交響曲第3番 (サン=サーンス)

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交響曲第3番ハ短調 作品78オルガン付き」(Symphonie n° 3 ut mineur op.78, avec orgue)は、1886年、おそらくはカミーユ・サン=サーンスの生涯における芸術的な頂点の年に完成された交響曲。サン=サーンスの番号つきの交響曲としては3番目、番号なしを含めれば(2曲の未完成を除く)5番目の交響曲である。

ロンドン・フィルハーモニック協会の委嘱で作曲され、1886年5月19日の初演も作曲者自身の指揮によりロンドンで行われている。

目次

概略 [編集]

この作品の作曲についてサン=サーンスは「この曲には私が注ぎ込める全てを注ぎ込んだ」と述べている。作曲家自身、管弦楽作品としては最後の試みになることを自覚していたかと思われ、作曲者の「自叙伝」に近いものになっている。すなわち、そこには彼自身の名人芸的なピアノの楽句や、華麗な管弦楽書法、教会のパイプオルガンの響きが盛り込まれている。

この交響曲の最も顕著で独創的な特徴は、各所に織り込まれた、ピアノ(2手もしくは4手)およびオルガン、すなわち鍵盤楽器の巧妙な用法である。そのほか、この交響曲は通常の4楽章構造にしたがっているように見えるが、通常の意味での第1と第2、第3と第4の楽章はそれぞれ結合されており(それぞれを「楽章」と呼ばず、「第1部・第2部」としている)、これら2つの部分が実質的に1つの楽章として機能するため、2つの楽章に圧縮されていると言うことができる。サン=サーンスはここで、伝統的なスタイルも踏まえつつも新たなる新たな形の交響曲を意図していたのである。また、前年に初演されたヴァイオリンソナタ第1番でも同様の構成が採られている。

この交響曲はまた、循環主題技法の創造的な用法を示している。サン=サーンスはフランツ・リストと友人であり、初演直後に亡くなったリストにこの交響曲を献呈しているが、素材が楽曲全体を通じて進化してゆくというリストの主題展開理論がこの交響曲には適用されている。

演奏時間 [編集]

約35分(各楽章20分、15分)

楽器編成 [編集]

楽曲構成 [編集]

第1楽章 (前半)Adagio - Allegro moderatoハ短調 - (後半)Poco adagio変ニ長調
第1楽章は緩やかな導入部の後、Allegro moderatoとなりメンデルスゾーン風の第1主題がまず現れ、穏やかな性格の第2主題が続く。第1楽章の後半は先ず弦楽器、次にオルガンによって悲しげな表情のアダージョの主題が導入されるが、この主題には循環動機が回帰している。
第2楽章 (前半)Allegro moderatoハ短調—Prestoハ長調 - (後半)Maestoso—Allegroハ長調
第2楽章は弦楽器によるエネルギッシュな旋律で幕を開ける。スケルツォ的な要素を強調するように金管楽器とピアノが活躍した後、オルガンの響きによって第2楽章の後半であるマエストーソが開始され、オーケストラによるフーガが導入される。冒頭部には弦を伴った4手ピアノが聞こえてくる。このよく知られた最終楽章は、コラール、ポリフォニックな書法や手短なパストラル風の間奏などきわめて変化に富んでいるが、それら全ては力感に富んだ終結部によって頂点を迎える。
後半においてオルガンが奏でる最低音域のペダル音はほとんど聴き取れないほどの低音であり、パイプオルガンを具えたコンサートホールでの生演奏は、きわめて劇的かつ印象深い音響上の体験となる。

大衆文化への引用 [編集]

  • 第2楽章第2部でオルガンが登場する部分は、その威風堂々とした曲調から映画などで使用されることがある。
    • 第2楽章第2部の主題に歌詞を付けたものが映画ベイブ』および『ベイブ/都会へ行く』(1995年1998年オーストラリア製作)で使われている。
    • TVアニメ「ルパン三世」(第二シリーズ)の第145話『死の翼アルバトロス』で、飛行艇アルバトロスが巨大な姿を現す場面で、冒頭部分の一部が使われている。

外部リンク [編集]