPなどで元の信号波形窓関数に与え、その波形に合致しない帯域(元信号に含まれないと推定される周波数成分)をノイズとして取り除く方法。

位相によるノイズキャンセラ[編集]

あるノイズに対して逆位相の信号を重ね合わせると、ノイズが無効化される。

アクティブノイズキャンセラ
ノイズに対して逆位相の信号をデジタル回路、またはアナログ回路によって別途生成し信号を重ね合わせることによって能動的にノイズを減衰させる方法。
サイレント楽器ソナー雑音の除去、アンテナ・ノイズ・キャンセラなど。
パッシブノイズキャンセラ
ノイズに対してノイズそのもののエネルギーを使用し、逆位相の信号を生成し信号を重ね合わせることによって受動的にノイズを減衰させる方法。
高速道路沿道にある遮音壁型ノイズキャンセラ(複雑な立体定数回路で構成)、潜水艦ステルス機ボディエレクトリック・ギターハムバッキングなど。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]