ヒメジョオン

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ヒメジョオン
ヒメジョオン
ヒメジョオン
愛媛県広見町、2001年6月3日)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : 真正キク類II Euasterids II
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : キク亜科 Asteroideae
: シオン連 Astereae
: ムカシヨモギ属 Erigeron
: ヒメジョオン E. annuus
学名
Erigeron annuus
(L.) Pers.[1]
シノニム

Stenactis annuus
(L.) Cass.
Phalacroloma annuum
(L.) Dumort.

和名
ヒメジョオン(姫女苑)
英名
annual fleabane、eastern daisy fleabane
亜種変種品種
  • E. a. ssp. strigosus
  • E. a. var. discoideus
  • ボウズヒメジョオン E. a. f. discoideus[1]

ヒメジョオン(姫女学名: Erigeron annuus)は、キク科ムカシヨモギ属植物。背の高さが50-100cmにもなる、白いを咲かせる一年草である[2]。同属のハルジオンと共に、道端でよく見かける雑草である。

形態・生態[編集]

若い時期は、根本から長い柄のついた丸みを帯びた根出葉)を付ける。やがて、が高く伸びると、根本の葉は無くなり、茎から出る細長い葉だけになる。茎と葉は黄緑色で、まばらにが生える。

茎は初めは枝分かれせず、先の方で数回の枝分かれをして、白か薄紫のを咲かせる。花はヒマワリのような形だが、周りの花弁がとても細い。また、ヒメジョオンの花に見えるものは頭状花序で、小さな花の集まりである。中央の黄色い部分は、管状花といい、周辺の花びらのようなものは、舌状花という。花の時期は初夏からにかけての5-8月である[2]。また、花弁の白い部分がやや紫がかる個体が見られることもあるが、これは清浄な空気の中で育った時にできるものである。

1個体あたり47,000以上の種子を生産し、さらにその種子の寿命が35年と長いこともあり、驚異的な繁殖能力をもっている[2]。したがって、駆除がとても難しい。

近縁種との見分け方[編集]

ヒメジョオンとハルジオンは、花がよく似ていて混同されることがある。標準的には、ヒメジョオンの方が背が高く、花は小さくて数が多く、根本がすっきりしている。これに対して、ハルジオンは、背は低く、花は大きくて少なく、根本に葉がある。また、ハルジオンのは下を向いて項垂れているような特徴がある。従って、しっかりと比べて見れば、はっきりと見分けがつく。分かりにくい場合は、茎を折ってみるとよい。ヒメジョオンの茎には空洞がないが、ハルジオンの茎には真ん中に空洞がある[2]。葉の付き方も違い、ヒメジョオンの葉は茎を抱かないが、ハルジオンは茎を抱くように付く[2]

最近では、デジタルカメラで花をマクロで撮る人が増え、花だけを拡大して写すことがよくある。そのような花だけの写真では、この両者の区別がとても難しい。標準的な花では、ヒメジョオンはハルジオンより花が一回り小さく、舌状花の数も少ないので、見分けられるが、判断が難しい場合もある。

なお、ヒメジョオンとハルジオン以外にも、ヘラバヒメジョオンなど近縁のものがあるので、注意が必要。

分布・生育地[編集]

北アメリカ原産[3]で、ヨーロッパアジア日本を含む)に移入分布する[4]

日本には1865年頃に観葉植物として導入され、明治時代には雑草となっていた[3]。現在では全国に広がり、山間部にも入り込んでいる。在来種の植物の生育を邪魔する可能性があり、とくに自然豊かで希少な植物が多く生育する国立公園亜高山帯では問題となる[3]。そのため、ヒメジョオンは、ハルジオンとともに要注意外来生物に指定されているほか、日本の侵略的外来種ワースト100にも選定されている[3]

人間との関わり[編集]

ヒメジョオンは漢字に直すと「姫女」となる。「姫」は「小さい」、「女」は「中国産の野草」を表す。小さいシオン(紫菀)の一種であり、別種のヒメシオンと区別するために「ヒメジョオン」という名前が付いたという説もある。また、標準和名はヒメジョオンであるが、同類のハルジオンと混同して、「ヒメジオン」と呼ぶ間違いがみられる。見た目が非常に似ている上に、名前も紛らわしいので、注意が必要。同じように、「ハルジオン」を「ハルジョオン」と呼ぶ間違いもみられる。

日本に入ってきた当初は、「柳葉姫菊(やなぎばひめぎく)」と呼ばれたり[2]鉄道線路沿いに広がったことから「鉄道草(てつどうぐさ)」と呼ばれたりした。

脚注[編集]

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  1. ^ a b 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)”. 2012年5月16日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 岩槻秀明 『街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本』 秀和システム2006年、242-244頁。ISBN 4-7980-1485-0
  3. ^ a b c d 自然環境研究センター編著 『日本の外来生物 : 決定版』 多紀保彦監修、平凡社2008年ISBN 978-4-582-54241-7
  4. ^ 国立環境研究所. “ヒメジョオン”. 侵入生物データベース ―外来種/移入種/帰化動植物情報のポータルサイト―. 2012年5月16日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]