マトウダイ
| マトウダイ | ||||||||||||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
マトウダイ Zeus faber
|
||||||||||||||||||||||||||||||
| 分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||
| 学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| Zeus faber Linnaeus, 1758 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| 英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| John dory, St. Peter's fish |
マトウダイ(学名:Zeus faber)は、マトウダイ目マトウダイ科に属する魚類の1種。体側面に弓道の的のような特徴的な黒色斑をもち、マトダイ(的鯛)とも呼ばれる[1]。
目次 |
分布・生態 [編集]
マトウダイは西部太平洋・地中海・インド洋・東部大西洋に分布する海水魚である[1]。日本の近海にも多く、本州中部から東シナ海にかけての沿岸域に生息する。温暖な海の海底付近で暮らす底生魚で、群れは作らず単独で遊泳していることが多い[2]。
通常の食性は魚食性で、ときおり甲殻類や頭足類を捕食する[2]。産卵は冬から春にかけて行われ、具体的な時期は地域によって異なる。卵は分離性浮性卵で、仔魚および稚魚は浅い海で成長した後[2]、次第に水深50-150mの深みに移行する。成長は比較的遅く、性成熟には4年を要することもある[2]。
形態 [編集]
マトウダイは左右に平たく、著しく側扁した楕円形の体型をもつ[1]。全長40cmほどの個体が多いが、最大では90cmにまで達する[2]。口は大きく斜め上向きで、前方に素早く突き出すことができ、そうやって餌をとらえる[1][3]。稚魚の体はほぼ円形で、黒色~褐色の不規則な縦縞をもつ[1]。
体の両側面には明瞭な縁取りをもつ円形の黒色斑が存在し、本種の大きな特徴となっている[1]。眼に似ていることから眼状斑とも呼ばれ、幼魚のときは鮮明だが成魚になるとやや不鮮明になる[3]。同じマトウダイ科に所属する近縁のカガミダイ(Zenopsis nebulosa)は本種とよく似た姿をしているが、黒色斑が不明瞭であること、頭部背側がやや陥凹することなどで区別される[1]。
背鰭の棘条は9-11本で、前方部の鰭膜は糸状に細長く伸びる[1]。背鰭軟条は22-24本で、臀鰭は4本の棘条と20-23本の軟条で構成される[2]。鱗は微小で、皮膚に埋もれる[1]。
人間との関わり [編集]
マトウダイはいわゆる白身魚で、味が良いため日本を含む世界各地で食用として利用される[1][4]。旬は産卵期の前で、刺身・煮付け・唐揚げ・フライ・鍋料理などさまざまな方法で調理される。
本種は英語で「John dory」と呼ばれるがその起源ははっきりわかっておらず、フランス語の「jaune d'orée(黄色い辺縁をもつもの)」など、由来については諸説ある[4]。一方、ドイツ語(Petersfisch)・フランス語(Saint-Pierre)・スペイン語(pez de San Pedro)など他の複数の言語では、キリスト教における十二使徒の一人、聖ペトロにちなんだ名前で呼ばれる[4]。聖ペトロは貢物のお金をマトウダイの口から取り出したとする伝承があり、本種の黒色斑はこのときにつけられた聖ペトロの指紋に見立てられている[4]。
出典・脚注 [編集]
参考文献 [編集]
- Andrew Campbell・John Dawes編、松浦啓一監訳 『海の動物百科3 魚類II』 朝倉書店 2007年(原著2004年) ISBN 978-4-254-17697-1
- 岡村収・尼岡邦夫監修 『日本の海水魚』 山と溪谷社 1997年 ISBN 4-635-09027-2
- 落合明「薄いからだの大食漢 マトウダイ」、『週刊朝日百科・動物たちの地球』89(魚類5、タラ・アンコウ・キンメダイほか)、1993年。
関連項目 [編集]
外部リンク [編集]
- FishBase‐マトウダイ (英語)