メネメン (料理)

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メネメン
メネメン(左の皿)を中心とするトルコ風の朝食。
種類 朝食
発祥地 トルコの旗 トルコ
地域 メネメン[1][2]
主な材料 トマト青トウガラシ。香辛料として黒コショウ赤トウガラシオレガノタマネギニンニクチリパウダー
類似料理 シャクシューカ
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メネメン(menemen)とはトルコの伝統的な料理で[3]トマト青トウガラシ黒コショウ赤トウガラシなどの香辛料を加え、オリーブオイルもしくはひまわり油で炒めたもの。トルコ風のフェタチーズベヤズ・ペイニル英語版)や、スジュク英語版パスティルマ英語版のようなシャルキュトリーも入れられる。タマネギを用いたものもあるがその是非については議論があり、朝食ではなくメインディッシュにする場合にタマネギを用いることが多い。トルコイズミル県メネメン英語版地区に起源を持つと考えられるものの、トルコ全域で広く食べられている。北アフリカシャクシューカとは共通点も多いが、メネメンは卵をスクランブルエッグ状にすることが多い点で異なる[4]

メネメンは一般に朝食としてパンとともに供される[5]。トルコの食文化では朝食が重視され品数も多いが、メネメンはその中でも中心となる定番の料理である[6][7]

調理[編集]

トマトは細かくさいの目切りにするか、すりおろしておく。望みの食感を得るために、さいの目切りにしたものと、すりおろしたものを混ぜても構わない。まず青トウガラシと(使用する場合は)タマネギを小鍋に入れ、バターか油でソテーする。アレッポトウガラシを加えることもある[8]。タマネギの使用には議論もあり、どちらかというと朝食ではなくメインディッシュとして食べる場合に多い[9]。著名なYouTuberのサーニエ・アンネはタマネギがなければ本当のメネメンではないと主張している[10]

スジュク(ドライソーセージ)を使うなら、青トウガラシが柔らかくなった後に入れる[11]。これにより油の風味が増す。その後にトマトを入れるが、スジュクは火が通り過ぎないようにここでいったん取り出しても構わない。トマトがトロトロになるまで炒め、野菜から水が出すぎないうちに卵を入れる。卵は溶いて塩コショウや生のハーブと混ぜておいてもいいし、小鍋に直接割り入れても構わない[12]。パスティルマを使うなら卵と同時に加える[13]。火を止める直前にカシャールチーズやフェタチーズを卵に載せる食べ方もある。卵は固くならない程度に全体に火を通す(火からおろした後も余熱で火が通り続ける)。パセリワケギを生のまま刻んで入れることもある。料理に使ったサハンと呼ばれる両手鍋に入れたまま、焼き立てのパンと一緒に食卓に出す[14]

バリエーションとしてはキノコラム挽肉を入れたものがある[15][16]。好みにより、クミンパプリカミントタイム英語版などの香辛料を加える[17]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Menemen denince ilk akla gelen lezzet; Menemen Yemeği” (Turkish). İzmir Kültür ve Turizm Dergisi. 2018年9月3日閲覧。
  2. ^ Yaşin, Mehmet (2016年7月9日). “Yaz sofralarının kraliçesi menemen” (Turkish). Hürriyet. http://www.hurriyet.com.tr/kelebek/hurriyet-pazar/yaz-sofralarinin-kralicesi-menemen-36920645 2018年9月3日閲覧。 
  3. ^ The Spicy Paleo Cookbook”. 2014年12月21日閲覧。
  4. ^ Menemen - Istanbul, Turkey - Local Food Guide”. EAT YOUR WORLD. 2018年11月12日閲覧。
  5. ^ Turkish Cookery, M. Işın Günür (1990).
  6. ^ Ebru Kahveci=. “朝食が好きな方はこちらへ!トルコ朝食のローカル味21選!”. グルメトルコ. 2018年11月12日閲覧。
  7. ^ Brad Cohen (2018年8月15日). “All the things you need to eat in Istanbul”. USA TODAY Travel Media Group. 2018年11月12日閲覧。
  8. ^ Menemen nasıl yapılır? İşte her öğünün gözdesi menemen tarifi…”. 2018年7月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月18日閲覧。
  9. ^ Türkmen, Arda, "Hürriyet Pazar", August 10, 2014, p.16.
  10. ^ Saniye Anne’nin 155 bin takipçisi var”. Milliyet Haber. 2018年7月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月17日閲覧。
  11. ^ En lezzetli ve güzel menemen tarifi”. www.haberturk.com. 2018年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月18日閲覧。
  12. ^ Mutfak Sırları. Menemen Nasıl Yapılır? - Mutfak Sırları. 該当時間: 180 seconds. 2018年7月18日閲覧
  13. ^ Pastırmalı Menemen”. Sabah. 2018年7月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月18日閲覧。
  14. ^ Emina, Seb; Eggs, Malcolm (2013-03-14). The Breakfast Bible. Bloomsbury Publishing. ISBN 978-1-4088-3990-4. https://books.google.com/books?id=9ve2DaGd_7EC&pg=PT109 
  15. ^ Mantarlı menemen”. 2018年7月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月18日閲覧。
  16. ^ Kıymalı Yumurta”. Arda'nın Mutfağı. 2018年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月18日閲覧。
  17. ^ Menemen tarifi”. Milliyet. 2018年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月18日閲覧。