ペーテル・マッテイ

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ペーテル・マッテイ
Peter Mattei
ペーテル・マッテイ 2012年
基本情報
出生名 Peter Mattei
生誕 (1965-06-03) 1965年6月3日(58歳)
出身地  スウェーデン、ノールボッテン県ピーテオ
学歴 スウェーデン王立音楽アカデミー
ジャンル オペラ、コンサート
職業 バリトン歌手
活動期間 1990年 -

ペーテル・マッテイPeter Mattei, 1965年6月3日 - )は、スウェーデン歌手バリトン)。身長6フィート4インチ(193センチ)の長身で[1]モーツァルトの作品を中心とした、ジャンルを問わない幅広いレパートリーを持つバリトンの一人。

来歴[編集]

ペーテル・マッテイは1965年6月3日、スウェーデンノールボッテン県ピーテオに生まれる。スウェーデン王立音楽アカデミー卒業後、1990年にドロットニングホルム宮廷劇場でモーツァルト『偽の女庭師』のロベルト(ナルド)でデビュー[2][3]。1994年から1995年のシーズン、マッテイはヨーテボリ歌劇場英語版で初めてドン・ジョヴァンニを歌い、同じシーズンにはスウェーデン王立歌劇場にも出演して『フィガロの結婚』のフィガロを初めて手掛けた[2]。1995年には初めてスウェーデン国外で公演を行い、グラスゴースコティッシュ・オペラ英語版でドン・ジョヴァンニを歌い、続けてブリュッセルモネ劇場フランスエクサン・プロヴァンス音楽祭にも出演を果たす[3][4]

1996年夏、マッテイはザルツブルク音楽祭に初出演し、ゲオルク・ショルティ指揮のベートーヴェンフィデリオ』のドン・フェルナンドを歌い[4]、1997年2月にはクラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会で、スウェーデンの先輩歌手アンネ・ゾフィー・フォン・オッターらとともにJ.S.バッハマタイ受難曲』のソリストを務めた[4][5]。続くシーズン、マッテイはストックホルムでモーツァルト『魔笛』のパパゲーノとチャイコフスキーオルレアンの少女』のライオネル、モネ劇場でリヒャルト・シュトラウスナクソス島のアリアドネ』のハーレクインを手掛け、コンサートの方でもアバド指揮ベルリン・フィルとは1997年8月にザルツブルク音楽祭での『マタイ』と12月の定期演奏会でのマーラーさすらう若者の歌』で共演[4][5]。1999年から2000年のシーズンでは、ヨーテボリでロッシーニセビリアの理髪師』のフィガロ、モネ劇場でチャイコフスキー『エフゲニー・オネーギン』のオネーギンを初めて演じ、ヘルベルト・ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団とJ.S.バッハ『ヨハネ受難曲』、リッカルド・シャイーの指揮でミラノアムステルダムで『マタイ』を歌った[4]

2002年1月、マッテイは初めてメトロポリタン歌劇場(メト)の舞台に立ち、『フィガロの結婚』のアルマヴィーヴァ伯爵を歌う[6]。メトではその他ドン・ジョヴァンニ、『理髪師』のフィガロ、プッチーニラ・ボエーム』のマルチェロ、チャイコフスキー『スペードの女王英語版』のプリンス・イェレツキーおよびヤナーチェク死者の家から』のシシュコフを演じた[6]。特に『死者の家から』は、作品のメト初演と指揮者エサ=ペッカ・サロネンのメト・デビューを飾る記録すべき上演であった[6]。2004年には、スウェーデン王室から「王室宮廷オペラ歌手」の称号を拝した[2]。2010年にはルツェルン音楽祭に初めて登場[2]。2011年12月、マッテイはスカラ座の舞台に十八番のドン・ジョヴァンニで初めて立つこととなったが、これはシーズン開幕公演であり、しかも新演出による上演でもあった[7][8]

マッテイは2013年2月から3月のメトでの公演で、ダニエレ・ガッティの指揮によるワーグナー『パルジファル』のアンフォルタスに初挑戦した[9][10]。メトにおいては2013年から2014年のシーズンにオネーギンを歌う予定となっており、またマッテイは自分のレパートリーのうち、ヴェルディ『ドン・カルロ』のロドリーゴを含むスカンディナヴィア以外では歌っていないレパートリーを披露することを検討しており、またワーグナー『指環』のヴォータンを手掛ける予定があることも明かしている[9]

主なディスコグラフィ・フィルモグラフィ[編集]

オペラ[編集]

声楽付き管弦楽曲[編集]

宗教曲[編集]

脚注[編集]

  1. ^ #NYT (1)
  2. ^ a b c d #Lucerne
  3. ^ a b #OPERA NEWS
  4. ^ a b c d e #Bach Cantatas
  5. ^ a b Berliner Philharmoniker 1997” (ドイツ語 / 日本語). Claudio Abbado 資料館. 辻野志穂. 2013年3月30日閲覧。
  6. ^ a b c Mattei, Peter (Baritone)” (英語). performance record on the MetOpera Database. Metropolitan Opera. 2013年3月30日閲覧。
  7. ^ Don Giovanni Wolfgang Amadeus Mozart” (英語). La Scala. La Scala. 2013年3月30日閲覧。
  8. ^ That Actor Has a Pretty Good Voice” (英語). The New York Times. The New York Times / George Loomis (2011年). 2013年3月30日閲覧。
  9. ^ a b Peter Mattei & 'Parsifal': The Opera Singer Draws Acclaim In New Wagner Role” (英語). Huffpost Arts & Culture. TheHuffingtonPost.com, Inc. / Mike Silverman. 2013年3月30日閲覧。
  10. ^ ワーグナー 《パルジファル》”. METライブビューイング 2012~13. 松竹. 2013年3月30日閲覧。
  11. ^ Aix-en-Provence Festival 2” (英語). Presto Classical. Presto Classical Limited. 2013年3月30日閲覧。
  12. ^ Berlioz Les Troyens” (英語). London Symphony Orchestra - LSO Live. London Symphony Orchestra. 2013年3月30日閲覧。
  13. ^ Beethoven: Fidelio, Op. 72” (英語). Presto Classical. Presto Classical Limited. 2013年3月30日閲覧。
  14. ^ Peter Mattei: Great Baritone Arias” (英語). Presto Classical. Presto Classical Limited. 2013年3月30日閲覧。
  15. ^ Sibelius Kullervo” (英語). London Symphony Orchestra - LSO Live. London Symphony Orchestra. 2013年3月30日閲覧。
  16. ^ Mahler Complete Symphonies” (英語). Presto Classical. Presto Classical Limited. 2013年3月30日閲覧。
  17. ^ Nobel Prize Concert” (英語). Presto Classical. Presto Classical Limited. 2013年3月30日閲覧。

参考文献[編集]