元紋別駅

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元紋別駅
もともんべつ
Moto-Mombetsu
紋別 (4.6 km)
(4.9 km) 一本松
所在地 北海道紋別市元紋別
北緯44度19分20.1秒 東経143度22分39.2秒 / 北緯44.322250度 東経143.377556度 / 44.322250; 143.377556
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 名寄本線
キロ程 97.7 km(名寄起点)
電報略号 モト
駅構造 地上駅
ホーム 2面3線
開業年月日 1921年大正10年)3月25日[1]
廃止年月日 1989年平成元年)5月1日[1]
備考 名寄本線廃線に伴い廃駅
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1978年の元紋別駅と周囲約500m範囲。右が遠軽方面。下へ分岐しているのは北見パルプ(北陽製紙を経て現王子マテリア)の紋別工場への専用線。相対式ホーム2面2線、駅舎横遠軽側に貨物ホームと引込み線、そこからさらに遠軽側に伸びている留置線、駅裏側には主にパルプ工場向け貨物用の4本の副本線が見える。貨物取扱廃止後まもなくパルプ工場も閉鎖されて、今は全て跡形も無い。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

元紋別駅(もともんべつえき)は、かつて北海道網走支庁紋別市元紋別に設置されていた、北海道旅客鉄道(JR北海道)名寄本線廃駅)である。事務管理コードは▲122119[2]

歴史[編集]

駅名の由来[編集]

地名より。「紋別」の地名はもともと当地を流れる現在の藻鼈川に由来するため、紋別の地名の発祥地であるとして「元紋別」となった[3]

駅構造[編集]

廃止時点で、単式ホーム1面1線を有する地上駅であった。ホームは、線路の北東側(遠軽方面に向かって左手側)に存在した。

国鉄時代末期に無人化されるまでは、単式ホーム島式ホーム複合型2面3線を有する列車交換可能な交換駅であった[6]。互いのホームは、駅舎側ホーム中央部分と島式ホーム中央部分を結んだ構内踏切で連絡した[6]。1983年(昭和58年)時点では、駅舎側単式ホーム(北東側)が下りの1番線、島式ホーム駅舎側が上りの2番線、外側が1983年(昭和58年)時点では側線扱いの3番線となっていた[6]。3番線の外側(山側)に旧貨物側線を3線有し、そこから分岐した行き止まりの側線も1線有した。そのほか1番線の遠軽方から分岐し、駅舎東側のホーム切欠き部分の貨物ホームへの貨物側線を1線有していた[6]。当時は附近にパルプ工場があり、貨物廃止までは専用線を有し貨物扱い量も多かった[6]

無人駅となっていたが、有人駅時代の駅舎が残っていた。駅舎は構内の北東側に位置し、ホーム中央部分に接していた[6]。古い木造駅舎は改築され、白く塗られた駅舎に変わっていた[6]。駅舎はホーム側に大きな庇が張り出した構造だった[4]

利用状況[編集]

  • 1981年度(昭和56年度)の1日当たりの乗降客数は27人[6]

駅周辺[編集]

駅跡[編集]

2001年(平成13年)時点では駅跡は消滅していたが、旧駅跡附近から遠軽方への築堤が残存していた[8]2011年(平成23年)時点では旧駅構内は公園と、北紋バスの本社になっていた[9]。当駅跡から遠軽方の線路跡には防雪林が残存し、未舗装の道路として一本松駅跡も過ぎて紋別空港前まで続いていた[9]

1948年(昭和23年)に廃止された鴻紋軌道の元紋別停留所とは、1km以上離れていた。

隣の駅[編集]

北海道旅客鉄道
名寄本線
紋別駅 - 元紋別駅 - 一本松駅

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、911頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、242頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362023年3月21日閲覧 
  3. ^ a b 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、197頁。ASIN B000J9RBUY 
  4. ^ a b 『新紋別市史』紋別市役所、1983年3月30日、687、690頁。 
  5. ^ 「通報 ●飯田線三河川合駅ほか186駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報号外』日本国有鉄道総裁室文書課、1986年10月30日、12面。
  6. ^ a b c d e f g h 宮脇俊三 編『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』原田勝正小学館、1983年7月、211頁。ISBN 978-4093951012 
  7. ^ a b 『北海道道路地図 改訂版』地勢堂、1980年3月、18頁。 
  8. ^ 宮脇俊三 編『鉄道廃線跡を歩くVIII』JTBパブリッシングJTBキャンブックス〉、2001年7月、35頁。ISBN 978-4533039072 
  9. ^ a b 本久公洋『北海道の鉄道廃線跡』北海道新聞社、2011年9月、124-125頁。ISBN 978-4894536128 

関連項目[編集]